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天才が天才を生む。データなどの二次情報じゃわからないものはたくさんある

前回まで、営業体制の見直しについて書かせていただきました。

会社の営業力を上げていくには、個人の能力の問題と、組織のコンフリクトの解消という大きく2つに分けて方向性を探ってみたいと考え、私なりに日々の営業管理の仕組みを構築していることをお伝えしました。

その運用がいよいよこの5月からスタートします。

営業さんにはこれまでとは異なる指標で日々の行動結果を記録していってもらいます。

これらの数字がきちんと記録されて、分析されていくと、きっと今後の営業活動の武器となるのではないかと考えております。

実際に運用していく過程では、想定していなかったような課題も出てくると覚悟していますが、大きな目的を共有して、細部を調整してぜひとも定着させていきたいと考えています。

ところで、今回のプロジェクトで多くの営業と同行したことで改めて感じたことがあります。それは、

「できる人がやっている実践の知恵は他の人に容易に伝えられない」ということです。

今、その著書「イシューより始めよ」が話題になっている元マッキンゼーの安宅さんという方が以下のようなことをおっしゃっていました。

「天才が天才を生む。データなどの二次情報じゃわからないものはたくさんある。」

上司から言葉で指導をうけたり、データから有益なインサイトをせっかく得られたとしても、当の本人が現場でお客様と対峙した時、それを上手に活かせるかはまた別問題で、一つ壁があるように思います。

お客さんの表情を見て、今投げかけている言葉が興味を持たれているのか、いないのか。

本当に気になっていることは何だろうか、など機微を感じ取れるかが重要です。

このような実践で使える知恵は肌感覚やセンスとしか表現しづらいところがあり、伝承することは簡単ではないと思います。

その世界観は「目の前でやってみせる」「日々、シャワーのように薫陶を受ける」

ということによってのみしか身につきにくいのではないかと思うのです。

ある友人はそれを呼吸と表現していましたが、その呼吸に日々触れることで、前述の天才が天才を生むということが起こるのだと思います。

私自身、これまでの経験を振り返って、自分が本当に使える知恵となっているのは、この人はすごいと思える上司や先輩、そしてお客様が、目の前で見せてくれた一挙手一投足からのものが多かったと実感していますので、この言葉には共感します。

今回のケースも、よい上司をつけるということがシステムを活かす上で決定的に重要になると思います。

分析結果を基に指導していく上司は慎重にエース人材をアサインしたいと思います。

さらにいえば、そのような指導できる人材がそもそも組織に複数名いるかどうかがこの仕組みを成功させる上でとても大事だなと痛感しています。

組織が若いうちから継続的に採用にこだわって、ミドルマネジャーの層が厚い企業は何か戦略を描いた時に、きちんと実行する力が発揮できます。そのことで、下を継続的に育てるよいサイクルがつくれます。

キャリアの世界でも、「よい上司を探しなさい。特に新卒で初めてつく上司はその後の能力開発を決定づけてしまうほど重要だ」と言われるようです。

新人や若手にとっても、よい上司をつけることは、その人のキャリアを輝かせるための何よりのプレゼントだということです。

あらためて、人づくりの大切さを感じる経験となりました。

今後はこのシステムの運用をきっかけに、採用や育成も連動した提案にチャレンジしていきたいと思います。

また来月もよろしくお願いいたします!

VOL23  2012/4/30                                                                                    sakaguchi yuto

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