見出し画像

【今でしょ!note#163】大学進学以外の道を見つけるにはどうしたら良いのか

いかがお過ごしでしょうか。林でございます。

以前、文部科学省 国立教育政策研究所が公表している「PISA2022のポイント」を読み解き、日本では中学卒業時点の学力は世界的にもトップクラスであるにも関わらず、その後ほとんどの人が世界的には競争力の低い大学進学の道を選び、その後も生産性が低い社会にエントリしていく傾向にある、という趣旨の話をしました。

現在は、社会全体の供給制約(人手不足)も相まって、手に職ある人がより重宝され、AIを以てしても置き換えには今後も時間がかかるであろうブルーカラーの仕事の賃金がより高まりつつあるようです。

最強なのは、手に職つけた人が掛け算で自ら学習して教養を身につけ、ブルーカラー仕事の中に仕組み化による効率化や商品やサービスの付加価値向上に持っていける人。

特に最近では、平凡な大卒よりも工業高校や農業高校卒、高専卒の人が引くて数多のようですね。
確かに、私の知り合いでも高専卒の人の能力は、大卒よりも高い人ばかりという感覚があります。

じゃあ、子育て世代として、自分の子どもに手に職付けるとか、尖った能力を身につけてもらうためにはどうしたら良いのか?

先日話したように、「勉強=机上の勉強」と限定して、暗記や答えを早く求める能力をトレーニングするのは、それを代替する技術がこれからも進歩していくでしょうから、方向性として違うでしょう。

でも、自分が学生の視点で想像すると、いくら「平凡な大卒よりも中卒・高卒で手に職がある人の方が需給バランス面で今後有利である」と頭で分かっていても、自らその選択肢を選ぶのはなかなか難しそうです。

今日は、取り止めのない話となってしまいますが、子ども側の視点から何となく大学進学の道を選んでしまう理由から、どうしたら大学進学以外の選択肢がより広がっていくのか、ちょっと考えてみたいと思います。

進学校に行くと勉強してしまう

先日の記事でも少しご紹介した通り、私は小学校から社会に出るまで、塾に通うことは一度もなく公立の学校しか行ったことがありません。
別に突出して勉強ができたわけではありませんが、学校のテストの成績が順位付けされ始める中学校最初のテストで、全体で130名ほどの中学校で15位とかだったんですね。

中学校はじめての学力測定を目的としたテストで、何も勉強せずに挑んで15位くらいだったので、これは勉強をしてみたらもう少し上がるのでは?と思い、その次のテストで勉強してから挑んだら、学年1位になりました。
その時の感覚としては、「これくらい勉強すれば1位が取れるのか」という冷めた感じでしたが、その後も自分的には普通に勉強してテストを受けると1位が取れて、中学1年の間はほとんど学年1位だったんです。

その後、高校受験を意識し始めてか、他の人たちも勉強を頑張りはじめて、中学2〜3年の時には3ヶ月に1回、1位を取るか取らないか、みたいな感じになってきました。
そんなことを繰り返しているうちに、自分の勉強の捉え方がかなりゲームに近いものになってきました。「数学でさえ暗記科目」と捉えて細かいところまで覚えて、テストでそれが出たらラッキーと思って解ける感覚が純粋に楽しいと感じていました。
サッカー部のキャプテンも務めていたので、勉強オタクという感じでもなく、テスト前の部活が休みになる1週間前以外は、宿題以外の勉強は全くしませんでした。
ただ、テスト前に一気に覚えてテストの成績として数字に結果が表れる感覚が、純粋に「楽しい」と感じて、勉強をしていました。

その延長で、高校受験も地元の進学校を選び、進学していくことになります。
大学進学を目的とした高校なので、普段からテストの頻度が高いんですね。
中学校では、1.5ヶ月に1回、中間テストや期末テストというペースでしたが、高校に入ると2週間に1回くらいは大小何らかのテストがある。
そうなると、テスト前に一気に詰め込んで対処し、それをゲーム感覚でやっているとすると、目の前のテストを意識したペースになってくるので、なかなか学校以外の場所を知る機会がなくなってきます。

高校の時も、友達とサッカーしたり、ギターやベースが好きだったので、家にこもって演奏したり、友達と何かの楽曲を合わせたりしてましたが、冒頭に述べたような手に職付けるための体験みたいな営みは、全くと言ってよいほどしてきませんでした。

大学生活への憧れ

進学校で、学校の先生を含めた全ての環境が大学進学を念頭に置いたリズムで動いていますから、何も疑うことなくどこかの大学には行くんだろうと考えてました。

中学の時とは異なり、どんなに勉強しても絶対にテストで勝てない友達も周りに出てきます。

そうなると、何かの学問を真剣に学んでみたい!とか、専門性を活かして将来仕事で大きく収入を得られるようになりたい!という気持ちというよりむしろ、「これまで実家から通える範囲で勉強も割と頑張ってきたんだから、大学の4年間くらいは親元を離れて好きな地域で自由に過ごしたい」という気持ちが強くなってきました。

結果的に関西の大学に進学したのも、地元の福井県から電車で3時間程度の場所で、生の関西弁が聞ける場所で生活してみたい、というフワリとした理由です。

そして大学に進学して手にした生活は、お金こそないものの自由に溢れ、「自分が興味があるものを追求していける」という夢のようなものでした。
正直、中学や高校でたまに職業診断のようなイベントがあり、「どういう仕事に就きたいか」を考えるきっかけはあるものの、じゃあそのために今からある分野を専門的に勉強したり、手に職付けるために職人に弟子入りしようとは考えすらしませんでした。

大学よりも社会に出る方がワクワク感じる必要性

私のように、ずば抜けて学力が高いわけではないけれども、いわゆる机上での「勉強」も苦手ではない人が、地元の進学校、準進学校みたいなところに進んでしまったパターンが「平凡な大卒」になりやすいと思います。

私の場合、別にそれを後悔してはいませんが、今後は自分が社会に入っていく頃よりも、さらに「平凡な大卒」の価値は下がっていくでしょう。

とはいえ、学校での「勉強」が割と苦手でない人が、大学進学するよりも、同じ時間を使って何かの仕事に弟子入りしたり、普通科以外の高校を選択して手に職付ける選択肢を選ぶにはどうしたらよいのか、と考えると、やはり現状の学校教育だけでは構造上のハードルが高いと感じます。

そもそも学校だけでは無理で、家庭の役割がかなり重要なんだろうと思います。

「学校以外の世界を見せて、より広く社会に興味関心を持ってもらう」仕組みとしては、毎週地元企業の人を連れてきて話を聞く時間を作るとか、民間でバリバリ仕事している人と頻繁に意見交換するとか、地元企業訪問がありますが、結構力を入れないと変わらないと考えます。

学校や家庭において「大学進学するよりも、早い段階から社会と接続するワクワク感」を得られるところまで持っていかないと、頭では大学進学の重要性は高くないと理解しながら、とりあえず大学までは行っておく、という風潮は変わらないんだろうなと。

取り止めのない話でしたが、最近ぼんやり考えていることをシェアさせてもらいました!

それでは、今日もよい1日をお過ごしください。
励みになるので、ぜひスキ&フォローをお願いします!

もし面白いと感じていただけましたら、ぜひサポートをお願いします!いただいたサポートで僕も違う記事をサポートして勉強して、より面白いコンテンツを作ってまいります!