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#06 山万味噌




こんにちは。

be-en 代表のゆうかです。

蔵元巡り第六弾は、長野県岡谷市にある『山万味噌』さんを訪問しました。

山万加島屋商店、もとい山万味噌は昭和7年11月に創業した蔵元さんです。

山万味噌さんの HP はこちら👇


山万味噌の歴史


山万味噌は、元々山万小松組という製糸業を営んでいました。

実は、岡谷市は日本の明治維新の経済基盤を支えた製糸業の町として発展してきた歴史があります。

製糸業は、製糸の各工程において、蒸気や熱水、温水を大量に使用し、用水の性質が生糸の生産効率に影響を与える繊細な産業です。

岡谷市は諏訪湖が製糸業の貴重な水源となり、生糸の生産地として岡谷の発展を支えてきました。

当時、製糸工場で働く女工さんたちの食事に使われる味噌醤油は工場ごとに仕込んでいて、賄いで食べる味噌の美味しさで働き手が集まる、とも言われていました。

山万小松組も、お味噌が美味しいと岡谷の製糸工場に働き手が増えると考え、一生懸命美味しい味噌を作っていたそうです。

ところが、世界恐慌で製糸業は衰退し、事業転換を余儀なくされたとのこと。精密業か、味噌屋の二択を迫られ、

世界恐慌で食に困っている人たちを味噌で元気にしたいとの思いから、味噌屋の創業を決意したそうです。

製糸業を営んでいた時も、味噌屋を創業すると決意した時も、その思いの裏には、自社のことではなく岡谷市という地域や地域の人々に対する思いがあり、とても素敵な蔵元さんだなと思いました。

山万味噌のこだわり


味噌づくりでは、はじめ大豆を蒸したり煮たりする工程から始まりますが、諏訪では煮る製法が多いそうです。

理由は、大豆を蒸すとクセや大豆臭さが出るから、とのこと。

山万味噌のこだわりは3つあり、

① 蒸した後の大豆の水分量

② 発酵途中の温度の確認を手で行うこと

③ 発酵中の切り返しを手作業で行うこと

と伺いました。

特に、3つ目のこだわりに関しては機械で切り戻しを行うと、粒が潰れて熱がこもってしまい、固さも出てしまうとか。

木桶熟成の様子

そんなこだわりが詰まった山万味噌は発芽玄米麹を使用し、黒豆や緑豆など、素材を生かしたお味噌作りをされています。緑豆味噌は、【麹要らず】と言われるほどの甘さが売りだそうです。


山万味噌の製品


山万味噌を食べるお客様に、山万味噌のファンになってほしい、と話されていました。

山万味噌の魅力が伝わる商品づくりを目指して


山万味噌が持つ味噌造りの技術には自信がある、と語る社長さん。

山万味噌が継承してきた『伝統』こそが、山万味噌最大の独自性。

また、手作業で粒感を残している製品自体も魅力なため、手詰め味噌の魅力が伝わるようなパッケージに変えて美味しさが伝わるように工夫されています。

粒が残っている味噌の様子


試食販売をすると美味しさが伝わるため、一度購入していただいたお客様は継続して購入していただけるそうです。

味噌を購入していただいたお客様からお手紙をいただくことがあるそうで、そのお手紙の枚数が年間120通になることを目標に掲げていらっしゃいます。

自然とファンになってもらうことを目指しながら、山万味噌がさらに飛躍するためには、売り方が重要、とのこと。

野菜売り場に山万味噌を置いていただいたり、八百屋に卸したりするなどして販売方法も工夫されています。

新しい製品開発への構想もお話しいただき、終始味噌への熱い思いが溢れ出る素敵な方でした。

お客様との関わり方の面においても、お釣りでお渡しするお札は揃えてお渡しする、など細かいところにも配慮されています。

製糸業を営んでいた時代から、人を大切にする姿勢を守り続けている山万味噌さん。お話を伺っているだけでこころがあたたかくなります。

私も、ひととひとのご縁を大切にしていきたい、という思いで活動している為、同じ理念を持つ方に出会うことができて嬉しい気持ちです。

皆さんも長野に訪れた際はぜひ足を運んでみてください。

それではまた次の記事でお会いしましょう♪

文責:[むーみん](https://note.com/ym_se_chal/)

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