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物書きにとって一番つらい「書き出し」をドライブする「記事テンプレート」をさし上げます。

書き物を生業としている人なら、一度は「書けない」と言う悩みに直面したことがあるでしょう。

文豪たちであっても、その悶絶とは無縁ではなかったようです。
「〆切本」という本には、その様子が細かく描かれています。

朝たいてい9時には机に向かう。昼食の時間を除くと、日が暮れて窓の向こうが暗くなるまで腰かけている。しかし、その間、仕事をしているのではない。大半の時間は、机には向かっているが、鉛筆をいじったり、パイプを掃除したり、同じ新聞を何度も読み返したりしているのだ。
正直な話、私は毎日、イヤイヤながら仕事をしているのである。

ー遠藤周作
昨日東京へ帰ってまいりました。新潮の策は書けませんでした。〆切が五日のところを、十五日迄伸ばしたのですが、とうてい書く気が出ず上京して断りました。大変苦しいことだったです。

ー梶井基次郎
どうしても書けない 君の多年にわたる誠意と 個人的なぼくへのべんたつやら 何やら あらゆる好意に対しては お詫びすべき辞がないけれど かんにんしてくれ給へ どうしても書けないんだ

ー吉川英治

物を書く人には、このリアルさがすさまじく共感を呼ぶのではないでしょうか。


まあ、それはそれとしてです。

「書けない」という悩みを脱するのに一番良い方法は、実は「書き出す」ことであるという話も、書き物を生業としている人にはスッと入るのではないでしょうか。


なお、一度書き出してしまえば、何とかなるのに、と言うのは事実で、脳科学の世界では「やる気はやりだすと出てくる」ということがわかっているのだそうです。

実際、脳科学者の池谷裕二氏は、「やり始めるとやる気が出る」と述べています。
その理由は「身体が脳の反応を引き出す」から。
人間は「意思が先」ではなく、「身体が先」なのです。

「眠いから寝る」という一見当たり前に思える行動も、通常はまちがった表現です。
もちろん、寝不足だったり、酒や睡眠薬を飲んだりすれば、「眠くなったから寝る」ことはありえます。 しかし、それはごく一部の状況でしょう。

毎晩どのように寝るか想像してください。たいていは「就寝時間になったから寝る」のではないでしょうか。あるいは「あら、もうこんな時間だ。明日も仕事だし」と寝ることもあるかもしれません。

いずれのケースも、眠いから寝るのでなく、むしろ眠くもないのに寝るわけです。

では、どう睡魔を呼び込むかといえば、身体を使うわけです。寝室に入って、電気を消して、布団をかぶって、横になる。すると自然に睡魔が訪れます。
身体をそれにふさわしい状況に置くから「眠くなる」わけです。

身体が先で眠気は後です。就寝の姿勢(出力=行動)を作ることで、それに見合った内面(感情や感覚)が形成されるわけです。

確かに、子供のころ、昼寝のために、眠くもないのに「布団に入って横になりなさい」と言われたことがあります。そして、嫌々でも、布団に入って横になると、自然に寝てしまっていました。

これはほかの行動も全く同様です。
「走りだせば」、走りたくなるし、
「食べ出せば」、もっと食べたくなる。
そして「書き出せば」、もっと書きたくなるわけです。

つまり、「書き始め」をドライブする仕組みがあるかどうかで、生産性はかなり変わってくるのです。


そう知ると、作家たちが書くときに、様々な儀式を導入している理由がわかります。

例えばホテルに缶詰めになる人もいたり、所定の作法、例えばコーヒーを飲んで、ペンケースを出して、用紙を出して……といった、一連の手続きをすることで「書き出し」をドライブする人もいたりするのです。


なお、弊社のwebライターの中には、「昼寝する」「外へコーヒーを飲みに行く」「逆立ちする」など、変わった人もいました。

それぞれ「書けない」を何とかしようと頑張っているんですよね。


書き始めをドライブする、文章の「テンプレート」

ただ、上で紹介した「ドライブの仕組み」は、あくまでも個人的なものです。汎用的ではなく、万人に使えるものではありません。

また小説家のように「まったくアイデアが出ない」という状態は、メディア運営に支障が生じます。


そこで我々は「文章の書き出し」をサポートするために、メディアの記事の方向性をいくつかに分類し、書き出しが楽にできるよう文章のテンプレートを作り、サポートを行っています。


究極的には、商業webメディアに向いており、かつ量産が可能な記事は、文字数にして1500文字から4500文字程度で、以下の3種類の型に集約されます。

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