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【今でしょ!note#159】明日、地球が滅びるとも、今日私はりんごの木を植える

いかがお過ごしでしょうか。林でございます。

先日木下斉さんがご紹介されていて知った石原慎太郎さんのスピーチがなかなか痺れましたので、今日はこの言葉に沿って考えたことを残しておきます。
お時間がある方は、ぜひこちらのYoutubeを見られてみて欲しいのですが、石原慎太郎さんが環境問題に対するスタンスとして「政治家の哲学」として話された、大変教養に溢れたスピーチです。

たとえ明日世界が滅亡しようとも、今日私はりんごの木を植える

元々は、ルーマニアの作家、コンスタンチン・ゲオルグが書いた小説の巻末で、マルチン・ルターの言葉として引用されたもののようです。

この言葉、大変ポジティブな言葉だと思います。そして、いくつか解釈することができるのかなと。
日々の自分の生き方を問うために、ちょっと考えてみたことを整理したいと思います。

短期間で成果が見えないことの方が価値がある

まずは、「明日世界が滅びるとしても、今自分が食べたいものをたらふく食べようとか、残りの自分の時間の中でやり残したことに時間を使うのではなく、将来のためにやれることをやろう」という考え方ですね。

私たちは、短期的にメリットを享受できるもの、満足感が得られるもの、直接的に自分自身のメリットと感じられる行動をつい選択しがちです。
そして、すぐに成果と見えるものは素晴らしいと賞賛されることが多く、中長期的にジワジワと成果になるもの、もしかすると成果とすら自覚できないものは、あまりスポットライトを浴びることがありません。

しかし「どうせ自分一人が頑張っても何も変わらないから」と諦めて物事に取りかかるのか、はじめから「真に価値があるものは50年、100年単位で時間がかかり、自分はその全体の中でバトンを受け取り、次に渡していく役目」と捉えて物事に取り掛かるのかで、様々な行動への取り組み方や決定がガラリと変わります。

私のように民間企業に勤めている立場で言えば、事業を継続させていくために短期的に利益を確保しながら次の取り組みに投資する原資を獲得していくことももちろん重要なのですが、そこが目的化してしまうと、取り組みのスケールがどうしても小さくなってしまいます。

あくまで事業を継続するための短期的な利益は確保しながら、いかに次を生きる世代、今現時点でまだ生まれていない人を含めて、より豊かな、生きやすい未来に貢献できる事業を作れるか。ここに拘れる事業のほうがトータルでの価値が大きいですし、それに取り組む方がやりがいも大きいはずです。
私は、そもそも自分がその事業を担当する期間だけで中長期的な成果を出すのは無理で、誰かからバトンを受け取り、それを次に繋いでいくという生き方をしていくにあたって重要な視点は次の3つだと考えます。

短期間で作り上げ、成果が出るものは、すぐに真似される

まずは、たった2年や3年で結果が出る話は、同じ時間軸か、もっと短い時間軸ですぐに真似されたり、続けられなくなって終わってしまうということです。
本来、2〜3年程度で全ての課題が解決!というような話はなく、仮に短期間で成果が出て素晴らしい!みたいな話があれば、逆に疑ってかかるくらいのスタンスがちょうど良いと考えています。

それよりも本質的なものは、10年、20年と何事もないように続いているものです。私の仕事に関連するところで言えば、日々の人々の生活を支える情報システムを安定して動かし続けることは、あまり脚光を浴びることがない成果です。
しかし、みんながその存在を意識することなく、でも日々の生活に溶け込んで気付かずに利用しているサービスというのが、実際には真に価値があるものです。
キラキラした成果や格好いい言葉に騙されてしまいがちですが、真に価値があるものは常に表立って見えることは少ないということを理解しておくと良いですね。

立場やポジションに本質的な意味はない

未来に誇れる事業に取り組む際に、自分が「行政関係者だから」「民間企業勤めだから」「学校関係者だから」というのは、ほとんど意味を持っていません。
「自分は発注者だから」「自分は受注者だから」というのも、そのプロジェクトにおける一時的な立場を表しているだけで、ここに拘るのもナンセンスでしょう。

「行政担当者だからここまでしかできない」というのは言い訳にすぎず、将来に誇れる何かをやるときには、「行政関係者だからできること」「民間関係者だからできること」にフォーカスして、全体の中で自分がどの役割を担っているか、のメタ認知が重要です。

「上の人間がこう言っているから」というのも、現場の言い訳に使われることも多いと感じていて、上の人間が言っている「文字面通りに」現場が動いているのであれば、それは統制が効いた強い組織に思えますが、実は脆弱といえます。
上の人間の意図や組織の目的を解釈して、自分の頭で考えて決定できる現場が強い現場です。
「時の権力者」の発言やこだわりに、日々の自分の行動が決定されてしまうのは、何も考えなくて良いので楽な選択肢ではありますが、とても自分の子どもに胸を張れる行動ではないでしょう。

仕事上の一時的な立場やポジションに囚われて行動をコロコロ変えていても、まぁつまんないですよね。

短期成果と中長期成果を常に繋げて考える

これは特にマネジメントに必要な行動だと思いますが、常に自分たちの事業の中長期的な意義を示して、短期の取り組みがどのように繋がっていくのか、を分かりやすく、定期的に示し続けることが重要です。

特に中長期的な成果は誰にとっても見えにくく、日々の忙しさの中で忘れてしまいがちですから、何度も折りに触れては、今の自分たちの取り組みが、より長い時間軸の中での大きな目的やゴールに近づくアプローチであるかを検証し、必要に応じて軌道修正していくことが大切です。

組織力の強化や人財育成はその際たるもので、将来的に自分たちがこういう状態になるために、このような能力やケイパビリティを蓄積しておく必要がある、そのために今どういう人材を育てプールできるか、という視点が必要でしょう。
私も昨年、今のプロジェクトの立ち上げ時に、自分なりに考えた中長期での事業の意義をプロジェクトメンバー全体に示しましたが、1年近く経ってしまったので、再度示してみようと思います。

どんなに世の中が激変しても毎日自分がやるべきことは変わらない

もう一つ、リンゴの木の話から与えられる示唆です。
社会の変化が加速度的に激しさを増しているのは、あらゆるところで言われています。
この変化にどう対応していくか、はよく語られるところですが、将来のために本質的に必要なことは変わらない。
問われているのは、たとえ明日で世界が終わっても、未来のために必要と考えることに日々取り組んでいるか、です。

日々、未来のために必要と考えることに向き合っていれば、どんなに社会が変動してもやることは変わらないでしょう。

家族と過ごす時間、仕事を通じた将来世代への貢献、自分自身への時間・金銭面での投資に対して、いま100%の力を注げているか。

このように考えながら毎日を過ごしていけると、とても実りの多い、濃度の濃い充実した人生を歩んでいけそうですね。
今日も張り切っていきましょう。

それでは、今日もよい1日をお過ごしください。
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