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指輪のこだわりは、そっとその裏側へ

おはようございます、ゆのまると申します。

本日は記事のご紹介から。普段、アニメや本への愛ある感想記事を書かれているあすかさんが、結婚指輪についてのお話をされていました。

何を隠そう、結婚指輪の話題は聞くのも話すのも好物なわたくし。ここはあすかさんの素敵なエピソードに便乗して、自分語りをしていこうと思います。


もともと、私はアクセサリーにそこまで強いこだわりがありません。

学生の頃は安い雑貨屋さんでイヤリングやネックレスなんかをよく買っていましたが、最近は身軽さ重視で(あとイヤリングは何度もなくしたので)腕時計と指輪以外はつけないことがほとんどです。

結婚指輪に関しても、ブランド名もほぼわからなくて、作らねばと思い立ったのは入籍後のこと。結婚式の打ち合わせをしていく中で、指輪交換があると知った時点でのことでした。

「国内のメーカーがいいなぁ」となんとなく当たりをつけて調べ始め、目に留まったのは「I-PRIMO」さん。シンプルで滑らかなデザインが多く、中でも「ユノー」というシリーズは、私の誕生月である六月の女神をモチーフにしているとのことでびびっと来ました。

五粒のメレダイヤがおしゃれ

すぐに来店予約をし、夫と日本橋の店舗を訪れました。一応他にも気になるデザインはあったものの、実際にユノーを見て「うん、これだ」と即決。指輪といい結婚式の衣装といい、なかなか決断が早い方だと思います。


サイズの調整をして後は受け取るだけ……となった段階で、我々が最も頭を悩ませたのは「内側に何を刻印するか?」ということでした。見た目よりも「言葉」にこだわるのは、私達らしいというかなんというか。

ところで結婚指輪の内側に刻印する文字というと、お互いのイニシャルや記念日、それから愛や絆にまつわる格言なんかを刻む方が多いですよね。メーカーによっては、指輪を二つ合わせて一つのデザインが完成したり、手描きのイラストを入れられたりもするようです。

私達が選んだ指輪だと、掘ることができるのはアルファベットと数字、それといくつかの記号の組み合わせでした。記念といえる日もいくつかあるし、イニシャルだけというのも寂しい。

ひとまず、「各自がつける指輪なんだからそれぞれ好きな言葉を入れよう」といかにも我が強い提案をし、刻印する文字については宿題とすることにしました。


それぞれああでもないこうでもないと考えること、一週間。再びお店を訪れた私達は、「刻印したい文字を記入してください」という紙にこのように記しました。

私は「Cheers」、つまり「乾杯」です。何か好きな言葉を入れたいな、と考えた時に真っ先に思いついたのが「乾杯した数だけ人は幸せになれる」だったのです。

どうやらもとはヨーロッパの古いことわざなんだとか。とある映画に出てきたこのフレーズに、私は大層感銘を受けたのでした。

お祝い事の時も、新しい世界に踏み出す決断をした時も、単に美味しいお酒に出会えた時でさえ、私達は何度も乾杯をします。グラスとグラスが触れ合う瞬間、私達は確かに同じ気持ちを共有していて、そしてそこにはネガティブな感情などつけ入る隙もないのです。

そういえば、書いていて思い出しましたが、私と夫は何気ない普段の夕食の時でさえ乾杯をするのが習慣です。100均のコップで、注がれているのはお茶なのに、です。どちらが始めたのかわかりませんが、「今日も一日生き延びて無事に家に帰ってきた」というのは祝するのに十分な理由だと思います。

さて、一方の夫はというと。

以前から「彼はトレーディングカードゲームで遊ぶカードゲーマーです」と紹介しておりますが、どうやら思い入れの強いカードに由来する単語にした様子。

ここで少し昔話を。私と夫が出会ったのは大学生の頃で、その頃の彼には近づく者全てを傷つけてしまうような、そんな危うい部分がありました。だからこそ一定の距離を置いて接していたのですが、当時はそれを少し寂しく感じる部分も……。

しかし、社会人になって再会した彼からはそんな毒気がすっかり抜け、穏やかな性格へと変わっていたのです。後から聞いてみると、カードゲームを通して多くの友人ができ、結果的にそれが良い方向へと働いたようでした。

カードゲームはもはや夫にとって、自分を構成するのに欠かせない要素の一つです。彼なりにあれこれ考えた結果、今の自分をここまで連れてきてくれた、思い入れのあるカードの名前を結婚指輪の裏側に刻んだのだとか。いろいろ説明してくれましたが、知らない単語が多くて私にとっては右から左でしたけども……。


結婚指輪は、二人にとってのものです。

けれどそれと同時に、どれだけ好き合っていてもここまで別の人生を歩んできた一人の人間なのだし、それぞれに大切なものや価値観があります。それらを擦り合わせることはできても、ピタリと重ねることはできません。

別々に、それぞれ好きな言葉を刻んだ指輪は、時々忘れてしまうそんな大事なことを思い出させてくれる存在でもあるのです。

以上、こだわりの強いオタク夫婦の指輪エピソードでした。おしまい。


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