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劇団朱雀【祭宴】 感想文



劇団朱雀を今年初めて見た人の感想文だよ。

あんまり呟けてないけど、生配信録画したやつカメラ割り覚えるくらい見てる、ハマったままこっちの世界に帰ってこれてません。
そもそもの動機が殺陣鼻から吸いてぇな~ってチケット取って、ぼんぼんがーるで沈められて、3朱雀キメたんだけど(3回ともぼんぼんがーる引けました✌️)、1部2部3部と見て1番最初にくる感想がぼんぼんがーるでいいんだろうか、大衆演劇とは違う部分に引っかかった気がするんだけどそれでいいんだろうか、この邪な感想はネットに垂れ流していいものなんだろうかと思ってたんだけど、提供されてるんだからまぁそういう客がいてもいいですよね。

こういうものがお出しできる覚悟がすごいなとその心意気に惚れました。

というわけで劇団朱雀を今年初めて見た人の感想文だよ!


概要

劇団朱雀【祭宴】
東京公演 かめありリリオホール
公演期間:2023年5月19日〜5月31日


(朱雀というよりこのnoteの)登場人物


早乙女太一くん:いやすでにご存知なんよ、ドラマとかでもお顔拝見してます。新感線で殺陣見てやばいことも知ってた。でもさぁ、こんな顔してこんな演目出してくるなんて知らなかった… うっ…ぼんぼんがーる…
とんでもなくプロ意識が高くて根性の人。あとトップスター様のような何か超越した慈愛みたいなものを感じた。

早乙女友貴くん:太一氏の弟さん。やっと薔薇サムで友貴氏の殺陣を観れて、二人が出るってことは二人で殺陣するんでしょ?え、やば、見たい!ってなって今回チケット取りました。
若くて強くて危ういところがあって兄弟なのに持ち味が全然違くて並ぶとお互い引き立ってた、活きが良かった。

Pecoちゃん:今回からの新加入らしく、女の子ダンサーに混ざって一人男の子ダンサーなんだけど(しかも最年少)、ヤンチャに踊り狂ってる時もあれば、アヤノさんとシンメの時や女ダンに混ざるとめちゃくちゃ馴染むし色っぽいしキュートだしセクシー!ゆっペコシンメもそれはそれで馴染むんよな、すごいバランス感覚。なんかきっと近いうちに新感線とかでまた観れると思ってる(新感線にいろいろ託しすぎ) 踊るのがすごい好きなんだなぁって踊り方する子。
お名前がPecoな時点で最高に可愛い。インスタのアイコンも可愛い。


以下、だらだらとした感想文

※だらだら書きすぎて入れ込むところがなかったんだけど、見慣れると当たり前のように感じてしまうけど、全編通して、刀遣いが、扇子の使い方が、棒のぶん回し方が、人間技とは思えない器用さで一朝一夕では成し得ない技術なところがすごい。これは見てもらわないと伝わらないからみんな見て!見て感動して!(語彙力のなさ)


1部から順に思い出し。

1部は舞踏で太一氏の女形の舞いや和太鼓など、そうそうこういうの想定して見に来たよっていう演目。

1部の山場が花魁道中で、女形のお着物から舞台上で太夫のお着物に早替え。
初回がサイド席で早替え見放題だったので、それを残り2回で越えられなかったのが残念。見せて!もっと見せて!
(正面からは一応途中まで目隠しされてる)(配信でもだいぶ映ってない)
太一氏(女形)が薄暗闇の中、されるがままに女性に着付けされたりお茶飲ませてもらったりしてるのなんかよく分かんないけどすごーく良かったです。なんの性癖に刺さったのか分からないけど本当に本当に良かった。
あそこはあのちょっと飽きちゃってるような気だるい態度で大正解すぎる。言葉がよくないんだけど表情管理うますぎ。流し目とか恋する女の顔が上手いのは分かるの、だるい顔がうまいって最高に良い女じゃん。
煙管ふかしてくれるのも最高だし、あと、人に裾をぴっちり床に広げてもらってて、花魁って人にやってもらう存在だもんなぁとか。

まさか現代であの下駄履いた花魁道中が見られると思ってなかったので、花魁道中見に来たモブ百姓の気持ちが味わえて最高でした!!花魁がほんのちょっと微笑んでて、花魁って笑うんですね…!!!って私の中のモブ百姓が感動してた。あとほかの演目だと目が合う感じあんまりしないのに、花魁だと目が合う感覚があるのまじですごい。
肩貸し若衆役の黒い着流しの友貴氏が勢いよく飛び出してきて踊るのも活きが良くていいし、方向転換して太夫が左肩から右肩に触れるのに合わせて手拭いをさっと変えるのも最高。そして提灯持ちはぺこちゃん!!うつろな表情含めて奇妙なくらい完璧だった!あの3人の作画世界観が揃っちゃってて、ポーの一族の一族の立ち絵みたいだった(何の話?)
早替え〜花魁の曲がくちばしにチェリーと主演の女(椎名林檎)なのも絶妙すぎて大好き。30代の女に刺さりすぎる選曲。音ハメが最高に気持ちよすぎて何これ。


1部が30分くらいで15分休憩挟んで2部はお芝居。
その間に化粧変えてるのすごいね!?
お芝居まさかの日替わりなんだけど、わたしが引けたお芝居演目は安兵衛、桜吹雪、川北長治でした。
川北長治が川原さんと須賀健ちゃんゲスト回でスペシャルすぎた!とにかく鼻から殺陣が吸いたかったから川原さん回増やしちゃった…
泣かせ演技対決すんごかった!この演目はずるいよ…
川北長治の親分めちゃくちゃめちゃくちゃかっこいいですね…

正直引く演目によってお芝居は差がでかい。


お芝居が終わって、2部と3部の間の30分の休憩の間に太一氏自身によるグッズ手売りあり。(ない日もあり)
白塗りして1部舞踏して、化粧落として2部お芝居して、3部の前に手売りもするの!?いつ休憩するの!?!?
その売るぜ!っていう気概に惚れたので記念にでかいアクリル板買いました。握手優しかった!そんなの好きになっちゃう(ちょろい)


そして3部。まさかのスタンディング!え、あ、そーなの??スタンディングなの!?
3部はお祭り騒ぎから始まるんだけど、1曲目のMATA(C)TANAが当て書きかな!?ってくらいこの集団に合いすぎててびびる。(米米クラブの曲だそうです)
今回のはまだYouTubeにないけど、劇団朱雀復活公演の時のYouTube貼っておきますね


も〜〜〜最初の曲にしてクライマックスくらい盛り上がる。
配信ちょっとだけ見よ~って日もここはとりあえず見る。
あと現地にいてもそうだけど、配信見てても「待たしたな!」\待ってたよ!/の客席のレスポンスわりと若いよね、平均値出すとたぶんタカラヅカより客層若い気がするのが意外だった。
大爆走のフリが嫌いなおたくいないと思う。血沸き肉躍る第3部!

あと、曲中に太一氏が客席につっこんでって、通路じゃなくて椅子の上無理やり通っていくんだけど(?)、なんかお化粧のお粉の匂いみたいな微かに甘い匂いがしてときめいた〜 お衣装の匂いかなぁ


さてやっとぼんぼんがーるの話です。ぼんぼんがーるは太一氏ソロ曲で日替わり曲。これが見れるのも運次第。曲はこれ↓


・地毛の黒髪+お化粧+口紅真っ赤にぐりぐりに塗ってバックに女ダンとぺこちゃんつけて限りなく挑発的なダンス
・え、早乙女太一ってこんなに踊れるんだ!?
・とにかく顔が強い!狩る気まんまんの顔!え、早乙女太一ってこんな顔するんだ!?!?
・客降りして1列目の客を圧でどかして1列目の背もたれ使って2列目に向かってパフォーマンスしたりする…せ、攻めてた…正直これは2列目のモブになりたい
・配信の日はバックについてるぺこちゃんのほっぺにねっとりチュウ仕掛けて、ぺこちゃんはほっぺにキスマーク付けたまま踊り狂ってて、もう何もよく分からない最高だった
・こんな毒っぽいアングラっぽいものお見せされると思ってなかったから、見事にくらってしまい…もうだめだ、わたしのことはここにおいていってください…
・わたしは、Dah, dah, da-da-laで行進みたいになるフリが好きです
・というか、この魅力が言葉で言い表せるならこんなにハマってないのよ

(好きすぎて好きすぎて配信ねちねち見てるんだけど、ぼんぼんがーるだけお化粧少し雑な気がするんだけど、これわざと…??またやたらそこがアングラ感あるというか分かってやってるとしたらすご…)

この人からぼんぼんがーるが出力されることに驚いたんだけど、さらにこの猥雑なぼんぼんがーるのすぐ後に祈りのような祈祷のような、巫女さんみたいな演目に移る高低差に一番びびった。

扇子で舞った後、榊を持ってたから玉串奉奠のイメージなのかな。ソロで舞う→兄弟で舞う→天から剣が降ってきて兄弟殺陣なんだけど、こんなの嫌いな人いなくない!?!?!?なに!?!?(なに)
衣装もさ~~~おにいが青で弟が赤で同じテイストだけど違うデザインでそれぞれ似合っててキャラデザ良すぎてなに!?(なに)

わたしに殺陣の良し悪しは分からないけど、殺陣が見たくてたまらなくなるのはなんでなんだろう。早乙女兄弟5歳差だそうで、解散も復活も立ち会えてないわたしには何も分かりませんがまぁいろいろあるんでしょうが、それにしてもなんとか弟が道をそれずに一緒の舞台に立って兄弟殺陣やってるところを目撃出来て良かったな。


わたしは「祈り」だなと思ったんだけど、これは「奉納」だという話について。

そして3部はお祭。「最初はいつもお客さんと一緒に歌うところから。でも単純に楽しくワッショイ! だけでなく、最後の最後は今回の僕のテーマとして舞の原点である"奉納"に立ち返り、祭から祀りごとへつながっていく。コロナ禍を経てこれからまたよみがえりますように、人の心に活気が取り戻せるように、そんな思いを込めて祈れたらいいなと思っています」

ぴあ関西版WEB「早乙女太一、観客と共に作る
「今の僕たちの大衆演劇」」

「祈り」や「願い」って震災や疫病が流行るとエンタメでよく見かけるテーマになるけど、「祈り」や「願い」の先の「奉納」と位置付ける人初めて見た。意識の違いとして面白いなと思った、日ごろから舞ってる人の意識というか、祈りは伝わると考えてる人の言葉というか。神の前にいる人の意識。
終盤にかなり体力使うパフォーマンスになってるけど、そこがまた命を削ってる瞬間の目撃者になれて、あまりにも美しかった……し、命を削る姿を美しく感じてそれを観に行くって、舞台やお芝居やライブが好きな人には分かりすぎる分かる!の話だと思うんだけど、それを正しく理解してお見せしてくれてるんだなというのも面白かったです。

「(略)すごく語弊がある言い方かもしれないけど、朱雀の舞台には芸がある人もない人もいるんですね。そこが面白い。僕なんかはそれこそ女形や殺陣で、魅せる美しさを表現として持っている。でも芸がなくても、朱雀の皆は本当に1回1回の舞台で、大袈裟じゃなく死んでもいい覚悟で命を懸ける人たちなんですね。それって当たり前のようでなかなかできないこと。彼らが命を燃やして舞台に懸けてくれるからこそ、泥臭いかもしれないけど、芸や技術といった美しさではない、人間そのものの命の美しさがある。それは多分、僕にできないことを彼らがやれるし、彼らにできないことを僕がやるからこそ生まれる相乗効果。だから仲間でもあるし、舞台上で戦うライバルでもある。そういった目に見えない会話がお祭りのようになっていくんですよね。皆住む場所も、やってることも違うけど、1つの空間で1つになれるのが朱雀です」

Sound Creator
「世の中の復活を願って、「お祭り」の原点を回帰する。劇団朱雀が進みたい未来」


インタビューいくつか読んだけど、かなり考えて考えて考えて作ってるんだなということが分かって読んでよかった。

まとめ


今年に入ってから特に気が狂えるエンタメを探していて(たぶん原因は仕事のストレス)、東にやばいエンタメがあると聞けばすっ飛んでいき、西にえぐいエンタメがあると聞けばとりあえず配信を買うんですが、そうして出会ったこちらの劇団朱雀、わたしのようなエンタメで気が狂いたい人におすすめです。
あと鼻から殺陣を吸いたい人にもおすすめです。兄弟尊い…となる人にもおすすめです。一緒に劇団朱雀を見て気を狂わせましょう🙏

東京の亀有公演は終わったけど、大阪公演と福岡公演と沖縄公演がまだ残ってて、配信も決定したそうです。
誰のためでもなく、わたしがリンクあとで探すのだるいから貼っておく。

hulu(大阪・沖縄公演 配信)↓

CS日テレ(5/26亀有公演 配信)↓


余談。
やたらフレンドリーな太一マダムに「どなたのファンですか?」って絡まれ話かけてもらったけど、今年は吉田マダムと一戦交えなくていいから気が楽ですわ!わっはっは!(野球現場の話です)と思ってたらさらにディープな界隈に片足突っ込んだのウケる。地方公演は行きません!たぶん!


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