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「discovery」

discovery - 作詞作曲 夕方の豊野

沼地の奥に潜む影 さもありなんとて
ここは武蔵国 奥の細道 
踊り明かす念仏を
唱えし烏合の衆
貴方をここへ呼んだのは
未来のない若者への咆哮 
仰々しいと思へば無理もなし
意味はないと言えば嘘になる
新しい夜明けを見ようと企み
かくて令和に取り残されし
地球最後のミッションを終えて
惑星タイタンへと帰るはずだった
沼地へ降り立った私は耳をそばだてて
微かに残りし虫たちの羽音
土を踏む音風で木が騒ぐ音
懐かしきあるはずのない
どこかの記憶のかけら

そうだ、かつてここにあった
優しい皆が幸せな国
生き物達の夢の後
私はその後も 
無情な気分で
ただひたすらに
海を目指して歩き続けた、、、。

discovery…

さぁさぁさぁさぁさてみなさん

旅は道連れ世は情け
山道小道を徒然に
歩け歩けよぐんぐんと
人生山あり谷ありと
偉い人達、言うならば
地図アプリケーション検索だ
テクノロジーがモノを言う
アーリヤッテーラウリヤラエ アーリヤッテーラウリヤラエ

うっかりマシーンを落としてしもた
ハッタリばかりの人生だ
さぁさぁさぁさぁどうなるか
一体全体わからない
感を頼りに右往左往
してふと見上げた空模様
山の麓から見える景色

あぁ、何故だろういと懐かしき
奥ゆかしき、心になりたてまつる
いとをかしき四季折々の
慎重にくだれ岩山の
今にも崩れそうな獣道
獲物狙う虎のような出立ちで

いざゆかんとすれば東海道

discovery…

宇宙から見た地球は綺麗なコバルトブルーだったのに
降りてみればどうだ、ジメジメとした気候とあたり一面緑ばかりだ
歩いても歩いても同じ景色で飽き飽きした。
途中でチラホラ見えるのは文明の跡だろうか

石畳が崩れ、そこに虫達が棲家を成している
まるで水の中にいるようだ、良い加減に
開けた所に出てみたい一心で歩き続けている
シグナルを本部へ送ればすぐなのだが
そのマシンが壊れてしまった、まったく情けない。
そう自問自答しながらわたしは木々を掻き分け

ここに文明を築いていた者たちのことを想像していた。
いったい何のために、どのように暮らしていたのか一体全体わからない

私はそこで、乗り物の様なオブジェクトを見つけた。
直感的にそれに跨り、前へ前へと漕ぎ出すとチェーンのやうなものが
ばきばきばきと唸りを上げるかのように進み出す
これは愉快愉快、とてもスロウだが
乗り心地は悪くない
すると自然と湿気も風に変わり
何故だか涼しげになる
ここに住んでいた者たちも

こうして楽しんでいたのだろうかと思うと
ふと、親近感が湧いてくる
何故だろうか、生まれも育ちも違う星だが
この乗り物は、とても心地よく、乗りやすい。
この先の、困難が待ち受けようとも
私はこうして能天気に

この惑星の「くだらない」を楽しんでいたのだ
この星に慣れたころ。

辿り着いたのは、あたり一面の、

沼だった、、、。

discovery…


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僕はヨーロッパから帰ってきた時、

飛行機上空から日本の海や山を見て

「この国の自然はなんて美しいんだ」

と思った。



地上に降り立てば太平洋と山々によって

ムシムシとした湿気、四季が見せる季節の移ろい、


日本独自の自然感がおりなす

唯一無二の風景画に圧倒された。



しかし、都会にでれば人々は俯き、

スマホに夢中で

働けども働けども経済が回っていかず

もがき苦しんでいる姿に自分も影響を受けてしまい、

あのヨーロッパでの経験がどんどんと薄れていき、

もやもやとする日々が続いている。



この曲はもともと埼玉県熊谷市の

アーティストレジデンスにて訪れた

田舎の沼地が一見、地味なようで

様々な色合を見せ、

夏の蒸し暑い時期にも関わらず

どこが爽やかで素敵な場所だったので、

そこからインスピレーションをうけて

作曲しました。



都会と田舎、

同じ日本国でもあるのに、まるで異国のように雰囲気が違う。


いったいどちらが本当の「日本国」なのか?


一体全体わからない、、、、。



discoveryは六曲入りのEPとして
bandcampもしくはCDでも販売しています。

1.depature 02:18

2.discovery 09:36

3.awa 05:28

4.what color am i? 04:45

5.climb 04:50

6.epilogue 02:31



discovery一曲のみ、各ストリーミングサイトにて視聴できます。
是非是非検索してみてくださいね。


おわり


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