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あなたの会社がオウンドメディアをやるべきでは「ない」5つの理由

何かにつけ、「やらない理由」を並べ立てるのは、とても簡単です。

時間がない
準備ができてない
やり方がわからない
人がいない
ノウハウがない
続けるのが難しそう

こうした「やらない理由」は、特に珍しくもない話で、
結局のところは
「面倒」
「やりたくない」
の言い換え
に過ぎません。


特に、web関連の領域は、未知の領域だということで「怖い」と感じ、しり込みする人が少なくありません。

知らない → 怖い → やりたくない → さらにわからない → さらに怖い → さらにやりたくない

というループです。


したがって、上のような理由を挙げる人がいたら
「やりたくないのだな」
と察します。本人からすれば、かっこ悪くてそう言えないだけです。


敢えて、「なんでですか?」とか
「やるためにどうすればいいか考えましょう」とか
それ以上突っ込まないほうが良いと考えています。

前に在籍していた会社でも、「プライドを傷つけてしまうので、そこは突っ込まない」と教わりました。

実際、突っ込んでも大して益はありません。
新しいことを無理強いしてうまくいくことは絶対にないです。

基本、新しいことは失敗が普通だからです。
失敗を乗り越えて改善を繰り返す、という行為は、自発的に「何が何でも達成する」と決めた人だけが成しえることです。


そして、そのように人間を変えるには、長い時間と、ある程度の人間関係が要求されるケースが多いです。

残念ながら、仕事や商売の文脈では、他者にそこまでする義理はない、と皆感じるのではないでしょうか。


本当にやるべきでは「ない」時がある

ただ、上の理由とは異なり、合理的に判断したうえで、「やらないほうがいい」という場合がもちろん、あります。

担当者のやる気があって、実行力もある。
目的もはっきりしている。

そんな場合でも、「状況的に、やらないほうがいい」というケースが往々にしてあるのです。

特に、私が専門領域としている、メディア運営についてはなおさらです。


では、どんな時に「メディア運営」という手段を使うべきではないのか。
それが、今回の本題です。

これからオウンドメディアに手を出すべきかどうか、悩んでいる企業の意思決定にお役立てください。


1.力のある経営層の後ろ盾が得られていない

メディア運営は、中小企業であれば社長、大企業であれば力のある役員・部長クラスの経営層が関与して初めて成功します。
これに、例外はほぼ、ありません。担当レベルの企画では必ず失敗します。


一体なぜでしょう。
おそらく、最初に思いつくのは、
「リソースの確保のため」とか
「チームの発言権」とか、
そういった、「推進力を得るため」という話ではないでしょうか。

でも、違います。
全く逆です。

「社内に邪魔されないため」に、偉い人たちの後ろ盾が必要なのです。
横やりを入れる人々を抑えるため、と言ってもよいかもしれません。


オウンドメディアは「難易度が高い」という評判が立ちがちですが、実はそんなことはありません。

「自由にやっていい」という条件下であれば、ある程度のリソースを投下すれば、ほぼ確実に成功させることができます。

ある意味、成功へのハードルは非常に低い。
個人ですら、ある程度成功できる世界ですから、企業であれば技術的な課題は、ほぼ解決することができます。


ところが、オウンドメディアは成功すれば成功するほど、そのインパクトの大きさから、「抵抗勢力」を社内に生み出しやすいのです。

感情的な反発は、技術的な課題よりもはるかに解決しづらい。
例えば、

「なんか、あの記事は俺の考え方と違う」
「客先で、記事について聞かれたけど、初めて聞いた」
「広報チェックを厳しくかけろ」
「コンプライアンス部として、出せる情報はこれだけだ」

そうした理由で、様々な人が情報発信に口を出してきます
本質的に、情報発信というのは、社内では一種の利権なのです。


その利権に群がる人々を交通整理し、メディア運営担当に「自由にやれ」とある程度の責任と裁量を与えることこそ、真のオウンドメディア運営の難しさと言えるでしょう。

したがって、経営層の後ろ盾が得られていないオウンドメディアプロジェクトは、成果が出ないことによってではなく、社内の横やりによって、容易に挫折させられてしまいます。


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インターネット上における 「生成AIの利活用」 「ライティング」 「webマーケティング」のためのノウハウを発信します。 詳細かつテクニカルな話が多いので、一般の方向けではありません。

ビジネスマガジン「Books&Apps」の創設者兼ライターの安達裕哉が、生成AIの利用、webメディア運営、マーケティング、SNS利活用の…

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