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HighSchool 『Forever at Last』


地獄の高校生活は卒業式を欠席して終了した。後日届けられた卒業証書は実家の引き出しにしまったまま。地元を離れたい以外に上京した理由は特に無かった。大学では物理学を専攻しているが、将来のことは何も考えていない。

楽しそうに近所の公園で遊ぶフィリピン人の子どもたち(に素敵な未来が訪れますように)とコンビニエンスストアのゴミ箱に乱暴に捨てられたストロング飲料の空き缶。ありきたりな厭世主義の小説は捨てた。ネオリベ信奉者になった幼馴染のSNS投稿をミュート。1杯700円のドリップコーヒーとInstagramに表示される不動産投資の宣伝。溜まるLINE通知。ぼくに居場所は無い。

午前2時。煮え切らない悪魔に誘われて仕方なく孤独なダンスホールに向かう。スニーカーを履こうとする瞬間、玄関に貼ってあるJoy Divisionのポスターと目が合う。


オーストラリア・メルボルンを拠点に活動する3ピースバンドHighSchool。昨年からシングル曲を配信リリースし続けていたが、それらをコンパイルした1st EP 『Forever at Last』を2021年11月1日にリリースした。現行UKインディの最重要DIYメディアとも言えるSo Youngでも早い時期から紹介記事が公開されたりSpotifyプレイリストへのリストインもされたりし、オーストラリアの国を超えてUKから火がつきそうな予感も大。Black Marbleのヒンヤリとした温度感とCajun Dance Partyの切なき華やかさが交錯する個人的にも大注目バンドです。どのビデオも超素敵。


サポートは全てSchool In Londonの活動(ブッキング費用、遠征費用)に使用致します。