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なぜ今自分の感情が振れているのか、本当に理解できているか


一日の終わりに寝床に入ると、その日の出来事が思い出されることはありませんか?

特に、腹が立ったことや、ショックだったことなどは、しばし寝つけないくらい気になってしまうことがあります。私にも当然ありますし、誰もが経験することだと思います。

その時、無意識にやってしまうのは、自分を正当化する理由探しです。


「あの人は、現場のことがわかってない」

「自分の経験からしか物事を考えられてない」


等々、相手の足りないところを挙げて、自分が正しいことを
確認しようとしてしていることにふと気づきます。

他にも、周囲に愚痴を聴いてもらい、「そうだよね」と共感してもらうことで心を落ち着かせるという人もいるでしょう。これも同じく自分を正当化して安心している面があると思います。

このようなパターンは誰にでもあると思いますし、悪いことではありません。ただ、このようなやり方でやり過ごすのは少しもったいないと思います。次に同じようなことが起きないよう学ぶことはできないからです。

せっかくなら振り返りからうまく学べるとよいのですが、
私は次の3つの視点で学ぶことがコツだと思います。


1.自分の視点
2.相手の視点
3.客観視する視点


まず1「自分の視点」ですが、
”あの発言に喜んでいる”、”あの態度に傷ついている”
など自分がどう感じているかを知っているということです。

「自分がどう感じているかなんて、当然知っているよ」
という意見もあると思います。

しかし意外に、「なぜ」それが自分の感情に触れているのか、
までちゃんと理解できていないということが多くあります。

例を挙げてみると、私は根拠なく「大丈夫だよ、やれるよ」と勢いで
進めることが苦手です。そのため、見切り発車な発言をする人に対して嫌悪感を抱いてしまいます。

相手は前向きな発言をして盛り上げようとしただけかもしれなくても
私はそれを「無責任だ」と受け取ってしまうのです。

私が無責任だと嫌悪感を感じるのは、その背景に、自分が大切に
している価値観があります。それが嫌悪感を生む原因なのです。

私のこのケースでは、「偏見を持たず常に公平でいたい」
という価値観があるということ。それを理解する。

これが1の視点です。

その上で、2「相手の視点」を見に行きます。

この時に大事なことは、自分の視点で相手をみるのではなく、
一度相手に「なりきって」みるということです。

先ほどの「大丈夫だよ、やれるよ」と発言する人を、
自分の視点のまま理解しようとすると、

「まあなんとかなるよ」

「よくわからないけどいいだろう」


と思っているだろうと想像することになりますが、
これは相手の立場にはなっておらず、自分の視点から相手を分析しているだけです。


相手の立場に「なりきってみる」というのは、まるで相手の着ぐるみを着てみるということに近い感覚です。

過去経験してきたこと、今の立場、その人から見える風景等を実際に
感じてみて、どう思うだろうとなりきってみるのです。
(相手になりきるというのは抵抗感があります。ただし、あくまで一時的と
自分に言い聞かせます)

すると、自分の視点から分析していた時とは異なる気づきが得られるという
こともままあります。そして、相手は自分が思うほど悪気なく、
その人の中で道理があることが感じられます。
(基本的に、誰もが自分は正義だと思っていて、悪気がありません。)

この2を体験したら、最後に3の「客観視する視点」で考えてみます。

3の視点では、お互いの意見の背景にある価値観は何かというのを理解し、
ある意味、第三者になったつもりでその状況を客観視してみます。

すると、お互いのコミュニケーションがどういう状態か気づくことがあります。どこがすれ違っているのか、何がお互い理解されていないのか等
流れが見えるかもしれません。

この視点をもって、では明日からまたこの人と話をするときにどうしようか、と考えことが効果的な振り返りです。

もちろん、この振り返りによって劇的に相手との関係性が変わるかというと
難しい場合も多いです。

しかし、繰り返すことで自分の理解が深まっていきます。

自分がなぜ相手との関係に悩むのか、自分はどういう環境、相手との
コミュニケーションが望ましいのかを人は「本当に」理解できていません。


理解できないと適切な言葉選びもできませんし、行動もできません。
適切な振り返りは、コミュニケーションのベースとなり、
自分に力を与えてくれます。

また来月もよろしくお願いします!

2020/7/30 VOL118                                                                                         sakaguchi yuto             

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