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フィンランド最大の家具見本市、Habitare 2023

Habitare(ハビターレ)はフィンランドで開催される、国内最大規模のインテリア・家具の見本市です。フィンランドのブランドが主ですが、他国のブランドも出展しています。2023年度のテーマはTogether。9/13-9/17まで開催され、41,560人が訪れたそうです。同時期に開催されているヘルシンキデザインウィーク(2023年度の記事はこちら)が「市民を巻き込んでデザインを考える場」であるのに対して、ハビターレの方がショーケース的要素が強いです。ただ、会場で直接購入できるものも多くて、業界関係者も一般の人もじっくり見て回っていました。
結構な数があったので、ほんの一部ですが面白かったものをまとめています。

NIKARI 日本の和室をモチーフにしたようなスタイリング

NIKARIはカリ・ヴィルタネンが創始した50年以上の歴史をもつ木工家具ブランドで、フィンランドのフィスカルス村を拠点としています。ミニマルな清潔感と温かみのある美しい木工家具を生産しています。近年ではフィスカルスのニカリ本社では水力発電所の電気のみを使用したり、木材も殆どがフィスカルスの製材所から仕入れるなど、生産プロセスにもこだわっています。

woodio


woodioはバスタブ、トイレ、洗面台などを扱っています。Woodio®と呼ばれる独自のシグネチャー素材を開発していて、これは水回りに用いられているセラミックや石材を持続的な素材に置き換える、と言う目標で設計された世界初の100%防水無垢材複合材料です。製品は全てフィンランドの自社工場で生産されています。


verso design 親子でデザインを手がけているそうです。フィンランドのこういう白樺のバスケット、とても綺麗だしよくできていますよね

verso designは、 白樺で作られたバスケットやバーチ材を使った鍋敷きなど、フィンランドの自然を感じさせるアイテムを展開しています。製品は全て、環境に配慮し、リサイクルしやすい天然素材で作られています。

hakola 大胆なカラーとパターンが特徴的。フィンランド人の友人は、「hakola、可愛いけどフィンランドらしくないよねえ」と言ってました。


ANNALA アーティストのローラ・アナラによるインスタレーション インパクトのある独創的な色使い、パターンの組み合わせ。ANNALAはホテルや劇場などに向けた耐火性の高いファブリックも展開しています。


FINARTE


FINARTE 当社は 1985 年に設立された家族経営のカーペットメーカー。フィンランドのデザイン、リサイクルされた持続可能な素材、インドの職人技を組み合わせたホームテキスタイルをデザイン・製造しています。FINARTEのカーペットは、インドで約 30 年前から作られているそうで、地元の職人と長い繋がりを築いています。

インテリアマガジン大手のasunのブースではLAPUAN KANKURIT、NIKARI、WOODENOTESなど、フィンランドの家具、テキスタイルブランドによるスタイリングを展示


ミニマルなんですけど、すっきりと清潔というよりは、少し荒っぽさ、プリミティブな雰囲気があるのが印象的です

HABITARE CHOICEでは、特にサステナビリティに対して際立った取り組みをしているライフスタイルブランドやメーカーを紹介していました。インテリアスタイリストのSusanna Ventoがキュレーションしています。

SEESはオーガニックのファブリックミストや洗剤などを展開。最近ではFINNAIRと「旅の記憶に残る香り」というコラボレーションも行っていて、注目度の高いブランドです。


FRÖは地元の植物にこだわった花屋。多くの人がここで購入した花束を抱えて会場を後にしていたのが良かった。フィンランドの人は花が好きです

HABITAREの本会場横では、ヴィンテージフェアも開催されていて、素敵なヴィンテージ家具、小物が購入できます。こちらもかなり賑わっていました。

ヴィンテージアイテムを扱うさまざまなお店が出展。フィンランドはセカンドハンドのお店が本当に多いです

国外のブランドも出展していましたが、基本的にはフィンランドのブランドが中心だった印象です。北欧は国を挙げてサステナビリティに取り組んでいることもあり、どのブランドもサステナビリティへの取り組みは当たり前。その流れもあってか、国産の材料や製造工程にこだわっているブランドが多く、Made in Finlandのメッセージが特に目立っているように感じました。デザインウィークでも感じましたが、マテリアルに対する意識はすごく高い、という印象を受けました。マテリアル開発もAalto大学で盛んに行われているようなので、そちらもまた注目したいです。

思った以上に見応えがあって途中で疲れてしまい、、二日位かけてゆっくり見て回るのが良さそうです。2024年は9/11-15にかけて開催されるようなので、来年も楽しみです。


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