夫の優しさを最も感じた日
同じ棟に住んでいる創価学会信者のM田という女が、参院選のF票と言いがかりで罰金を取るのが目当てで、近づいてきた。
私は、夫にも創価学会の魔の手が伸びるのではないかと怖れ、とても不安定になってしまった。
夕食のあと、心配そうな顔で「どうした? 檸檬ちゃん、何か考えてる? 何か心配?」と聞かれた。
「M田さんにY男くんのこと、旦那さんて言われたよ。」と答えると、夫は驚いていた。
私は、夫が創価学会に狙われて折伏(しゃくぶく)の対象にされたり、私に代わって罰金を払わされたりすることを怖れているのを、上手く伝えられなかった。
一緒に布団に入ってからも、私の不安が夫に伝わったようで、そっと手を握ってくれた。
その手の温かさと握り方の優しさで、夫の深い愛情が伝わってきた。
涙がこぼれそうだった。
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