見出し画像

ドクターハラスメント②

 虐待サバイバーのゆうかです。

 今回は、私が出産した病院で受けたドクターハラスメントの話です。

 まず、妊娠判明前から、私は酷いつわりに悩まされていました。

 あまりにつわりがひどく、医師に涙ながらに辛さを訴える私に、医師は「あまり辛いことばかり考えないで」「望まない妊娠だったの?」と言ってきました。
 辛くて辛くて、医師に助けを求めたのに助けてくれないんだと、私は絶望しました。

 けれど、その後、重症悪阻で入院になった時には「ゴメンゴメン本当に大変だったんだね」と言われました。
 私は、出産が終わるまではいていました。出産しながら、いきみながら吐くほどの重症悪阻でした。
 
 医師からは、100人にひとりいるかいないくらいの確率で重症化する人がいるということを教えてくれました。

 何ヶ月も続く嘔吐と吐気で、気が変になりそうでした。水も吐く、吐くものがないと、喉がめくれて血とめくれた皮膚片を吐きました。24時間点滴につながれていました。

 海外ではつわりが辛すぎて、自殺してしまう例もあるそうです。日本でも、精神を病んでしまう人がたくさんいると聞きました。
 
 私も、今思うと、たぶん病んでいたんだじゃないかと思います。吐気で寝ることもままならず、ただ時計とにらめっこする地獄のような妊娠期間でした。

 そして、いよいよ出産の時です。赤ちゃんが出てくる産道が、私は人よりとても狭かったようで、赤ちゃんがなかなか出てこられなかったようです。 
 医師が「狭いなぁ、狭くて赤ちゃんが出てこられないよ」とずっと困っているのが聞こえました。
 
 実際、私の赤ちゃんはとても小さな赤ちゃんでしたが、産道が狭すぎて、一度顔を挟まれて窒息しかかったようです。
 慌てて取り出してくもらった私の赤ちゃんは、一度産道で顔をはさまれ、出てきた直後、呼吸をしていなかったのです。
 赤ちゃんが出てから泣き声が聞こえるまでに、少し時間がかかりました。

 その出産中に、医師は産道が狭いことでとても大変だったらしく、私は医師に
 「そりゃ狭くて当然か、旦那さんのチ○ポしか入ったことないんだからね、そりゃ当たり前だよね」と言われたんです。

 私は父から性的な虐待も受けていました(性行為はされていませんが)ので、出産とはいえ、人前で両足を広げて、多くの人に見られていることはとても恐ろしい状況でした。
 とても恥ずかしいと感じていました。

 そんな状況で、医師から発せられたひどい言葉は、大変な屈辱でした。なので、私は聞こえないふりをしました。

 けれど20年たった今でも、傷ついたままです。大したことではないという方もいらっしゃるかもしれませんが、私にとっては聞くに堪えない言葉でした。

 これをドクターハラスメントというかどうかはわかりませんが、あらゆるハラスメントに遭っている私にとっては、ハラスメント以外の何ものでもなかったと思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?