箱根駅伝予選会の展望

どうもこんにちは、遊撃です。

先日の出雲駅伝は「出雲プロジェクト」を結実させた青山学院大学の2年ぶりの優勝で幕を閉じた。(出雲駅伝の振り返りの記事はコチラ)

出雲は学生3大駅伝の中で最も区間が少なく、距離の短い駅伝であるため、選手層の厚さやスタミナよりも、スピードや爆発力というところが勝利においては重要な要素となる。戦前は、今回は1~3区に相澤・西山・山本とスピードのある選手を揃えてきた東洋大学が勝つのではという声もあった(私もそう予想していた)が、結果は青山学院が1区から一度もリードを譲らず完全優勝。その強さを再度証明した形となった。

この出雲駅伝に出場した関東代表の10校は、来年1月2,3日に行われる箱根駅伝のシード権を持っている。その10校は青山学院大学、東洋大学、早稲田大学、日本体育大学、東海大学、法政大学、城西大学、拓殖大学、帝京大学、中央学院大学だ。また、関東インカレ成績枠で日本大学が既に箱根への切符を手に入れている。

今年は記念大会のため、残る枠は11。これを争う熾烈な戦いが、13日(土)に行われる。昨年は明治が涙を呑み、一昨年は中央が沈んだ過酷な予選会。伝統校すらも、簡単に抜けることはできない。今年は順天堂や駒澤なども予選会からの登場。果たして箱根への切符を掴むのはどこになるのか。有力校の状況を見ていく。

まず、改めて箱根駅伝予選会のレギュレーションを説明しておく。当日出走できるのは各校最大で12人まで。その中の上位10人の合計タイムで争う。合計タイムが少ない順に11校が、本大会への出場権を得ることになる。走る距離はハーフマラソンと同じ21.0975km。昨年までは20kmだったが、今年から距離が伸びた。かなりのスタミナが要求される。

さて、今回出場枠を争うであろうと目されているのは、順天堂大学、駒澤大学、神奈川大学、國學院大學、中央大学、大東文化大学、東京国際大学、山梨学院大学、国士舘大学、上武大学、創価大学、明治大学、専修大学、麗澤大学、東京農業大学、日本薬科大学、そして筑波大学の17校か。

この中でも、順天堂、駒澤、神奈川、國學院、中央、大東文化までは、持ちタイムや「予選会」における安定感の面を考慮すると、まず通過するだろうと考えられる。次に可能性が高いのは明治か。昨年こそ予選で敗退してしまったが、アクシデントによるところが大きかった。持っている力を普段どおりに発揮できれば、上位での通過の可能性も十分にある。

ここまでで7校。ここからが難しい。

東京国際、山梨学院はそれぞれ留学生を擁しており、1人でタイムを大きく稼ぐことができる点が、他の大学と異なる。しかし、逆に言えばその留学生に誤算があると、一気に予選通過は厳しくなる。

とはいえ、持ちタイムで見た際に、やはり山梨学院には力があり、ニャイロがある程度稼いだ上で、残る9人がしっかりとゴールできれば、通過の可能性は高いだろう。これで8校。

国士舘も安定感はある。予選会の走りも熟知しており、今年からは大学初の留学生であるライモイ・ヴィンセントも加わった。タイム的にはキサイサ(桜美林)やカリウキ(日本薬科)に及ばないものの、十分稼ぐことができる。それらを考慮すると、通過の可能性は高そうだ。これで9校。

上武も予選会の走りは熟知している。毎度おなじみの集団走だが、これが出来るとチームの9,10位選手が走りやすくなる(前の味方選手を風除けに出来る)し、タイムの予測もしやすい。ただ、昨年個人で10位に入り、1人でかなりのタイムを稼いだエースの坂本が抜けた穴は大きそうだ。個人的に応援している大学なので、頑張っては欲しいが、当落線上といったところか。初出場から11年連続での出場には黄色信号が灯っていると思う。

専修と東京農業、そして創価は安定して走れる力はある。この中で最も通過に近いのは東京農業か。10000mの自己ベスト30分以下で走れる選手が8人いる。専修は28分台が2人(和田・長谷川)おり、彼らがどこまで稼げるかが鍵になりそう。創価はムイルの欠場が本当に痛い。

麗澤と筑波は、自分たちが120%の力を出した上で上位校のアクシデントがあれば可能性があるかもしれないが、やはり現状の力では11位に食い込むのは難しいだろう。同じく日本薬科も、カリウキという大エースはいるが、彼だけで勝てるほど予選会は甘くない。ただ、近年徐々に力をつけ、予選会で戦えるレベルに近づきつつあるのがこの3校。どんな走りをするのか、注目しておきたい。

順天堂・駒澤・神奈川・國學院・中央・大東文化・明治・山梨学院・国士舘。この9校に加えて、東京国際・上武・東京農業・専修・創価から2校という構図になりそう。

残る2校は、タイタス・モグスを擁して、ある程度タイムを稼ぐことができそうな東京国際と、集団走で大崩れする可能性が低い上武と予想する。もし仮にムイルが走っていれば、創価は上武の上には食い込めたはずだ。やはり、痛すぎる。

ということで改めて、通過予想する11校は

順天堂大学、駒澤大学、神奈川大学、國學院大學、中央大学、大東文化大学、明治大学、山梨学院大学、国士舘大学、東京国際大学、上武大学

とさせていただく。予想順位は
1駒澤大学
2順天堂大学
3國學院大学
4神奈川大学
5中央大学
6明治大学
7大東文化大学
8国士舘大学
9山梨学院大学
10東京国際大学
11上武大学

ぐらいかと。ただこれに関しては正直結構「勘」で考えた部分があります。ご勘弁を。

記念大会ということで枠は増えたが、駒澤や順天堂など、シード常連校が予選会に参加している点、また距離が伸びた点を考慮すると、予想しにくい、難しい予選会になることが予想される。こないだも言ったが、伸びた1kmはわりと大きい。1kmでもかなりの差がつく。しっかりと夏場に走り込みが出来た大学と、そうでない大学とで明暗が別れそうな気がしている。

最後の最後まで目が離せない予選会。熾烈な争いを制し、箱根への切符を手に入れるのはどこなのか。スタートは13日(土)の9時35分。

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