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【七十二候】季節と言葉たち〜鶏始乳

かつて暦として使われていた、一年を5日ごと72に分ける七十二候。
その名称は、気候の変化や動植物の様子が短い文で表されています。
美しい言葉なので、それをテーマに、作家の方の名文や、創作したエッセイを綴ります。


七十二候(1/30~2/3頃)

鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)

春の気配を感じた鶏が卵を産み始める頃。

テーマ「鶏始乳」
(創作エッセイ)

鶏って、季節によって卵を産んだり産まなかったりするのですね。
そして、夜が明ける時に鳴きますから。
いかにも、これから新しい一年が始まるよ的な空気が伝わります。
そんな七十二候のラストにふさわしい表現です。

そうなんです。
この「鶏始乳」が、七十二候のラストとなります。
2月4日からは新しいサイクルが始まるのです。
どうせなら新しいサイクルから始めたらよかったのに、72種あるうちの、ラスト3から始める私が好き(謎の自画自賛)

もともと自己肯定感が低いので、それを改善するために、全てを褒める癖がつきました(笑)

ラストの七十二候が、
「これから夜明けを告げる鶏が、そろそろとやにつくよー」
と。なんて美しいのでしょう。
ところで「とや」とは?となりまして(笑)「とやにつく」を調べてみました。
漢字にすると、「鳥屋に就く」
なるほど。
もうわかっちゃいますね。
日本語はこういうところがいとおかし、ですよね。
ひらがなでは意味わからないけど,漢字で書いた途端に、みなまで言うな、了解!ってなるところ。

辞書で調べたら、「遊女が梅毒で引きこもる、または毛が抜けて薄くなる」と、こともなげに書いてあり,ちょっと涙目になりました。
前世で遊女絡みの何かがあったのかってくらい、遊女のお話を見聞きすると、心臓がギュっとなり、涙が浮かぶのです。

こちらの表現はシンプルに、夜明けを告げる鶏です。

ああ、もうすぐ夜明けだ!
新しい一日が始まる。
新しい一年が始まる。

やっと、春だね!
と気持ちがウキウキしますが、札幌はこれからが冬本番。

雪まつりには、たくさんの観光客の方が来るから、ちょっと嫌なんだよな、なんて思ってしまう季節です。
(ありがたいけど、地元民にとっては、色々あるのよね)

七十二候の説明

「二十四節気」は、立春や夏至などを含む、半月(15日)毎の季節の変化を示すもの。
古代中国で暦として発達してきました。
これをさらに約5日おきに分けて、気象の動きや動植物の変化を知らせるのが七十二候(しちじゅうにこう)です。
こちらも古代中国で作られましたが、二十四節気が古代のものがそのまま使われているのに対し、七十二候は日本での気候風土に合うように改定されました。
その名称は、気候の変化や動植物の様子が短い文で表されているのが特徴的です。

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