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自分が反応しているのは何か、その奥にあるニーズを考えてみる


コーチングの世界にIメッセージという言葉があります。


「どうしてあなたは〇〇してくれないの!」


と相手を主語にして要望を伝えるのではなく、


「私は〇〇してくれると嬉しい」と、
自分を主語にして伝えることを言います。

誰もが多かれ少なかれ、人から責められていると感じると、
反射的に防御したくなってしまいます。

Iメッセージで伝えられた時は、人は反射的に反応するモードから、
相手の目線で気持ちを考えるモードに切り替わりやすく、
そのことが気持ちを受け取ってもらうことを助けてくれます。

また、受け取る側も、Iメッセージでなくとも防御的にならずにその言葉の真意を吟味できれば、そこには現状の関係性を打破できる大きな可能性が開けてきます。

その際に、ヒントになる考えとして、ある方から教えていただいたことに「どんな発言にもその奥に満たしたいニーズがある」というものがあります。

たとえば、ある人が「今日は天気が悪いね」と言ったとします。

この「天気が悪い」という言葉自体は誰にとっても同じ事柄でしかありませんが、その発言をなぜしたのか、ということに、その人なりの意味が必ずあります。

それは、なんとなく会話の間をうめて安心したかっただけかもしれませんし、そのあとに、何か重要な悩み事を言いたいがためのきっかけかもしれません。

あるいは、話しかけた相手とより親しくなりたいということもあり得ます。

相手の発言には、単にその事柄を伝えたいというだけでなく、
その背景にあるニーズを満たしたいという気持ちがあるのです。

通常私たちが会話をするときに、このようなニーズは明確に表現されないことが多くあります。

にもかかわらず、この気持ちはしばしば、察してもらえることが期待されており、うまく気持ちを汲み取ってもらえないと、怒ったり失望したりするのです。

「上司は本当に人の気持ちがわからない」

「最近の新人は何を考えているかわからない」

どんな職場にもあるこのような言葉は、このような満たされないニーズが積み重なって生まれていることが多々あるように思います。

また、このようなニーズは相手だけでなく、持っている自分自身が気づいていないということすらあります。

つまり、自分が相手に何かを伝えるときに、自分の中の何が満たされていないのか、そして、発言をすることで自分のどんなニーズを満たしたいのかということが自覚されていないということです。

たとえば相手から非難を受けるとき、反射的に相手を言い負かせようとする自分の中には、自分の威厳が失われることが怖いということだったり、組織の秩序が崩れることを避けたいというニーズが本質としてはあるかもしれません。

どのような気持ちが自分の中にあるのかということが自覚できると、人はそのことを一歩引いて扱えるようになります。

そして、自分がどんなふるまいをするべきか、選択する内容が変わってくるのです。

これは本当にインパクトのあることだと私は考えているので、
ぜひ一度、自分が反応しているのは何か、その奥にあるニーズを考えてみる習慣を持っていただくことをお勧めします。

2017/6/30 VOL84                                                                                             sakaguchi yuto

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