【エッセイ】『お寿司』という概念の再定義について。
事件だ。事件が起こった。
僕は寿司屋に行ったのか、美術館に行ったのか、Apple Storeの新店舗に行ったのかまだ整理がついていない。
ありのままに起こったことを話すぜ。
僕はいままでInstagramで「えち」を使い続けてきたわけだけど、今『えち』を再定義する必要に迫られている。
もうね、Aburi Sushi Toraに行ってきたんだけど、お店に入る前から既に写真がすべてが美しすぎて数回お辞儀した。
出来ることなら鐘を鳴らして、お賽銭いれて二拝二拍手一拝したかった。
何がすごいかって回転寿司なのに寿司が回転してない。
ベルトコンベアはあるんだよ。
あくまで注文した商品を運ぶためにあるか「移動寿司」なのね。わかる？
その発想はね、なかった。
俺たちは今まで回転寿司と言えば、バカの一つ覚えに寿司を皿に乗っけて回していた。でもそうじゃない。
そんなことしてたら寿司の品質は落ちていく。
そう、寿司という生き物はｔ（時間）を横軸とした劣化が激しい残酷な減少関数なんだ。
短命な寿司にとっては、空気に触れる時間は極力減らしていきたい。
だからこそ、このオペレーション。
寿司ファーストのおもてなし。
無理して寿司を回さなくていい時代がそこまで来てる。
なあ、そうだろ？
待って、まだ注文してなかった。
もうね、初手って大事よ。
ときめきを大事にしたいからな。
はじめてを大事にしたい。
「さあ、思い出つくろっか」言うて注文するときにipad使うんだけど、もうね、デザインが美しいの。
写真を見てるだけで幸せな気持ちになれるの。
もうメニューが美しいって何なんだよ。
は？？？？美術館か？美術館なのか？ここは。お寿司の幸せ展かよ。
そしてびっくりしたのが、お茶は手動なんだよね。
わかる？粋だなあって。
そこは手動なんだ？みたいな。わかるよ。
なんでもかんでも自動化すればいいってもんじゃない。
世の中には『不便益』っつー言葉がある。
不便でよかったことって世の中に溢れている。
富士山にエレベーターついてたらどう？違うよな。一緒。
お茶入れるのを手動にするって、いいよいいよ、侘び寂び捉えてんね。
天国の千利休も涙を流してると思うし、観阿弥世阿弥もスタンディングオベーションしてる。
こういう不便さをね、大事にしていきたいものです。
だが、ハンコ、お前は違うぞ？
ほんで、店員さんのホスピタリティがえげつないの。
失礼、staffのhospitalityがawesomeで、satisfiedだよ。
ねえ、Appleですか？ここはAppleの二子玉店なんですか？
Appleが新しくSushi as a Service始めたんですか？
さっきのipadは実は商品だったんですか？
食べてたら普通に話しかけてくれるんだけど
「これがアクセントになります。」つって。
えー！アクセント！？（千鳥ノブ）
春物の新作の説明？？え、ファッション以外でも使うんだ。
え、待って、ここはどこ？服屋？
あ、さてはZOZOか？？？
買収される間際に事業展開したZOZOの仕業か？？？
ファッショナブルなお寿司なので、逆にこの寿司を"食事"と位置付けることが既に間違ってるのかもしれない。
寿司はもっとこう上位の概念の世界で生きててもいい。
食欲を満たしにきてるんじゃない、性欲を満たしにきてるんだ。
もうね、食事中、何回「えっちじゃん。」っつったんだろう。
shinoD的食べログがあったらスコアリングで評価しないかんね。
【えっち/えちえち/えち/えちじゃない】で評価していくかんね。
これはね、聞きます？
これはね、「ドエロ」です。
炙り大トロが来たとき写真をいろんな方向から写真撮っちゃったんだけど、炙り大トロが裸婦に見えてきたし、えっちな身体してんねっつって、食べちゃったよね。
ネタをめくったら、「わさびは見ないで」って怒られちゃいましたもんね。
その言葉を聞いた僕の二子玉川が、ってやかましいですね、ほんとにすみません。
炙り大トロとか炙り中トロとかちょっと前半飛ばしすぎたせいもあって、鉄火巻きをチェイサー代わりに挟んだんだけど、もうね、こんなお洒落な鉄火巻きある？色つくんだ、みたいな。
初期装備からグレードがあがってもうてるわけよ。日サロ行ってきたの？みたいな。
しかも、何なんだこの草は。芸が細けえ。 「そんなに頑張らなくていいんだよ」って自然とkiroroの歌詞紡げそうだった。
美味しすぎて何回か店員さんに会釈しちゃったし、「シェフ呼んでもらえる？」って言いたかったし、スタッフが全員キラキラして働いてた。
あー、Appleだ。この感じ、Appleの銀座店以来だ、この対応。
これはね、海外進出見えた。
お～～い、経営陣～～？？ このお店はもっと拡大すべきである。
キリスト教・仏教・イスラム教のラインに並べる。
もっとメニューをモダニズムテイストでお洒落をコンセプトに打ち出していただきたい。
この店なら「寿司」の概念をぶっ壊せる。
伸び代しかない。
業務課題炙り出していこ。寿司だけに。
競争を超えた共創と、その先で待ってる狂騒へ。
是非、Aburi Sushi Tora ご賞味あれ。
アラサー、悪くねえな。