【研究】序盤構想で勝つ時代【part6】

10.場況の考え方

場況を考えるとき、他家が序盤に切った数牌は最も重要な情報になる。

序盤に切られた牌の2つ隣までは持っている可能性が低く、3つ隣の牌(スジ牌)は持っている可能性が高いという統計データがある。(正確には可能性というより平均所持枚数。)

①序盤2〜8切りの隣の牌

②序盤1切りの2,3、9切りの7,8

③序盤2〜8切りの2つ隣の牌

①→③の順で場況が良いと覚えておいて問題ない。

厳密には3切りの1や4切りの2など「2つ外側の牌」と②は逆転するので余裕があれば覚えておきたい。

実戦的には序盤に1人以上の①か、2人以上の②③の情報があれば場況が良いと考えて差し支えない。

ざっくりと①6点、②4点、③3点と考えて合計6点を超えれば場況が良い、8点を超えればかなり場況が良い、くらいのイメージ。

場況の良し悪しは基本的にターツや浮き牌の選択で使うことが多いが、かなり場況が良いという情報があるとそこの愚形を払う構想自体の評価が低くなっていく。

画像3

例えば5巡目ドラ北で上の手牌の場合、5sや3s引きなどを考えて打西とするのが自然だが、3mの場況が良くなる情報が多ければ打4sとして安牌を抱えてしまうのも有力になる。

場況の拾い方としては、捨て牌さえ見ればある程度わかることが多いが、手出しのパターンによっては例外もある。

画像1

全て手出しでこのような河が作られた場合、4mと2pの切り順で孤立牌としての優位性が逆転しているため2p周りの牌を持っている可能性が高くなる。

こういった情報を逃さないため、最序盤に中張牌を切った相手のその後の手出しは注意して見ておく必要がある。

序盤の「孤立牌としての優位性が逆転している手出し」は相手の速度感(テンパイが近いことが多い)や関連牌の危険度、場合によっては染め手率を見極める上でも重要な情報になるので出来るだけ拾っておきたい。

因みに、先の例で2pがツモ切りの場合でも時間の使い方によって周辺を持っている可能性が少し変わることがあるので余裕があれば意識しておくと良いだろう。

画像3

例えばこんな手牌で他家から2pが切られた場合、河だけ見ると1pは良さそうになるのだが、その2pが「孤立牌としての優位性が逆転している手出し」だったり、ツモ切りでも少考、長考していたりすると9mとの場況の優劣は微妙になるため安全度など他の要素の影響度が大きくなる。


11.軸牌という考え方

前項に挙げた①〜③の場況が良くなる情報と、

❹序盤に切られた牌のスジ牌

という場況が悪くなる情報を組み合わせて他家への危険度や、浮き牌の価値を見定めるという話。

(1)相手の軸牌

画像4

全て手出しでこの河が作られたときに2p周りの所持率が高いというのを前項で挙げたが、ここでは4mから読み取れる情報に触れていく。

まず、前項の①と「2つ外側の牌」が場況良くなるという話の復習でもあるが、4m切りの後に字牌手出しがあるので235mに関しては場況が良いと言える。

逆に❹に該当する7mの場況は悪くなり、マンズターツがあるのならこの7mを軸にしたターツが本線になる。

画像5

他の2人の河が穏やかで自分がこんな手牌だった場合、7mは少し場況が悪く、89mはテンパイが近そうな相手に対して危険度が少し高いため8m切り優位となる。因みに、平面ならば6sと89mは微差。

相手の軸牌待ちの愚形は場況とターツの危険度で少し価値が低い。

これを意識して手組みをすれば、分が悪い捲り合いを自然と減らすことができる。

(2)自分の軸牌

画像6

牌姿と巡目は変えず、今度は7mの場況をフラットとする。

この場合でも、57sの場況が良ければ6sを軸にしたリャンメンが作りやすく、カンチャンになってもペン7mより場況が良いので、6sを優秀な浮き牌と見て89m切りが優位になる。

具体的には3〜9sを2人以上が切っているなど。

特に6sそのものが切られているとそれだけで57s共に場況が良くなる上に1人の現物になるため浮き牌としての価値が高くなる。

3sや9sが切られている場合は57sの場況がそこまで良くなるわけではないが、例えば3s切りに対してツモ5s時の4sは場況が良く、ツモ4s時の5sも少し場況が良い上に、ターツができたときに受け入れを1枚減らさないなど細かいメリットが多い。

かなりざっくりではあるが、浮き牌が6の場合は6>39≧48≧57の順、浮き牌が7の場合は7>4≧59≧68の順で浮き牌の価値を高める情報になる。

このように浮き牌を軸に2つ隣の牌までの場況や、浮き牌の安全度を考慮することでより和了率の高い選択が可能になる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?