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大きな船を後ろから見守りつつ、進路を間違えそうになったら、後ろからそっと方向を変える

今回は、人の配置、任用について書いてみたいと思います。
私は、今の会社で5年間のうち、3回異動を経験しています。

子会社の立ち上げを2つやったのちに、評価制度設計、販促、マーケティングと1,2年のサイクルで複数のポジションを経験しました。

この異動が私に与えてくれたものは本当に大きなものでした。

振り返ってみると、最初の2つの新規事業では、ビジネスの成功に意気込みすぎて周囲との関係性をうまく構築できませんでした。

自分の価値観を押し付けすぎるあまり、社員の力を生かし、組織として成長を実現させていく力が未熟でした。

この経験から、本当にすばらしい経営者というのは、自身でなんでもできる能力があるだけでなく、やはり人を活かすことのできる人であると痛感しました。

人を活かし、そのことを通じて人を幸せにできる人間は稀有な存在だと思います。

今、担当している販促マーケティングという部署は、情報が集約される結節点のようなところです。

現場で働く全国の店舗スタッフから、営業、製品開発、物流、マネジメント層と幅広くあらゆる階層の人とコミュニケーションをとり、会社の方向性を統一し調整していくオーケストラの指揮者のような仕事だなと思っています。

この職務は、ときに組織開発や人事の仕事との境目がわからないと感じるほどです。

人事は現場のマネジメントの中にこそあると、ある人が言っていたのですが、それは給与計算や制度を作成するだけでなく、現場とコミュニケーションをとり、日々のマネジメントを機能させていくということが人事なのだということだと思います。

仕事をしていてイメージするのは、大きな船を後ろから見守りつつ、船が進路を間違えそうになったら、後ろからそっと方向を変えるようなかかわりです。

このそっと変えるということが、なかなか大きいインパクトを生むと勝手ながら思っています。

会社という大きい船に乗る船員一人ひとりが、ビジョンというゴールに向け打ち消しあうことなく、個々人の力が重なるようにまっすぐ進んでいく、その時に組織は感動的な力を発揮するのだと思います。

人の配置、任用を考える時、経営者や人事の方はそれぞれこのような船を動かすイメージに近い感覚をお持ちではないでしょうか。

人間関係のもつれ、能力の不適合、より高いレベルの仕事を任せたい等々、様々な理由で配置、任用を考えると思いますが、配置、任用をする方の能力が今以上に開花し、同時に組織という大きな船が全体として力が高まるという全体最適を考えておられると思います。

2回異動を告げられた当時の私は、その決定に納得がいかない部分もあったのですが、比較的短期間で失敗を経験して考えがゆさぶられ、異なる景色を見る環境に恵まれ、組織について気づきを得るチャンスが広がったと思います。

今はそのことに大変感謝しています。

また来月もよろしくお願いいたします!

VOL51 2014/8/30                                                                                             sakaguchi yuto

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