研修後に現場で使われ、定着するために必要な要素をリストアップすると

新年あけましておめでとうございます。

新しい年が始まり早くも1ヶ月が経ちましたが、いかがお過ごしでしょうか。

うちの会社では、来期の戦略を構想提案する時期なため、この一年の取り組みを整理しています。

昨年は、自分なりにあれやこれやと新しい取り組みを形にした一年でした。いろいろと取り組んでみての感想は、やはり、プランをつくるまでよりも、それを組織に根付かせることの方が何倍も大変だということです。

一時的ではなく、日常に変化が定着したと言える状態までもっていくには実際には大きな壁を感じます。新しい取り組みは、たいていやることだけでなく、個人の意識の変化を要求します。

市場環境は変化していくわけですから、いつも新しく学習を重ね、これまでのやり方を捨てることができるかがポイントだと思います。

東大の中原先生がこのあたりの先行文献を紹介していました。

Phillips and Phillips(2002)の論文によると、研修で学んだことを実際に現場で活用するにあたり障害になる項目を以下のように整理して列挙しています。

1.直属上司が、研修をそもそも支持していない                                              2.職場の雰囲気が、研修の意義を認めていない                                        3.学んだことを試す機会がない                                                                4.学んだことを試す時間が無い                                                                5.学んだスキルが、そもそも仕事にあてはまっていない                        6.業務システム・プロセスが学んだことに合致していない                    7.学んだことを試すための資源がない                                                     8.業務の変化により、学んだことがもはやあてはまらない                    9.今の職場にスキルが適切ではない                 10.学んだことをためしてみる必要性がない             11.古い慣習を変えることができない                12.報酬システムが新たなスキルにあっていない

私が今期取り組んできたことも、以上のリストの観点でチェックすると、確かにいくつか当てはまるものがあり、それをいかに取り除いていくかということに課題があるのだと気づかされます。

また、これは研修についてだけでなく、事業戦略のような会社の方針でも同じだと思います。

組織を動かすというのは、一度方針を伝えたり、研修をして伝えれば完結するわけでなく、研修前、研修当日、研修後とすべてに目を配り、日常の環境を整えて初めて成功していくのだとわかります。

これも中原先生からの引用ですが、

研修後の定着を促す要因として(Burke and Hutchins 2008)は、

1.研修内容を試行することに関して、上司からのサポートと指示があること                                2.研修から帰ってきた直後に、ただちに学んだことを試行する機会が得られること                             3.研修内容をインタラクティブで学習者参加型にすること      4.学んだことを実践しているかについて追跡・評価すること     5.学習内容を仕事と近いものにすること

だとしています。

これらを参考に、変革を実行していける力をつけていきたいと思います。

また来月もどうぞよろしくお願いいたします!

VOL44  2014/1/31                                                                                         sakaguchi yuto

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