呼び方が関係性に及ぼす影響について


コンサルティングという仕事をしていると、クライアントをどのようなものとして見ているかというのはとても大きな違いを生むのではないかと感じています。

コンサルタントは、その役割上、一般的にクライアントを治療すべき対象として関わりがちではないでしょうか。

依頼の経緯がどのようなものだったかにもよるのかもしれませんが、現状をよくないもの、改善すべきものとする構造が出来上がっています。

依頼する側も、時に、コンサルタントを「先生」と呼んだりしますが、      そのような呼び方をすること自体、メンタリティとして、何かを「改善する側」、「改善される側」という立ち位置でお互いの役割を強化していることに無自覚だったりします。

もちろん、現状に不満があり、改善したいことがあるからこそスタートしているのでしょうが、このような場面に立ち会うと私は少し違和感を感じます。

クライアントをどのように見ているか、私は大きく2つあると思います。

1.改善すべきものであり、コンサルタントは正解を教えるべき役割

2.自然と向上し、伸びていくもの、コンサルタントは背中を押す手伝いをする役割

前述のように、クライアントに先生と呼ばせたりしているようなコンサルタントを私はあまり信用できないなと思っています。

なぜなら、クライアントが自ら力を上げ、問題を解決できるようにしていくのではなく、コンサルタントに依存する体質を強化しているように思うからです。

クライアントは目を離すと楽な方向に流れたり、さぼったりすると思っているコンサルタントは、いかに自分の理論が正しいかを実績や理論的裏付けを示しながら説得するようなアプローチになりがちなように思います。

このようなアプローチによって、もちろん売上が上がったり、組織上の課題が解決したりするとは思います。

また、業績が上がることで社員のモチベーションが上がったり、社内の雰囲気がよくなるなど数字だけでない改善にもつながっていくケースもあるでしょう。

しかし、個人的には本当にそれだけでいいのだろうかという気持ちを捨てることができません。

本当に企業がよくなるということを、そこにいる人の自尊心が増し、内から湧き出るようなエネルギーで組織がよくなっていくというところに置いてみたいと思います。

この観点に立たないと、たどり着けない成果があると感じています。

また来月もよろしくお願いいたします!

2015/5/31 VOL60                                                                                         sakaguchi yuto

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