もうすぐぼくは、しょうがくせい。
ようちえんにはもういかなくて、しょうがっこうというところにいく。
そこがどういうところなのか、わからないけれど、パパもママも、じいじもばあばもうれしそうにしているから、きっといいところなんだ。
ぼくはしょうがっこうにいくのが、たのしみ。
どんなところなんだろう、はやくいきたいなあ。

春休みは宿題もないし、あったかくなって外でたくさん遊べるし、さいこう！
でももうすぐ新学期。クラス、どうなるかな。
仲良しのあの子とは同じクラスになれるかな。
いじわるなあの子とは別々になりますように。
担任の先生はだれだろう？
怖い先生だったらいやだなあ、やさしい先生がいいな。

部活、先輩がいなくなってのびのび練習できて楽しい。
4月から後輩が入ってきて、今度はオレが先輩だ。どんなやつが入ってくるか楽しみだなあ。
馬鹿にされないようにしないと。慕われるような先輩になりたいな。
かわいい後輩に「あの先輩かっこいい！」なんて騒がれてみたい。

4月から新学期がスタートか。
大好きな彼は理系クラス、あたしは文系クラス。
離れ離れか、ああ、つまんない。体育祭も文化祭も、イベントは全部別々。
あたしも理系にすればよかったな。でも数学きらいだし無理か。
やだなあ、新学期なんてこなければいいのに。

うわあ、テンション上がる！
憧れの一人暮らしだ。遅くまでゲームしていても親にごちゃごちゃ言われない。
そして大学生！
コンパ、サークル、ゼミ、恋、目白押し。
社会人になる前に目いっぱい楽しんでやる！しんどい受験を頑張ってよかった！

とうとう明日は入社式。それを考えただけで心臓が飛び出そうになる。
最初が肝心だよね。第一印象よくしないと。
スーツはこれで本当に大丈夫だったかな、持ち物はこれでいいよね、メイクはどうしよう、うまくやっていけるかな、かっこいい先輩いるかな、あああああ、緊張してきた。
でもわたしだけじゃない。全国の新社会人がわたしと同じように、緊張したり、期待にワクワクしたりしているはず。
よし、少しだけ落ち着いてきた。

4月からついに我が息子が小学生か。
成長はうれしいものの、心配でしょうがない。
うまくやっていけるか、勉強についていけるか、友達はできるか、いじめられたりはしないか。
自分のこと以上に不安だ。あー胃がキリキリする。

春がこようが、桜が咲こうが、私の生活は何の出来事もなく過ぎていく。
人生の大きなイベントは全て終えてしまって、私自身が経験することはもうない。
若い人がそれを経験するのを眺めて懐かしがり、脳内で追体験するだけだ。
今までいろいろなことがあった。うまくいくこともあればいかないこともあり、落ち込んだり復活したりを何度も繰り返してここまでやってきた。
栄枯盛衰。枯れたり茂ったり、栄えたり衰えたり、そうやって生命は今日まで続いてきた。
みんなもどうか、何かあっても復活してほしい。
若い人を見て切にそう願う。

おしまい