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人生で一番美しい夕焼けを見たとき

ドイツへ出発した日、私には新しい人生が始まった様に思えた。


今回使った航空会社は、行きはスイスインターナショナル、帰りはルフトハンザ。理由は料金と時間。

東京〜ベルリン間に直行便はないく、1回以上の乗り換えが必要。初めてヨーロッパに行く私には、乗り換え時間も重要で3時間半以上の乗り換え時間があるものを探した。

金額も出来ればおさえたい。でも時間がかかりすぎるのも体力的に難しい。

色々と探して、インターネットで周遊切符(行きは東京〜ベルリン、帰りはドレスデン〜東京)を155,000円で購入。もしかしたらもっと安いチケットがあったのかもしれないけれど、その時の私には最善だった。

日本の航空会社を選んだ方が安心かもと思ったけれど、それ以外の条件の方がその時の私には重要だった。


さて、出発の日。

行きは途中スイスのチューリヒで乗り換え。

羽田からチューリヒまでのお隣は、スイス人で旅慣れた感じのお兄さん。挙動不審の私に少しだけ親切にしてくれて、食事をしながらお話もした。

旅の写真や、チューリヒに住む彼女の写真を見せてくれた。私の英語は酷かったけれど、でも少し楽しかった。

機内食はとても美味しかった。

長い旅の間、映画を見たり、眠ったり、旅先での妄想をしたりして過ごした。

私は通路側だったので、「トイレに行きたい時には言ってね」って隣の彼に言った(つもり)だったけど、彼はOKと言って、1度も声をかけてはこなかった。

私がトイレに立った時に彼も行っていたみたいだった。


チューリヒでの乗り換えはスムーズだった。待ち時間には、スマートホンにSIMカードを入れ替える作業をした。

空港ではまずwifiを使うことに一苦労し、しかも、私のスマートホンはSIMを入れ替えられないものだということが判明した。もう既に私のサバイバル一人旅がスタートしていたのだ。

チューリヒの空港には美味しそうなサンドイッチが沢山売っていた。とても惹かれたけど、買い物をする勇気はなかった。

乗り換えたら、同乗したお客さんは、みんな美男美女で面食らった。自分がとてつもなく「顔平たい族」に思えた。

そして離陸を待っているうちに、日が傾き始めた。

離陸して私が目にしたものは、今まで見た中で一番美しい夕焼け。

この世のものとは思えないほどだった。

これまでの人生が終わって、新しい人生が始まる。そんなふうにまで思えた。

そして、1時間と少しのフライトで出てきたサンドイッチが、本当に美味しくて美味しくて、期待に胸高鳴る出発の日だった。


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