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映画「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」を見てきた。持っていたよりハードな内容だった。

映画「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」を見てきました。面白いですが、本当に途中で終わってしまうので、この一作だと感想が難しいですね。後章への期待を持たせる作品でした。続きを見たいと思わせる「期待」に溢れる作品でしたね。
コミックは、無料配信している時大学(入試だっけ?)に行くくらいまで見てました。続きをコミックで見たいとも思いましたが、映画の後章まで我慢ですね。

冒頭は宇宙船が来たり、とスペクタルで飽きさせませんね。
東京の上空には宇宙船が留まって三年たった世界。たまに偵察用の宇宙船を吐き出しますが、それ以外は何もしない宇宙船(母艦)。それが日常になってしまった世界で、生きている門出とおんたんという女子高生二人を主人公とした話です。
門出は宇宙船到来時に父が行方不明になり、母は宇宙船の環境汚染を過剰に気にしています。少し問題がある家族です。そして門出は先生に恋しています。
おんたんはちょっと変わった女の子。顔はいいが、太っている半分引きこもりの兄を持っています。こうやって書くと、おんたんの方が特徴がないですね。ただ、性格はおんたんの方が特徴的です。変なことばっかり言っています。
世界がどうにかなりそうでならない、危うい中のそんな二人の日常を描く作品です。と思って見てきて、事実そうなのですが、後半になっておんたんの過去(門出が先に見せる過去と微妙に違う。今の時代の首相が門出に殺される)が見えてから「タイムパラドックス」が想像させる展開になってきます。
人間に化けている宇宙人におんたんが会ったとき、その過去を見ます。
宇宙船にタイムパラドックスと面白そうな展開になることが想像されますね。
この作品の世界では「イソべやん」という夢を叶えるような道具を出すギャグ漫画があるそうです。「ドラえもん」を思わせる作品ですね。
門出とおんたんは過去(小学生の時)に、宇宙船が来る前に宇宙人を助けています。そして、その宇宙人は「イソべやん」に出でくるような道具を出し、門出は世界が宇宙人に侵略されないように、その道具を使って宇宙人に人間の善性を見せてゆこうとします。しかし、彼女は正義の名の下に走り出し、殺しすらも行ってしまう。
ギャグ漫画では描かれない、個人が強大な力を持った時どう行動するか。正義とは。など、色々考えさせる展開になっていきます。このような極限な行動をとった時人はどう行動するのか、私はそこに興味を持ってしまう。そういう点でも、興味深く鑑賞できました。
そして、門出は高層階から飛び降りてしまいます。
「ハードな展開の作品だな」なんて思いました。
これは、おんたん人間に化けている宇宙人と会ったとき見た回想。門出の回想と少し違うんだよね。前章では描かれていなけれど、おんたんが宇宙人の道具で時間を遡ってやり直しているって展開になるのかなと予想します。その答え合わせができる後章が楽しみでならない。
ただ、おんたんはその記憶は何らかの形でなくしてしまったようです。

宇宙船が上空にある世界。そんな状況に置かれたとき人はどう行動するのか? その中で動く人々を見るのは、興味深くそれだけで惹きつけられます。
加えてキャラクターが良い。なんか変なこと言っていて、話を引っ張る、何をするかわからないおんたん。複雑な家庭を持ち、先生に恋している門出(小学生時代は正義の名の下に突っ走る。過激な性格を秘めています)。その友達三人。作中で彼氏を作るキホ、兄弟が多い、穏やかな感じの亜衣。BL好きの、ロリータファッションの凛。
そんな五人の日常。突然の友の死。そして、全半で語られた門出の過去と違う世界を見せるおんたんの過去。物語は期待感を高まらせて進み、見逃せないようなっています。
後章で活躍するであろう、二人のキャラクターもなかなか魅力的でした(ふたばとマコト)。おんたんの兄もいいですね。
人間に化けている宇宙人は、どんなキャラクターか前章だけだといまいちわかりませんが、後章でどんな行動して、どんなキャラクターか知るのが楽しみになる存在でしたね。
ただ、前章だけだと高めた期待、カタルシスを解放しないで終わってしまうんですよね。なので、作品としては前後章一つの作品として見ないと面白いかの判断はできません。
絵は素晴らしいし、期待感高まる物語、SFとしても面白いです。宇宙人は仲間想いのようで、そんな宇宙人を侵略者だとしても殺していく人類に対して、何か物語で罰が与えられるのでしょうか? 「生きるためには知的生物」を殺していいのか? これは人間の戦争ではないけれど、そういう問いもあり、考えさせる展開になっています。この部分の答えが後章出てるか分かりませんが。「出るかもしれない」という期待はあります。
そしておんたんの過去(本人も覚えていなそう)、変わってしまった未来。宇宙人の侵略におんたんと門出の行動は影響していたのか? 後章への期待感は高まるばかりです。

テーマではないでしょうが「いじめ」の場面も出てきて、いじめた者への過剰とも思われる復讐は考えさせるものがありますね(「やってしまえ」と思う自分もいます)。

テーマはなんでしょう?「ドラえもん」への批評的な側面がありますね。実際にそんな道具を持ってしまったとき、人間はどう行動するのか? わかりませんが、この作品のアイディアの最初はそこから始まったのではないでしょうか?
どんなに世界がおかしくなっても、友達と過ごし、家族問題もあり、大学受験する、そんな普通の日常を送る、ある種の異常性を描きたかったのかもしれません。それをもっと面白くするために、ドラえもん」への批評的な側面を加えたのかもしれません。
それは作者の問いかけであり「宇宙船が上空にあって、日常が過ごせるのか?」ということは、そのまま受け入れないで考えるべきことだとは思います。まあ、現実でも都内上空という近くではありませんが、他国での戦争などがある中で、私は日本で日常を過ごしているわけですが。
これから展開がタイムパラドックスに向かってゆくなら、犯してしまった罪を償わず、未来を変えるということの問題もテーマとして、上がってくるかもしれません。
宇宙人の侵略が、門出個人への罰というオチも考えられます。
門出の家族や、教師への恋も、テーマになりうります。
いくつものテーマを考えられる作品は良い作品だと考えます。物語が多層的になれば、どのテーマに対してオチをつけるのか考えさせ、最後を読ませませんし、それぞれのテーマが絡み合って、うねりのようなものが、見ている人に先の楽しみを与えます。
おんたんと門出はネットの戦争ゲームで繋がっているようです(あまり描写はないけれど。コミックだと会った気がする)。宇宙船を撃つ兵器はゲームのコントローラーのボタンを押して、放たれます。何らかの批評性を感じますね。

映画のラスト、宇宙人たちが大量に落ちる場面は凄かったですね。物語だけでなく、画の見せ方でも期待感を持たせますね。素晴らしい。
「人類終了まであと半年」ラストの展開を最悪の形で想像せさる終わりも、時間的な制約をつけることで、視聴者に緊張感を与えるので良いですね。

宇宙船が来た日を「8・31」と呼んでいるけれど、どこかで「8・32」って言ってなかっけ? 私の聞き間違いだろうか?

門出を幾田りらさん、おんたんをあのさんと今一番勢いがあるアーティストの方が声優をしています(と言っても私はテレビを見ないので、大雑把な印象ですが。YouTubeで表示される動画からの印象)。評判が良いようです。私も良いと思いました。おんたんは、あのさんままな感じですが、小学生の頃の自信がなさそうなおんたんも上手く演じていて「よいな」と思いました。

前章だけだと「きっと面白くなるだろう」というところで終わってしまうので、この作品だけだと作品の評価はつけられませんが、大変面白く見ました。前章を見ないと、後章は楽しめないわけで、ラストが面白く見られればすごい作品だと思うと思います。そんな期待ができる作品です。

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