未来の話は(悪気はなくても)平気で嘘をつくが、過去については嘘をつけない
前回のメルマガでは、
ポイント3.面接ではあらかじめ何を評価するかを決め、そのための質問を準備する
をお伝えいたしました。
今回は面接時の具体的ポイントと感じたことをご紹介していきます。
■事実を評価する
前回のメルマガではコンピテンシ―という考え方を参考にしたというお話をいたしました。
コンピテンシ―とは過去の行動に着目する手法なのですが、人間は
・未来の話は(悪気はなくても)平気で嘘をつくが、過去については嘘をつけない。
・過去の行動特性を繰り返す
という科学的根拠に基づいた理論です。
たとえば、「将来は○○の経験を生かして御社で△△として活躍したい」
という熱意や意欲は、アピールをしなければという面接の場においては大げさになってしまいがちです。心にもないことも言ってしまうこともあります。
また、残念ながら意欲はあっても、それが高い仕事能力を保証するものではないことも事実です。
そこで、実際にこれまでどのような行動をしてきたかという「事実」に着目し、
・その行動に再現性があるか?
・自社でも同じように力を発揮してくれそうか?
という点で評価をします。
■場面に細かく区切って経験を話してもらう
テクニックの話になりますが、面接をしてみて、過去の行動を聞くためにはストーリーで語っていただくとうまくいくと感じました。
たとえば、「前職で一番頑張った経験について教えてください」という聞き方をすると、人によって話のレベル感や時間軸がばらばらになります。聞きたいことと話が逸れてしまったりしてうまく評価ができません。
そこで「前職で一番頑張った経験は“何ですか”?」と聞きます。
「何ですか」と聞けば、「中国工場の立ち上げです」とたいていは端的な返答がもらえます。
そこから、
「いつ赴任したのですか?」
「まず最初に何をしましたか?」
「それから次に何をしましたか?」
と、「場面」を細かく特定して、その時のシーン(行動事実)を一緒に掘り起こしていきます。候補者と一緒に再現ドラマ映像を見ていくようなイメージです。
(「第一話」、「第二話」では・・・という感じです。)
場所と時間を細かく区切って話してもらうと、候補者も記憶をありありと思い出し話がしやすいようです。
面接官も仕事の様子が目に浮かび、評価がしやすくなるのでおススメです。
■面接最中に印象を持たない
私はとにかくバイアスがかからないよう「面接最中に印象を持たない」ということがすごく大事なポイントだと思いました。
これを意識的にやらないとどうしても間違った判断をしてしまう恐さを感じました。
たとえば最初の挨拶がとても感じがよく、よい印象を持ってしまうと、その後の話もどうしても何割増しか好意的に評価してしまいます。そうすると何人か面接し終わって評価シートを並べた際、同列に評価ができません。
評価のためには面接中は意識的に印象を持たない。
ひたすら(ロボットのようにというと大げさですが)場面を特定して事実を拾うということが基本なのだと思います。
それではまた次回よろしくお願いします!
VOL6 2010/11/13 sakaguchi yuto
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