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振り返りのコツは「なぜ」ではなく「何が」そうさせたのかを考える


前回、人はなぜ言っていることと実際にやっていることがズレるのか
ということを取り上げました。

たとえば、
「人は無自覚の偏見を持つものです。」
「皆さん周囲の上司や同僚、部下をすっかり固定化された印象で見ていませんか?」と研修などでお伝えしたとします。

多くの人は、それを聞くと
「確かに自分もそういうところがあるな」
「印象ではなく事実で判断しなければ」

と、自身を振り返り、今後は気をつけようと決意してくださいます。

しかし、無自覚であるがゆえ、実際に現場でそれを実践するのは難しい。
意識と行動に差が出てきてしまうのはよくあることです。

ただ、このズレを放置すると大きなリスクになります。
特に経営者やマネジャーなど、組織で上に立つ人はメンバーに指導し、
ビジョンを示す機会が増えていきます。

しかし、その中で自身が言っていることと、実際にやっていることが
ズレていると、社員は失望し、信頼感をなくすものです。

じわじわとメンバーの離職につながったり、パフォーマンスの低下につながります。リーダーにとって、自分の自己認識と行動の一貫性を点検することは大事なテーマと言えるのではないでしょうか。

では、自分が無自覚なのに、どうすれば気づけるのでしょうか?
1つアイデアをご紹介したいと思います。

それは、自分の行動を振り返る際に、「なぜ」ではなく「何」がその行動を
させたのかと問うことです。

たとえば、とあるメンバーが遅刻してきたことにカッとなって
怒鳴ってしまったとします。

その時に、「なぜ」自分は怒鳴ってしまったのか?ではなく、
「何が」自分を怒鳴らせてしまったのかと自分に聞いてみます。

「なぜ」と考えると、相手の態度が悪いなどと、相手の原因を探す思考になりますが、「何」と考えると、自分が遅刻に厳しいのは、相手を思いやることが大事という価値観があるからだということに思い至ったりします。

自分の怒り等、感情の原因は、自分の大切にしている価値観から来ています。

それに気づくと、それをないがしろにされたと感じたからカッとなって
しまったことを冷静に見つめることができるようになります。

相手の分析ではなく、自分の感情の源を知る方向に内省を深める
というのがポイントです。それが自分を知るということです。

自分を知れば、自分の感情に支配されず、自覚して
自分の考えと行動を一致させるようにふるまえるようになります。

自身の振り返りはもちろん、メンバーの振り返り支援にも参考にして
いただければ幸いです。

また来月もよろしくお願いいたします!

2021/3/31 VOL125                                                                                sakaguchi yuto 

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