70歳まで働く未来。技術的問題ではなく適応課題と捉えてみるとどうか
最近、長年の雇用環境を変化させる政府や経済界からの働きかけが
如実に増えてきました。
経団連による就職協定の廃止
外国人就労拡大、首相が表明
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31413180V00C18A6MM8000/
企業の継続雇用「70歳」に引き上げ首相が表明
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6300944
国の方針は明確に70歳、あるいは75歳くらいまで働く将来を示しています。
また、国籍や子育て、介護などの事情に依らず多様な人材、働き方を実現させることを後押ししています。
でなければ年金は持ちませんし、財政の健全化にも寄与しません。
国が制度を改悪しているという論調も見ますが、個人的には、これは国の社会保障、福祉の維持、生活の向上という観点から適切かつ必須の施策ではないかと思っています。
賛否はあるとは思うのですが、この流れは避けられないように感じます。
そうなると、大きな国の方向性にどう合わせていくのかというのが
企業の経営者や人事担当者のテーマにいよいよなってきたなと感じます。
こうした状況もあってか、東京で人事担当者とお会いしていると、
必ずと言っていいほど働き方改革が話題になります。
多くの企業はまずは残業時間を減らす、リモートワークを増やす等の
取り組みやすいテーマから手をつけている印象です。
先進的な企業では、ダイバーシティに対する理解を広げる研修や、
新たな人事制度を運用するようなところも見られ始めました。
この、働き方改革というのはとても曖昧な言葉で、何をすることが
答えなのかが見えないとても難しい課題です。
ロナルド・ハイフェッツらによる著書『最難関のリーダーシップ』には、
組織の抱えている問題には大きく2つがあると述べています。
「技術的問題(technical problem)」
「適応課題(adaptive challenge)」
技術的問題とは、問題に対して既存の方法を用いて対処できる問題の
ことと説明されています。私の解釈では、ITツールによる作業の
効率化等がこれに当てはまると考えています。
一方で適応課題とは、起きている問題の原因が一つに特定されず、
かつ複雑に作用しあっていて、直線的な解決が難しいようなものです。
働き方改革がまさにこれに当たるのではと感じています。
これからの経営はこのような複雑性の高い問題にいかに対応していくか
が大切なテーマになってくるように思います。
新しい問題解決の方法はまだ社会に十分なノウハウが揃ってない印象があります。
ぜひ向き合っていきたいテーマです。
2018/10/28 VOL100 sakaguchi yuto
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