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【アート・建築】国立西洋美術館の建築ツアーに行ってみた

 こんにちは。みなさんは上野にある美術館、国立西洋美術館はご存じでしょうか?
 
 この美術館は1959年に開館した、日本で唯一の西洋美術全般を対象とする国立美術館といわれています。実業家の松方幸次郎がヨーロッパで収集した印象派などの19世紀から20世紀前半の絵画・彫刻を中心とする松方コレクションを展示する為に造られた美術館です。松方幸次郎は日本の若き芸術文化の担い手達に本物を観て学んでもらいたいという気持ちから、作品の収集していた、との事。素敵な話だと思い、私も大変好きな美術館の一つです。

 この美術館の本館は、フランスで活躍した著名な建築家、ル・コルビュジエが設計、弟子の前川國男・坂倉準三・吉阪隆正が完成させた。コルビュジエが設計した建築物として日本では唯一この建築物のみとなり、世界文化遺産に登録されている。ちなみに、コルビュジエの建築作品は7カ国、17の資産、3大陸に渡り世界遺産に登録されています。

 そんな魅力的な建築物として、国立西洋美術館を巡るツアーがあるという事、気持ちの良く晴れ渡った秋空の中、訪れてみました。このツアーはボランティアさんが約1時間をかけ、外観から館内を一巡し、建物の設計という観点からその魅力を軽快なトークで教えてくださる内容で、気軽に参加ができますが、事前にホームぺージより予約をする必要があります。(※2023年10月現在)

 絵画などの美術作品を鑑賞する事なく、建築物を中心に観て回るのは新鮮な感覚で、普段だと気が付かない点も沢山ありました。例えば美術館自体を支える柱は鉄筋コンクリート製で、床板と合わせ建物の荷重を支えるメゾン・ドミノという構造で作られているそうです。国立西洋美術館の本館は7本×7本の柱を使った正方形で建てれれているとの事。自由な間取りや間仕切りできる設計で成り立っているこの方式が、美術館の独特な展示室、柱が丸出しになっていたり、左右の展示スペースの高さが異なっていたり等の独自性を支えていたのか、と理解できました。

19世紀ホールを見上げると、三角形のトップライト
自然光を利用した美術館はなかなか珍しい
常設展入り口、19世紀ホール

 他にも、無限成長美術館構想、コレクションの増加に伴い展示室などスペースを拡張できる設計になっている事や、モデュロールという人間の身体に沿った建築を目指すために考案された黄金比1.618:1を利用し設計している事など、美しい建物が如何に設計されのか、という理由を垣間見ることが出来ました。

 また、この建築には日本初の免震レトロフィットが適応されているようで、このような特殊な構造についても教えていただきました。

免震レトロフィットについての解説パネル
地下からガラス越しに実際に見ることができます。

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