マネジメントをしていると、相手の分析だけになりがちである

仕事柄、マネジャーの皆様とこれからのマネジメントの方針を一緒に検討する機会が多くあります。

先日、人事異動で新たな部署に着任されたマネジャーの方とお話をしました。

その方は、年上を含む10人前後の部下を受け持つことになったのですが、
メンバーの中に一人、感情的に反発してくる人がいて大変困っているという
ことでした。

会議をしていても、

「その方針には賛成できません」
「そんなことに取り組んだらリスクがあります」


というようなネガティブな意見が多く、しかも、なんでそう思うのか?と
話をしようにも「話したくない」と避けられてしまうそうです。

皆様がこの話を聞いたら、どう感じますでしょうか?

このような問題行動に対して、

「そんなやつは仕事の責任を果たしてない」             「人事評価をきちんと下して、求められる行動を示すべき」

とマネジメント方法をあれこれ検討していくということはよくあります。

一方で、ある方が、「人材育成やマネジメントは、相手の分析だけになりがち」とおっしゃっていて、本当にそうだなと思ったのですが、

相手を分析だけして、あなたのここが問題だから改善しなさいと
目標面談で指示しても、あるいは人事評価を下げても、
その社員はたとえ”わかりやすい問題行動は”なくなったとしても、
相変わらずパフォーマンスは低い、問題社員であることは変わらない、、、
という状況になることをよく見聞きします。

自分は変えられるけど、相手は変えられないというのはよく言ったものです。メンバーマネジメントが本当に悩ましい理由はここに本質があると思います。


つまり、相手だけを分析して改善しようと働きかけても、望ましい結果がでないことが多いということです。

やはり考えないといけないのは、自分のかかわりが相手にどう影響を
与えているかを分析することだと思います。

冒頭のマネジャーの方に、普段現場にいない私がお伺いするのは、


「なぜ相手がそのような態度になってしまうのだろう?」

というシンプルな問いです。

相手が周囲からの働きかけに対してどのような受け止め方をしているか、
それを一緒に探っていくお手伝いをしていきます。

理由はわからないが、何か本人の中で感情を苛立たせる現実があって、
それが問題行動につながっているはず。

その中で、どういうかかわり方をすると、相手が変化しそうか
というのを一緒に考えていきます。

普段少なからず嫌な思いをしていたりする相手に対して、少し立ち止まって、まぜ相手はそんな行動をしているのか?と冷静に振り返りを
することは誰にとっても簡単ではありません。
第三者と一緒にやらないとなかなか難しいことです。

第三者として状況を紐解くお手伝いをすることで、マネジャーの方が少し息をつく機会となり、今後の方向を見つけていくお手伝いができればと思います。

また来月もよろしくお願いいたします!

2020/5/30 VOL116                                                                                              sakaguchi yuto

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