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Meeting with a Solicitor

Solictior (ソリシター)= 弁護士 

弁護士と面談することになった。
 
姉を訴訟する目的だった。姉は母の遺産をすべて自分のものにしようと思っている。虐待起こすバカ夫も金と遺産に手をつけようとしている。僕は、これを許せない。


今日、弁護士と面談した。イケメンの弁護士だった。年はいっているけど、若いときさぞかし持てる男に違いない。今は髪に白毛だらけだけど、これも逆に魅力的な印象だった。英語では「シルバーフォックス」「銀色のキツネ」とこういう人を言う。そういう人と、面談を受けた。
 
これは、オンラインの面談で、自分の顔も画面に映っていた。母が亡くなって二週間。自分の悲しげな目つきに気になった。しかし、弁護士は相続の専門の仕事をしているから、僕みたいの顔色に慣れている気がした。彼も、実は少し疲れている顔をしていた。こういう仕事していると、喪中の人に日常的に対面しているだろう。そして、悲しみは伝染病と同じに、人から人に移るのではないか。
 
長い話をうかがったが、やがて僕の訴訟は勝つ方法はないと言われた。
それでも、いいのだ。面談が始まる前に、もう心の中では諦めていた。僕みたいな人にはこの世の中で成功することはないと知っていたからだ。そして、姉に嫌われていることはもう認識していた。「弟を世界よりも大切にしている」と言ったが、口だけだ。行動では、愛情は表さない。

裁判を起こしても、本当に求めているものは得られないとようたく分かった。
 
おまけに、恩人の叔母さんにも見捨てられた。裁判を起こすことなんか、大げさだと言われて、もう連絡を取らないと言われた。それでも、いいのだ。こういう時に、味方にならなければ、本当の恩人ではなかったことが明確になった。叔母さんとは、血がつながっているけど、それ以上に特に大切されてもいなかったのだ。
 

https://note.com/yuuuuuugo/n/nb10b8009ffb5

本当に、一人になった。そして、本当の自由を味わえた。これから、僕はなんにもできる。なんにも失くせるものはない。この自由は、この世界で他に何人が知っているのだろう。
 
死んでもいいんだ。そう思った。母が亡くなったと聞いたときから考えていた。母の死体を目で見たとき、次は僕だともう既にわかっていた。
 
でも、私はこの歳で自殺する気はない。そういう元気はない。自殺って、暴力的で陰惨なものなんだ。そんな、むごたらしいことできる力はない。三十代になって、失敗と負けが重なった人生を送ってから、力をすべて尽くした。
 
今週、弁護士以外にもう一人と予約をとった。メグミという女神とホテルで会った。お葬式から、一週間がたってからこのお店によった。メグミという女、心の傷を癒えることはできないけど、六〇分の間はすべてを忘れることができた。背中を愛撫して、おっぱいを揉んで、キスして、手コキされて、体とこころをリラックスした。顔を近づけたままバカな話をしてゆっくりした。またたくま、至福のきもちに包まれた。

この先の人生は、そういう感じかな。悲劇的な人生を送ってきたが、ときどき体を気持ちよくすることだけはできる。それが死ぬまで変わらないだろう。これからの人生は denouementだけだ。
 
Denouement=大団円:小説や芝居が、おさまる最後の局面。大尾(たいび)。
 
時々は、一瞬だけの幸せはくる。幸せな人生というのは諦めたが、久々に幸せなモーメントがあるだけでもいいのだ。