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創作とリスク

 今の時代、創作物を世界中に公開することは容易となった。これは隠れたcreativityを知ってもらうには大変良い流れである。
 しかし、創作物、その他「何かを生み出す行為」と法律は隣り合わせであることを理解していない人が多い。
 今回はその点に焦点を当て、創作と法律の関係を順々に述べていく。

 私たちがこれから本当の意味で自由に創作するためのきっかけとなれば嬉しい。


そもそもなぜ法律はあるのか?

たとえばこんな場合があったとしましょう。

あなたは抽象的なタッチで公園の絵を描きました。
しかし、その絵がモネの睡蓮に似てると100人中52人が答えたので、贋作を作った人として、容疑をかけられています。

 これが罪刑法定主義のない世界です。つまり、最初に「どういうことをすれば、こういう犯罪になりますよ。」ということを決めてないので、あなたが絵を描けば突然捕まっちゃうことがありえます。

流石に困りますよね。

そこで国は「こういうことをしたら捕まえますよ」「これ以外のことでは捕まえませんよ」
というルールを制定します。
 これが刑法の意味であり、罪刑法定主義というものの力です。

次にこんな事例を見てみましょう。

友達に絵を貸してと言われたので貸したところ、真似されてしまった。

めちゃくちゃ嫌ですね。
まず、「貸す」という行為、これは契約と呼ばれます。

 日本国では「契約自由の原則」というものがあり、基本的に自由に契約を結ぶことができます。

この場合の契約だと「貸す」だけだと思ってたら友達は「借りて写す」ということだと思い込んでたみたいです。

 このように、契約は刑法と違い、とても自由であるため、お互いにきっちりと決め事をしなければなりません。

しかし、そのかわりに法律の中であれば、契約が自由にカスタマイズ可能であることを示してくれているのが民法です。


すなわち、法律とは、私たちを一定拘束することで自由を与えてくれるもの、ということになります。

どうして法律が大事か?

さて、なぜ法律は大事なのでしょうか?それは先に述べたように

  • 自分の自由を守るため。

が一番です。そして、もう一つ

  • 自分の権利を守るため。

です。この2つが法律というものが作られるときの根本的な考え方になります。つまり、自分が何か物を作ったり、何かをするとき、

・何が自由に行え
・自分のどんな権利を守りたいか

を考える必要があります。
そして、契約の場合、それらは自分で考えて定める必要があります。

この契約の契約書であなたと契約相手が今からすることのルールが全て決まります。

というのは、自分の自由や権利に関することだけではなく、相手の自由や権利を定めるということです。つまり、きちんと考えて書かないと、契約相手を傷つけてしまうこともあります。

だから、法律を知って、契約をしって、契約書に何を書かなければいけないかを知ることは、大事なわけですね。

陥りやすい罠

著作権法知ってるし、労働基準法知ってるし、色々書いたし、大丈夫!!!!

……でないことが多いです。順番に指摘していきます。

著作権法 →
あなたの力では制限できない項目があります。また、当然あなたの作品が著作権違反になることもあります。

労働基準法 →
そもそもあなたの仕事が労働契約でないことがあります。この法律は労働契約のみに適用される法律です。

色々書いたし(契約書) →
それがその契約の全てのルールを定めますよ?大丈夫ですか?そして契約書は相手側が承諾して初めて効力を発揮します。

このように、法律初心者の場合、陥ってしまう罠のようなものがたくさんあります。
これを知るためにも法律をよく知り、問題となった事例などをちゃんと確認することが大事です。

ではどうやって身につけていくか?

このようなことは大変難しく、したがって弁護士という職業が存在します。

しかし、いちいち弁護士を使っていてはお金がすぐになくなってしまいます。

そこで、私が考えるのは、現代の創作に必要な法教育を施すことです。
法教育とは、法律を覚えることではありません。
法律を理解し、自分が置かれている状況を把握し、使い方をマスターすることです。

世の中の人間の大半はまず、「自分の置かれている状況の把握」ができていません。

この部分にまずアプローチできるようなプロダクトができれば、被害は抑えられるのでは、と考えています。

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