コーヒーを好きになったのはいつからだろう？

幼い頃に初めて飲んだ缶コーヒー。

インスタントコーヒーを作るようになって、叔父さんに教えてもらってドリップコーヒーも入れるようになった。

高校生の頃に初めて行ったスターバックス。当時は憧れの存在だった気がする。カプチーノの一点張り。

今ではよく聞くようになったスペシャルティコーヒーと出会ったのは大学を卒業した頃。

山口県の宇部市に住んでいた時かな。

宇部新川駅の周辺には居酒屋の数も多く、飲みに出るのが本当に楽しい場所だった。新しい店ができれはこぞって皆で行っていたように思える。

そんな街にカフェができた。

いつも通っている道沿いに、白くて素敵なお店ができた。　

CAFE126

最初は何だか入りづらくて何度も素通りしたのを覚えてる。

緊張しながら入ってみると、優しい目をしたお兄さんが静かにメニューを差し出してくれた。聴き慣れないけど、居心地の良い音楽の流れるその空間で、落ち着いたトーンでコーヒーの話をしてくれた。

それが僕がスペシャルティコーヒーと出会った瞬間。コーヒーの概念が変わり、本当に好きになるきっかけになった。

それから夢中になって色んな場所でコーヒーを飲んだり、豆を買って、器具を揃えて、セミナーにも通い、自分でも美味しいコーヒーを入れれるようになりたいと思った。

旅をする時、厳密にスケジュールを決めたりはできるだけしないようにしてるけれど、各地のロースターやカフェは必ず調べて行くようになった。

コーヒーの生産や流通も知るようになり、農園も訪れた。

毎日の生活も変わった。朝起きて豆を挽いて、コーヒーを淹れるところから1日が始まり、その日の活力になる。

いつの間にか無くてはならない存在になった。

東京に引っ越してきて、新宿を拠点に動くことになった。都内のロースターやカフェは、そこそこ周ってみてはいたけれど、見慣れないお店に出会うことになる。

VERVE COFFEE ROASTERS

新宿NEWoManにオープンしたサンタクルーズ発のコーヒーショップ。

人の流れも慌ただしい新宿駅の通りに面した店舗。

僕は毎日のように前を通っていたので、自然と立ち寄るようになった。

かなり多くの人が行き交う中、清々しい挨拶をしてくれる店員さん達。

忙しい中でもホスピタリティを欠くことなく熱心にコーヒーを提供してくれる。

仕事の前、ちょっと早く出て一杯飲んで行こう。早起きも楽しくなった。

深夜に及ぶ仕事の時も、もう一息と背中を押してくれる。

コーヒーの力は偉大だ。改めて思う。

そんな、VERVE COFFEE ROASTERSに新しい店舗ができた。

みんなの大好きな海の街。鎌倉に。

新宿よりも大きな空間に、光の差し込む大きな窓。

そこには、いつもと変わらない笑顔があった。

人生の大切なターニングポイントにはいつも一杯のコーヒーがある。

あの日、宇部で出会った一杯のコーヒー。

そこでとある写真屋さんに出会い、写真を撮ることに夢中になっていく。

人生を記録するようになる。

この話はまたいつか。