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映画『Let It Be』は『Get Back』という海鮮丼のマグロに過ぎない!!

映像メディアは怖い!!

この発言の意味は、後々分かってくる
いわゆる、「最初に伏線を貼るタイプのやつ」


今回は、5月8日にDisney+で配信となるであろう
映画『Let It Be』について

「は?Get Backと何が違うの?」とか
「Get Backより短いから見る意味なくない?」とか
「Mr.インクレディブルの娘役の声優が綾瀬はるかだったの割と誰も覚えてなくない?」とか

そういう人たち、比較的若めの人に、比較的若めの人(22)が、違いを解説しよう
(本当は解説とかやりたくないのだが)

ちなみに、三個目の疑問を持っている人も、Disney+でMr.インクレディブルは観れるので、そこで確かめれば良い


そもそもの2作の事実上の違い

まず、先に出たのは、映画『Let It Be』(1970)である

1970年といえばまさに、アルバムの『Let It Be』が出たり
ビートルズが解散したり
トミカが発売したりした年である

当時はトミーという会社から発売され
最初は6車種が発売された

まぁそれはトミカの話なんだけど

映画『Let It Be』は
アルバムが発売した16日後に公開されているいわば
リアルタイムとしてホヤホヤの「アルバム制作ドキュメンタリー」なわけだ

しかし、この作品は、50年以上、公式でソフト化されることはなく
非公式のソフト以外見る手段はなかった
しかし、今回Disney+にてリマスターされ公式として世に出されることとなった

ちなみに僕は、比較的良くない視聴方法で見たことがある。

対して映画『Get Back』
2021年にDisney+で配信された



僕の記憶が正しければ(調べろや!!)
元々最初の一報は、2019年ぐらいに日本の新聞などでも
「ビートルズの最新映画!」ということで予告されていた気がします


ほんと物持ちがいいよね
探したらまだ持ってました。
これですこれ

「やった!楽しみ!」と舞い上がったのを覚えている
(その頃は色々あって2年も待つとは…)



そう、色々あったとは、コロナウイルスである

その影響は、最新映画の公開延期までを引き起こした

しかし
不幸中の幸いというのか
むしろ、不幸を
踏み台にしたスーパー幸いというのか」

最新映画は、劇場での公開から
Disney+での配信という形に切り替えられ
その結果、時間制限のない配信形態のおかげで
7時間以上にも及ぶ大作として配信されることとなった


元々、膨大なフィルム素材のあった
1時間20分ほどの映画サイズで出されたのが『Let It Be』であり
7時間のサイズで出されたのが『Get Back』

そこには、そりゃあ、ボリュームの違いによる
「解釈の違い」のようなものが生まれてしまう


陰と陽のビートルズ

この大きな時間の差が生んだのは
50年間に及ぶ大きな世間の誤った印象
であった

まさに僕も、『Get Back』が出るまでの
この映像の頃のビートルズへの印象は
「仲が悪い」
「楽しくなさそう」
「顔が悲しそうに見える」

など
比較的悪い印象を持っていて
おそらく世間もそんな感じだったはず


しかし、『Get Back』を見て
世間の印象は大きく変わる

7時間を超える大作では
もちろん、バンド内のゴタゴタもありながら
それを乗り越え、一つの目標に向かってみんなが楽しむ姿が
全面に映し出されている

また、およそ1ヶ月間を、セッションとして曲作りや一大イベントの企画などあらゆる具体的なバンド運営を見せてくれる。
そのストーリー性も面白さの一つであった。

時に、ふざけた演奏をしたり、ふざけた会話をしたり
時に真面目に演奏したり、ぶつかりあったり
曲について相談しあったり

ビートルズが人間であった証がそこに凝縮されているのだ


しかし!

対する映画『Let It Be』は
何か全編に悲しい雰囲気を纏い(いきなり悲しめなピアノ演奏から)
たんたんと曲を演奏し
笑いもなく
ふざけるシーンもあまりなく
特にリンゴの顔がずっと悲しい

そして、今まで「ヨーコがずっといるななんだこいつは!」みたいな印象だったのが
意外と他の夫人も登場しているのだ!!

いやぁ映像メディアは怖いなぁ

もちろん非公式が故、リマスターのされていない、低画質の映像であることも
何か起因しているのかもしれない。

リマスターの予告を見たが、Get Backよりも映像が暗い気もする


映画『Let It Be』は「これから解散するバンドの生々しい姿を視聴者に提供してやろう」という感じがする
これは意図的なのか、それとも、80分ほどの映画の時間制約からなる致し方ないものなのかはわからないが

この映画ではビートルズの陰の姿ばかりがクローズアップされている。


『Let It Be』のいい見方の提案

このままでは、『Let It Be』のネガキャンしかしていないことになる!
Disney+から物言いがきてしまう!

僕が提案する映画『Let It Be』のいい見方は
実にメタであるが

『Get Back』を「今最も事実に限りなく近い映像」とした時に
この『Get Back』での映像は映画『Let It Be』を作るための撮影(もとはテレビ特番の予定であったが)として
そうして出来上がったのが、『Let It Be』として
これが50年間、ビートルズの解散間際を印象づけたという
大袈裟にいうとプロパガンダ映画というか(笑)

まさに「映像の作り方で、いろんな印象や解釈を作れてしまうよ」という
教科書代わりというか(笑)


とにかく、『Get Back』が存在する今
『Let It Be』という映画は下位互換のようになってしまうかもしれないが
音楽的な面で言えば
『Let It Be』は『Get Back』を非常にかいつまんで(順番は逆のはずだが…)
とてもいいMV集としても楽しむことはできると思う。
(実際『Get Back』は長すぎるし)


どちらにしろ、音楽を楽しむことはどちらでもできる。
しかし、
「ビートルズを知るドキュメンタリー」としては
『Let It Be』の役割はあまりなくなってしまったかもしれない


見る順番は…??

最適解は、わからんけども

もし、どれも見たことがないという人がいるとすれば(このnoteを見てる人にはあんまりいないと思いますけど)

僕は

『Get Back』(映画)ルーフトップ(屋上)コンサート前まで

アルバム『Get Back』(Let It Be デラックスエディションDisc 4に「Glyn John Mix」として収録)を2曲目から11曲目まで聴く

映画『Let It Be』を見る(ルーフトップコンサート前まででも良い)

『Get Back』(映画)のルーフトップコンサート後まで(よりルーフトップを詳しく見れる)

配信限定の『Get Back: The Rooftop Performance (Live)』を聴く(よりルーフトップを詳しく聴ける)

アルバム『Get Back』
(Let It Be デラックスエディションDisc 4に「Glyn John Mix」として収録)を1曲目と12曲目から最後まで聴く

アルバム『Let It Be』デラックスエディション Disc2,3を聴く

アルバム『Let It Be』を聴く

である。



長いわ!!!!!!



まぁ好きに見たり聴いたりしてください

あくまでも、じっくり楽しみたい人向けですから


まとめると

今回のリマスターで
もう一度見て印象はまた変わるのかもしれない
先述した低画質というなんとなくの印象操作がなくなるためである。

どちらにしろ楽しみだ。



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