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友人の「試し行動」に悩んでます。大人の試し行動にどう接すればよいのか?


ある時こんな悩み相談をされました。「試し行動に悩んでいる」

友人が境界性パーソナリティー障害なのですが、試し行動が多くて困っています。
こちらとしても友人として出来るだけのサポートはしてあげたいと考えているのですが…
あまりにも多くてウンザリしてきました。
どうしてあげていいのか分からずに途方に暮れています。

まず、試し行動ですが、これは人との関係性に対して強い不安、不信感などから起こる行動です。

相手をわざと困らせる行動や、不快な行為を取って、
どの程度なら許してくれるのか?

を確認して安心を得ようとしているわけですね。

どれだけ相手に無償の愛があるのか?を
確認していると考えられています。

しかし多くの場合は試し行動をやりすぎて、
愛情や信頼などを失ってしまいます。

簡単に言ってしまえば頻度が多すぎて
「またかよ…もう付き合ってられないよ」
付き合う相手の心を疲弊させてしますのです。

https://woman.mynavi.jp/article/221121-17/

今回はカウンセリングやコーチングなどをしてきた経験と、
家族にパーソナリティー障害がいる経験から
こちらの質問にお答えしていきたいと思います。



境界性パーソナリティーと診断されたのであれば改善に長くかかるもの

前提にパーソナリティー障害の改善には数か月から数年かかる。
というのを置いておいた方がいいです。

そして改善には時間と手間がかかる。
と聞いて
(えっそうなの…?ちょっと付き合ってられないよ…)
(めんどくせ~…)

と思ってしまうのであれば距離を置くことをオススメします。

少し冷たい態度かもしれませんが、
経験的には相手に対してまずこう思うのであれば、
その友人を支えてあげたい。
助けてあげたい。というモチベーションはもう枯渇している。

と考えるからです。

特に診断された。
というレベルだと既に何か問題行動を起こした後だと思うので、
同じ問題行動をまたしてしまう可能性が高い。という事です。

この状態で無理に関係を続けると、
お互いに傷付け合う結果にもなりかねません。


もしもうウンザリしているのであれば、
一旦でもいいので距離を置くのが一番の近道です。
(物理的に距離を置く、連絡の頻度を落とすなど)

また、対応としてパーソナリティー障害の方を相手にあいまいな態度はあまりいい手ではありません。


相手の状態は非常に誤解を生みやすい状態であると予想できます。

全般的にパーソナリティー障害の方は物事の見方や思考が極端だからです。

善意なのにどうしてそういう受け取り方をするんだろう?
と感じることが多いと思います。

これは受け取る側が極端なため、
あいまいで解釈の余地のある態度は極端化されるので
結果的に向こうも傷つけてしまいます。

もし負担になっていて辛いのであれば
「そういう行動をやられるとこちらも辛いし、どうしていいかわからない。
 友達としては、何かしてあげたいけど自分も専門家ではないので助けることが出来ない」

などハッキリとスタンスや感情、今後どうするかを表してあげるとお互いのためになります。

もし、どうしても相手の反応が怖いのであれば、
返信の頻度や時間を下げてフェードアウトしていくようにしましょう。

また、ハッキリした態度を示した時に
「裏切り者!」とか「~してくれるって言ったじゃん!!」
みたいな反応を示した場合コミュニケーションが不能なので切った方がいいですね。

相手に理不尽なルールや罪悪感をぶつけて確実に巻き込みに来ています。
これに乗っかると確実にトラブルに巻き込まれます。

(余談ですがうちの父の口癖は
「家族だからこれくらいして当然だ!!」
と夜中に友達と麻雀をし始め、
眠っていた母を起こして食事を作らせるみたいな事をしていました。
怒鳴り声と、麻雀の音で僕ら子供たちも起きて、
目をこすっていたのを思い出します)


少し長くなりましたが



以上を踏まえた上で、


まだサポートしたいという気が残っているのであれば、
その上でどう対応すれば…を書いていきます。


どちらにしても感情を受け入れて安定させるという場所を作る道がいいかなと思います。

周りの支援としては出来るだけ
「ここなら安心なんだよ」
といういわゆる安全基地という居場所を作ってあげるのが理想なのですが…

恐らく試し行動のような行為を頻繁にする。となると
いきなり「ここ安全なんだよ」を与えられると、

初めは恐らく信用せず、
また通常とのギャップで逆に不安になると思います。

今まで安心できる場所がなかった人でよくあるのが、
いきなり安心できる彼氏などが出来ると

「本当は私の事嫌いなんでしょ!!」
「本当は私にウンザリして浮気してるんでしょ!!」

みたいな事を突然言い出して自分から安全基地を破壊したり、
「突然いなくなる」
などする場合もあります。

これは今まで安心な場所が手に入らなかったから
「いつか壊れるのでは…」
と不安でパニックになって自分から壊すのですね。

なのでこちらとしては
安全基地を相手の信用に関わらず
常に場所が
「ある」
という状態を作っておくことがベターだと思います。

友人を支えるスタンスを言語化するならば
「お前に問題があるのは知っているけど、
 改善する気があるなら自分は話を聞くし、
 改善しなくてもその気があるならサポートするよ」

というスタンスですかね。

重要な前提。向こうに改善する気があるならば。

この前提条件は
絶対に
おいた方がいいです。

このスタンスを取っていると、
その覚悟の無い人間は離れていきます。

あと簡単に出来ることとしてネットなどの無料の認知の歪み診断を定期的に受けて
「あぁ自分の認知今こんな感じなんだ。」と自覚することです。

これはパーソナリティー障害全般は認知の歪みからくることが多いのですが、
これを自覚する。受け止める事にひじょ~~~に難儀します。

一般的にも自分の悪いクセみたいなものを言われると
グサッときて、謙虚に受け止める。
みたいなのが難しいように、
特に認知の歪みが激しい人はこれが難しいです。

だからこそ、
治す(極端ではなく、なだらかにする)のには時間がかかるのですが…

そこで自分の認知が今どんな感じなのかをある程度把握しておく、
これだけでも効果がある場合があります。

そして心理教育です。
心理教育というのは簡単に言えば病気の事を知ることです。
これはどんなメンタル系の問題にも効果がある上、副作用がないのでオススメです。

本人が境界性パーソナリティーと自覚している、診断を受けているならば
本(なるべく最新でわかりやすいもの)を一冊読んでみるのをオススメします。

こういうやつですね。

これは当事者が、なかなか良くならない!
と自分を責めたり暴走したりするので、
重要な感覚としては
「時間がかかっても大丈夫。
 だってどんな人でも時間かかるものなのだから」

この理解が
「ある」のと「ない」のとで
取り組みの楽さが本人的にも周り的にも
断然違うと考えています。

何度も言いますが、そもそも時間がかかるものなのです。

また本を読むのは自分の病気の直面化
(自分は病気なのだと受け入れて、改善すること)
の足掛かりにもなります。

しかし病気の事を知ると自分はこんなに最悪なのか…
と責めだす気持ちにもなるので、
そこはあたたかい目で見るようにして欲しいです。

さっきの「改善する気があるなら自分はサポートするよ」の精神です。

また、
何度も何度も言いますが、

本人に改善する気がないのであれば距離を置くことをオススメします。

パーソナリティー障害は改善する気を起こさせるのが一番難しいです。
(詳細は省きますが本当に難しいです。)

また、境界性パーソナリティーはとてもややっこしい病気なのですが、

個人的には本人や周りが一番に困る部分は感情のアップダウンの激しさだと感じています。

突然グワーッっと湧きあがるような、
激しい感情のアップダウンゆえに、
過激な言動や行動に繋がって問題行動を起こすのですね。

まずそこを改善したいです。

おすすめの心理療法としてはノートやPCなどに自分の思考や感情を書く筆記開示というものがおすすめです。

やり方は簡単で
今考えていること、感情を10分~20分かけて書くというものです。

本来であれば認知行動療法のワークのように決められた質問に答えるのが一番いいのですが、

本格的にやろうとすると結構ややこしかったりするので
まずは足掛かりとして自由に書いてみるのがいいかなと思います。

そしてノートの最後に
その日や最近起きた楽しかったこと、
夢中になれたこと、
他人に親切にしたり、された事などを書くと
無駄にネガティブになりすぎずに終われます。


注意点としては
・感情や記憶を忘れるためにやるのではなく
ノートやPCに感情と思考を置いて置くという感覚でやること
(記憶は消そうとするとますます残るので)

・ネガティブさが強い場合や、夜寝る前にはやらないこと(ネガティブな事を思い出して眠れなくなったり、悪夢を見る場合があるため)

・10分以上を4日以上やること
(これくらいやらないと効果がないと言われています)

友人と一緒にやるのもいいですね。
しかしこちらも注意点としては、書いた内容に
「良い」「悪い」を決めつけない様にしてください。

あくまで
「ふ~ん。今の思考と感情はこうなんだ。」
に留めたいですね。



最後に


「人間の認知は全員少なからず歪んでいる」
「治さなくていいから取り合えず自覚だけはしておく」

というところから始めると無理なく続けられると思います。

ある程度落ち着き、変えて行きたいなと思ったら
認知行動療法などを行っている医院などに行って積極的に改善していくのがいいかなと思います。

先ほども書きましたが人間の認知は少なからず誰でも歪んでいます。


一般的にも、時と場合によってはパーソナリティー障害のような、
極端な思考や行動をなってしまう場合もあります。

ただ本当に病的なものになると周りを巻きこまれてしまうこともあるので、
距離感を大切に支えてあげて、
無理となったらきちんと距離を取ってあげてください。

それがお互いのためになります。

境界性パーソナリティー障害の方で思うのが、
むちゃくちゃやっている本人が一番苦しんでいる。
という状態でもあると思うので、
この回答で少しでもお役に立てればと思います。

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