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【米国株】DUOL株はなぜ下げている?

2024年に入ってデュオリンゴ(DUOL)の株価が冴えません。

高値から-30%、縦線は筆者買いポイント

2023年11月に好決算を発表し株価は急騰しましたが、上昇分を全て吐き出しました。僕のDUOL株のポジションも-17%の含み損となっています。

決算内容は以下の通り文句なしの好決算でした。
DUOL FY23Q3
⭕️EPS 結果6¢vs予想-7¢
⭕️売上高結果1.38億ドルvs予想1.3億ドル
売上高成長率は前年同期比+43.2%
⭕️来期売上高 新ガイダンス1.45~1.48億ドルvs予想1.4億ドル

では、なぜここまで株価は下がっているのでしょうか?理由は3つ考えられます。

1つ目は2024年に入って小型グロース株は軟調であるということです。今年になって長期金利は3.8%→4.2%まで上昇しました。その影響を受けやすく売られやすかったのが小型グロース株だったのです。しかし、今では金利は4%で安定しています。政策金利の利上げも終わりました。インフレも鎮静化の一途を辿っています。金利面での逆風はもう気にする必要はないのです。

2つ目は、他のサービスの登場で投資家が不安になっているせいだと思います。他の小型グロース株よりもDUOLだけこっ酷く下がっているのは、これが理由だと思います。2024年1月中頃にゴールドマン・サックスがDUOL株を「売り」にダウングレードしました。アルファベット(Googleの親会社)が23年に発表した英会話学習サービスによってビジネスに圧迫を受けるということが格下げの理由だそうです。しかし以前の記事でも書きましたが、ゲーム感覚で英語の文法・作文・発音、英語以外の40以上の他言語を学べるDUOLが無機質なGoogleの英会話サービスにビジネスが脅かされるとは思えません。

英語学習はChatGPTの活用で事足りるのでないか?という意見も出てきています。確かにChatGPTを活用すれば文法・英会話・長文読解・英作文、、、様々なことが学習可能です。ChatGPTを活用した英語学習の解説本も出始めています。

しかし、英語学習の実用レベルでサクサクとChatGPTを動かすには月20ドル(約3000円)の課金が必要です。デュオリンゴは基本無料で、月額課金1100円です。月額3000円のChatGPTにデュオリンゴのビジネスが脅かされるほどユーザーが流出するかは疑問です。

そもそもChatGPTに英語学習用のプロンプトを入力して学習できる人はかなり英語力のレベルも高く、学習意欲も高い人だと思います。それほどのレベルの人が世界の英語学習者の大半だとは思えません。

デュオリンゴは学習意欲を持続させるために徹底したゲーミフィケーションの考え方が盛り込まれています。勉強においてモチベーションの維持は非常に悩ましい問題であることは多くの人が共感できるポイントだと思います。モチベーションの維持に力点を置いたデュオリンゴが、その点を全くフォローできないChatGPTにユーザーを奪われるとは思えません。

そして、デュオリンゴは英語だけの学習アプリではありません。https://blog.duolingo.com/ja/language-report-2023/

デュオリンゴの公式発表によると、学習者の多い言語の順位は以下の通りです。

『Duolingo Language Report 2023』調べによりますと、英語学習者は全言語学習者の40%強であり、過半数を割っています。つまり英語だけの学習アプリではないのです。

3つ目のDUOL株が下がっている理由は、含み損を抱える投資家による売り逃げだと思います。23年末に株価が急騰した際に便乗してきた投資家は-20〜-30%の損失を抱えていると思います。

そのような投資家はこういう状況だと思います。

株価が下がっている。不安だ。何か悪いことが起こっているのではないか?Googleの英会話サービスやChatGPTの登場でデュオリンゴはユーザーを食われるのかもしれない。そうに違いない。売ろう。

先で説明したように、他のサービスにユーザーを食われるオッズは低いです。しかし、投資家は恐怖に耐えかねて、自分の売り逃げたいという衝動を正当化する理屈をこねくり回して、そして株を売っているのです。デュオリンゴは何も悪いことをしていないのにも関わらず。

握力の低い投資家がふるい落とされているだけだと考えます。

似たような事例は最近ありました。NVDA株は2回連続で素晴らしい好決算を出しましたが株価は半年以上動きませんでした。

その間、投資家は中国での売上が規制で減少するかもしれない、成長は今だけかもしれない、今のバリュエーションは高すぎると難癖をつけて株を売っていました。

しかし、中国向けの性能を少し落としたチップは完成していましたし、中国向けの売上が減少するリスクも加味したガイダンスもコンセンサス予想を余裕で上回っていましたし、バリュエーションは高い利益成長によって急激に圧縮されていました。

難癖は難癖に過ぎず、ただ株価が上がらないという不安から逃げたいというために、自分を正当化する理屈をでっち上げていただけなのです。どちらがオッズが高い?という議論の結果出された結論ではなかったのです。NVDA株を売ることは。

今のDUOL株も状況は似ていると思います。
僕はホールドのまま決算を待ちたいと思います。

今は金利の逆風が止んだので素直に業績で上がる相場になっている。連続で好決算を出す企業は次も好決算出す可能性の方が高い。DUOLのビジネスを脅かす材料は出ていない。脅かすと思われている材料は大した問題ではない可能性の方が高いと考えられる。連続で好決算を出せる株はいずれ上昇する可能性の方が高い。ゆえにホールドです。

今、不安に苛まれているならば、その不安が何に起因しているのか自分に振り返って問うてみてください。理屈では分かっているけれど不安感が消えない場合、それは「決算が良ければ報われる」という経験をしたことがないせいかもしれません。冴えない株価だった銘柄が好決算を機に立ち直った事例を見てみると良いと思います。NVDA、MDB、MNDY、Sなど。

もし決算がこけて損切りする事態になった時に、許容範囲以上の損失を出してしまうことを恐れているならば、それはポジションが大きすぎると思います。大きすぎる場合は少し削った方がいいかもしれません。一銘柄に何%配分すべきかは過去の記事で書きました。

握力は鍛えて強くなるのではありません。個々人の信念の問題でもありません。その銘柄への信仰心でもないです。僕はそんなものは一切持っていません。

今、この銘柄を持っていて良いのか悪いのか、どちらの方が可能性を感じるか?その銘柄で囁かれている悪材料は深刻なものか、無視できるものか。株価に関連する事項において、どちらが可能性が高いかを一つ一つ考えた結果、今の投資態度に納得しているので全然焦りや不安は湧いてこないのです。

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