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わかるとできるの壁を乗り越えるオンライン研修の可能性

新型肺炎収束までの時間が長期化しそうな気配です。
経済活動にもかなり深刻な影響が出てきているように思います。

人事関連でいえば、4月は新入社員の受け入れ、研修の時期ですが、
皆様の会社ではどのように対応されましたでしょうか、

東京では大手を中心に、中止や延期にはせずに、新入社員にタブレット端末を配ってオンラインで研修実施に踏み切ったところが多かったような印象です。

他に選択肢がなく、止むなくスタートしたオンライン研修だったと思いますが、今のところ、効果を疑問視するような反応は少なく、むしろ

「オンラインでもできる可能性を感じた。」
「新入社員以外もオンラインを一つの選択肢としていける」

という手ごたえを感じていらっしゃる方が多いように思います。

オンライン研修に関してgoogleで検索すれば、実践事例やツールの使い方など、たくさんの良質な情報が共有されています。

急に訪れた緊急事態でもありますので、
皆で知恵を出し合い、工夫をして新しい形をつくっていこうという機運が感じられます。

私も実際にいくつかオンライン研修に参加してみましたが、
自宅でリラックスしながら、画面に集中できるという効果を感じました。

集合研修と比べ、周囲の雑音が減るパーソナルスペースにいるからか、
自分がどう感じて、何が学べたかということは、しっかり落とし込める感覚がありました。

ただし、小さい子がいる、部屋がないなど皆が在宅で集中できる環境
ではないことは注意すべきかもしれません。

また、もしかしたら、場の雰囲気とか同じ空気を吸ったことで生まれる
連帯感のようなものも弱いのかもしれません。
このあたりは今後知見が蓄積されていくのではないでしょうか。

もう一つ感じたのは、オンライン研修は、
研修では学んだけど、実際に現場では変わらない。変われないという
「わかる」と「できる」の壁を乗り越えるよいサポートツールに
なる
のではということです。

人は研修で学んでも、それをやってみないとできるようにはなりません。
しかも何度も練習して、体にしみ込ませないといけません。

これは研修の抱える長年の悩みでありました。

これまでの研修では、それはわかっていたけれど、
一同に皆が集まって時間をとれるのはこの一日だけ、なので、
できるだけその時間の中で学んでもらい、ケーススタディ等を工夫して
実践に近づけて、なるべく現場で再現してもらいやすいようにと努力をしてきたという方向性だったと思います。

ですが、前提として、

一日で人が変わるのは難しいものです。

そもそも研修というのは、その目的から考えると、一日で皆を集めてやることに向いていないものだったのかもしれないと思うのです。

数回の採用面接では、その人の人柄や働きぶりをジャッジするのが難しいため、中長期のインターンシップが活用されるようになったということと同じように、

研修も、一日で学びを詰め込んでもらうよりも、
たとえば週に1回、オンラインで講師とつないでミニ講義と
実践の振り返りを中長期で実施していくという形が望ましいのかもしれません
。集合研修の制約を、オンラインなら取り払うことができる可能性があります。

今回の社会の変化を受けて、よりマネジメントの現場に伴走するということが、これからの研修のスタンダードになるかもしれないと想像しています。

それにしても、まさか自由に外出できないという社会がくるなどとは
想像していませんでした。
頭を切り替えて、仕事の仕方を見直していきたいと思います。

2020/4/30 vol.115
sakaguchi yuto


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