見出し画像

フェルメール THE GREATEST EXHIBITION アート・オン・スクリーン

先日、2月2日から公開されている映画
「フェルメール THE GREATEST EXHIBITION
アート・オン・スクリーン」を観に行きました。

チラシ 表
チラシ 裏


昨年、オランダ・アムステルダム国立美術館で
史上最大のフェルメール展が開催されました。
見に行かれた方は羨ましいかぎりですが、
その時の展示作品を映画館の大画面で
見ることができました。

これまで、国内の美術展で、20代の頃に
海外の美術館で、フェルメールの絵を何点か
見てきましたが、なんとなく雰囲気が好きという
ぐらいで何が良いのかよくわかっていませんでした。
それがここ最近、フェルメールの絵がとても
気になっていて、そのタイミングで
このドキュメンタリー映画のことを知り
前売券を購入して、とても楽しみな気持ちで
観に行きました。
(その割に、ランチでお腹いっぱいになって
しまったせいで、少しだけうとうとして
しまいましたが・・・。)

映画を観た後に、だいぶ以前に購入していた
こちらの本を再び手に取り、読み返しました。
「フェルメール全点踏破の旅」(朽木ゆり子著)
では、フェルメール作品が全点掲載されています。

映画では、作品が映し出されるだけでなく
美術館長や学芸員からの解説も聞くことが
できました。物覚えが悪く、内容はおぼろげにしか
覚えていませんが、この本を再読することで
復習になりました。
本に書かれていたり、山田五郎さんのYouTubeで
話されていたことと重なる内容があったり
初めて聞くこともありました。

フェルメールは43年間の人生で、三十数枚の絵を
残していますが、私が一番好きな絵は
「天秤を持つ女」で、女性がまるで審判かのようで
神々しい印象です。光の表現も効果的。
私が持っているポストカードです。

天秤を持つ女

他にも「レースを編む女」「窓辺で手紙を読む女」
「デルフト眺望」「小路」などが好きです。
はっきりしない輪郭が、何気ない日常の現実に
夢のような曖昧さを与えていたり、窓から差す
柔らかな光が絵に神聖さを与えていたり、
人物が謎めいていたり、微妙な表情などに
とても引きつけられます。
「真珠の耳飾りの少女」や「牛乳を注ぐ女」などの、
青と黄色の補色効果が効いている絵もいいです。
日常の中の静止した一場面、どのようなストーリーが
前後にあるのだろう、思いを馳せてしまいます。

また、いくつかの作品に共通しているモチーフも
気になります。
黒い斑点のある毛皮のような縁取り付きの
黄色の衣装、手紙、楽器、チェッカーボード模様
の床など。
また眉毛のない顔も不思議です。
解説はさまざまにされていますが。

手紙を書く女


手紙を書く女と召使  

フェルメールの時代の17世紀のオランダは、
黄金時代とされ、遠く離れた日本とも貿易を
するなど、航海も行われ経済的にも豊かな国でした。
絵のモデルの衣装にもその豊かさが表れていたり、
青いターバンは異国の影響を受けているのではとか、
手紙は遠く離れた誰かとのやり取りなのでは
とか、時代の影響が表れていると思います。

しかし17世紀後半になると、英蘭戦争が始まり
オランダの経済も低迷し、フェルメールの死後、
残された家族は困難な生活を送ることになります。
また。18世紀に起きた産業革命で、世界の強国の
座がイギリスに移り変わります。
栄枯衰退、社会や物事はとどまることなく
変化していき、今もなお変化し続けている
ことをしみじみ思います。

もし今後フェルメールの絵を見る機会があれば
黄金時代だったオランダの光とその儚さを
フェルメールとその時代の画家の絵の中に
見出すことも意識するだろうなあと思います。

映画の感想以外の内容も含む記事となりました。











#映画感想文

この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?