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成約に至る『ホワイトペーパー』の作り方

オウンドメディアの運営を支援していると、「ホワイトペーパーの作成」を手掛けることがあります。

一般の方はあまり聞きなれない言葉かもしれませんが、ホワイトペーパー、いわゆる「白書」は、従来、行政政府の「報告書」のことであり、政府刊行物でした。

実際、首相官邸のページにはたくさんの白書がダウンロードできるように配置されています。

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ところが、最近では「ホワイトペーパー」という言葉が、マーケティング界隈で使われているようです。

そしてこの、企業がマーケティング用語として使う場合の「ホワイトペーパー」は、いわゆる「企業が運営するwebメディアからダウンロードできる資料」のことを指すことが多いでしょう。


企業がwebメディアを運営する目的はほとんどの場合、リード、すなわち「引き合い」を獲得するためです。

そこでメディア側は、自社の商材に興味を持ってもらう資料をメディアに配置し、「メディアの読者」を「見込み顧客」に転換しようとする。

それが「ホワイトペーパー」です。


実際、弊社のオウンドメディアである、Books&Appsには以下のように、「記事の下」にホワイトペーパーのダウンロードリンクへの導線を配置しています。

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実際にダウンロードされた方々の声を聴くと、「情報収集のため」と言う方が圧倒的に多く、「動向調査」や「製品比較」という方がそれに次ぎます。


したがって、ホワイトペーパーは「製品/サービスカタログ」とは異なります
ダウンロードした方にとって、何かしらの有益な情報があった場合には見込み顧客となる可能性がありますが、そうでない場合は逆に不満を持たれてしまうことにもなりかねません。

そのため、「ホワイトペーパー」は直接商材の売り込みをするようなものではなく、どちらかと言えば商材周辺の情報提供をする資料、という認識を持たれることが多いです。


例えば、ホワイトペーパーのダウンロードプラットフォームである、「マーケメディア」というサイトがあります。

これは、自社でwebメディアを持たない企業が、自社のホワイトペーパーをアップロードして、ダウンロードを待つというサイトになっていますが、ダウンロードの人気ランキング上位は、軒並み「ノウハウ提供」の資料になっています。

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多くのホワイトペーパー自体は無料ですが、閲覧した人物の個人情報は、企業に渡ります。

したがって、「営業されるわずらわしさ」と釣り合わない内容のホワイトペーパーは、確実に不満を持たれます。

いや、そればかりか「こんな薄い内容のホワイトペーパーを作る企業は信用ならん」という逆ブランディングにもなりかねません。


ホワイトペーパーを作るのであれば、しっかりとした作りこみが必要であり、担当者が片手間で、と言うのは、危険です。


「ホワイトペーパー」は古くから使われていた手法

しかし、ホワイトペーパーの作成が「面倒」なのは事実ですが、「難しいのか」と言われれば、まったくそんなことはありません。

それどころかホワイトペーパーは非常に古くから使われていた手法であり、非常に多くの企業が使ってきていますから、作成のためのノウハウはほぼ、確立していると言ってもよいでしょう。


例えば、今から20年以上前、1999年に発売された、マーケティングのベストセラーである、「あなたの会社が90日で儲かる!」には、すでにこの手法が紹介されています。

1999年と言えば、ADSLの普及が始まり、ようやく企業が「ホームページ」を作り出したころ。
インターネットマーケティングはまだ、理解されていない時代です。


ですから、この本で紹介されている手法は一部インターネットに対する言及もありますが、「新聞広告」や「折込チラシ」、あるいは電話営業といった、大変クラシカルなものです。

そこには、こうあります。

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例えば、旅行会社が、海外旅行へ何回も行くお客をターゲットに営業するとしよう。その場合は、まず海外旅行好きのお客が、読みたくなるような、簡単なガイドブックを作成する。タイトルは、仮に、「添乗員が教えたくなかった、㊙スポット一〇一選〜ニューヨーク編」としよう。

この「ガイドブック」を無料で配布する手法こそ、まさに「ホワイトペーパー」の無料ダウンロードと同様の見込み顧客獲得の手法です。


ホワイトペーパーの作り方

こうしてみていくと、今昔、どのような内容のホワイトペーパーであろうと、
ホワイトペーパーの配布 ⇒ 見込み顧客獲得 ⇒ 営業活動 ⇒ 成約
と言う流れは変わりません。

したがって、やるべきこと、ホワイトペーパーに盛り込むべき内容も、ほとんど変わりません。

では、具体的にホワイトペーパーはどのような手順で作っていくのでしょうか。

実は、前に在籍していたコンサルティング会社では、ホワイトペーパーの作成は良く行っていましたし、その成果品と、作成プロセスは、ある程度パターン化されていました。

それが、以下のパターンです。


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インターネット上における 「生成AIの利活用」 「ライティング」 「webマーケティング」のためのノウハウを発信します。 詳細かつテクニカルな話が多いので、一般の方向けではありません。

ビジネスマガジン「Books&Apps」の創設者兼ライターの安達裕哉が、生成AIの利用、webメディア運営、マーケティング、SNS利活用の…

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