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誰もが正しいけど、誰もが一部だけ正しいという話


企業組織やチーム、家族など組織にかかわる際に、よくする話があります。

それは、「(組織にかかわる)すべての人は正しい。ただし、全体からすると一部だけ(正しい)」

という考え方です。

私はこの考え方に出会って、目の前が開けるような思いをしました。

組織に起こることの本質をよく言い表しているなと思えたからです。

そのことを説明する具体的な例え話として、「群盲象を評ず」というインドの寓話があります。

ネット等で調べると様々解説が出てきますが、大きくは以下のような話です。

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ある時、目の見えない人(盲人)の集団が、象を見学に行った。

初めて象を見る盲人たちは、(その姿を見ることができないので)

象の大きな体を思い思いに触り、象がどんな生き物なのかを確かめた。

ある人は象の鼻を触り、「象はホースのような生き物だ」と言った。

また別の人は、象の大きな足を触り、「象は大きな柱のような生き物だ」と言った。

さらに別の人は、象の耳を触り、「象は大きなうちわのような生き物だ」と言った。

それぞれが挙げた象の特徴は確かにどれも正しく、その一面をとらえています。

しかし、全体として象がどんな生き物かという点においては、

誰もとらえられていないのです。

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この話は、誰もが自分の立場や目に見えるところから物事を見ているということに改めて気づかせてくれます。

・経営者と従業員

・A部門とB部門

・上司と部下

・夫と妻

等々、人が集まり、組織やチーム、家族をつくると、それぞれが見ている世界の違いから対立やすれ違いが起こり、多くの人がそのことで悩み苦しみます。

そのような時に、自分たち自身を組織全体としてどんな象であるかという観点から捉えることは非常に難しいものです。

以前私は、お仕事でお会いする経営者から「経営者の視点で考えてくれるような右腕になる人がいない」というお話をよくお伺いしました。反対に、そこで働く人からは、上は現場をわかっていないという声を聴きました。

今振り返ると、これらの声の奥に、自分の見ている世界を理解してほしいという願いもあったように思えます。

システムコーチングでは、どちらが正しいのかということをいったん脇に置いて、

何が起きているのか、この組織には何が必要であるかという全体に焦点を当てていきます。

今後もこの活動に力を入れていきたいと思いますので、機会がありましたらぜひお声かけください。

また来月もどうぞよろしくお願いいたします!

2015/7/26 VOL62                                                                                                  sakaguchi yuto

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