はいどーも。絶賛ニート中のゆとりです。

　最近のTwitterを見てると、NAGAやMortalといった麻雀AIの解析を参考にしてる人がだいぶ増えてきた印象がありますが、AIの解析を見て勉強しようとすると言語化がほぼ必須になるので今回はそこの精度を上げていく話を軽くしようかと思います。

とりあえずあれこれ言う前に僕がTwitter見てて気になった例を。

この局面に対しての
「放銃したくない点数状況だから打9m。」
という意見を見かけたのですが、こういう言語化って良くないんだよなって話をしていきます。

軽い気持ちのツイートにマジレスするのは申し訳ないですが、今回の内容にピッタリなので触れさせてもらいます。

　まず細かく見ていきます。

「放銃したくない点数状況だから打9m。」
というのは、
「放銃したくない点数状況だ。」
「オリるなら打9mだ。」
という正しい要素を並べていてそれっぽく見えるかもしれませんが、
「放銃したくない点数状況だからオリだ。」
という明らかにイコールではない論理で結ばれています。

大体の点数状況で放銃はしたくないですが、その全てがオリということには当たり前ですがなりません。確かにオリを後押しする要素ではありますが、今回の場合それは程度問題であって絶対的なものにはなり得ません。

こういうイコールでない論理で結ばれたそれっぽい言語化は飛躍した論理を正しいと錯覚してしまう原因になります。言語化する際にこれをやってしまうといくら勉強してもあまり上達しないどころか間違った論理が身に付いてしまって弱くなることすらあります。

　それでは次に視野を広げて考えてみます。

「放銃したくない点数状況だから打9m。」
「親番は放銃してもツモられてもあんまり変わらないから打1m。」

例えばこの2つの意見が並んでいたら「そんなのなんとでも言えるじゃん！」と思う人が多いのではないでしょうか。

「リーチの一発巡だからより安全に打9m。」
「1mの放銃率が低くどうせ切ることが多いので一向聴キープの打1m。」

これもなんとでも言えてしまいます。

なぜそうなってしまうのかというと、これらは結論ありきでそれを後押しする要素をくっつけただけだからです。つまり、比較の軸がない意見なのです。

「放銃したくない点数状況だが、親番は放銃と被ツモの差が小さいので打1m。」
「リーチの一発巡だが、1mの放銃率も十分に低いし止めきれないケースが多いので一旦打1m。」

こうやって比較を入れると前者は点数状況、後者は放銃率という最重視してる要素についての言及のみでも最低限の軸がある言語化ができます。

「親番は放銃と被ツモの差が小さいが、放銃したくない点数状況なので打9m。」

このように逆に出来るのでまぁなんとでも言えますが、この場合どちらかは絶対に間違っているので検証することができます。

麻雀における一般的な言語化、意見というのはつまるところ仮説を立てるということです。最低限検証できる形にしなければ自分の考えを相手に伝えることも、掘り下げることも難しくなります。

例えばここから9mの放銃率は1%以下で1mは2〜3%くらいで2sが何%で…とか親番対1人リーチへの押し返しの局収支がどうだとか、南1局で5万点弱持ちの和了価値指標はどうとか、データから数値を当てはめてみて自身の感覚的な意見を再検討するなども比較の軸があればしやすくなります。

ちなみに麻雀における究極の言語化はおそらく数字の羅列になる気がします。知らんけど。

　今回使わせていただいた例はまぁ言葉足らずで済まされることなので、別に発言者がどうだという話ではないという前提を理解していただいた上で、似たような構造の雑な言語化によって間違った論理を正しいと思い込んでしまっている例を多く見てきたので、習慣化しすぎると良くない影響が出そうだなという僕の感想を参考にしたりしなかったりしていただければ幸いです。

とはいえ初級者、中級者がいきなり要素を的確に拾うのは難しいので、ある程度の雑な言語化になるステップは誰もが通る道だと思います。肝心なのはより細かく見られるようになったときに思考を掘り下げやすい、更新しやすい言語化になっているかです。

まぁピンと来ない人も多いと思うのでザックリ言うと、麻雀ノート書いたりツイートでアウトプットしたりしてる人は、メリットデメリット両方拾って比較した形跡がある内容にしておくと後々見返したときにとても捗ることがあります、という感じです。

AIを参考に勉強してる人は特に、論理の飛躍とかちゃんと比較できてるかとか気をつけてみてください。ぶっ飛んだツイートしてる人、少なくないですよ。

ではまた。