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天界の生物たち~小悪魔~

自己紹介

あたし、小悪魔ナンバー21。通称小悪魔ちゃんまたはにじゅーいち。小悪魔。悪戯するのが仕事。

小悪魔ナンバーろく

「にじゅーいち?」
「ろ、ろく?」
あたしはろくのことをあまりよく思っていない。五月蠅いし、威張ってるし、そのくせに神様に気に入られていて。アイドルのLima(天界のイケてる男子ナンバー1)にぶりっ子して、気に入られてて。
「今から人間界に悪戯するために行くんだけど。」
とろく。あたしは気分が余り乗らなかったから断った。
「ごめん。今そんな気分じゃない。」
ろくと一緒に居たくなかった。Limaのこと、あたしだって好きだもん。
「そっか。またその気になったら誘ってね。」
「嫌、あたし1人で仕事するのが好きだから。」
これは嘘じゃない。
「よかったー。私が嫌いってわけじゃなくて。嫌われてるのかと思った。」嫌いだったりするけどね。
「ねえ、「行ってくる!」
私が言い終わる前に行ってしまった。そういうところが嫌われるんだけど、本人が気づいてないんだ。

仕事

仕事場(偽物人間界)にあたしは行った。今日は、Åさんに悪戯しーよぉ!
「Åさーん!」
あたしがÅさんのところに行くと、Åさんは椅子に座っていた。
「何だい?・・・・・・うぉぉ!」
Åさんはあたしの練習相手。偽物人間界だから、死んでも生き返るんだよ。だから、過ぎた悪戯をしてもなんとかなる。あたし、最近Åさんに悪戯するのが楽しいんだ。ÅさんはAIだから、あんまり感情を持たないし、いくら困らせてもいいし。
「小悪魔ちゃん。いくら何でも椅子に接着剤を付けるのは・・・・・・。」
と、困った顔で言った。
「接着剤?」
あたしはとぼけた。
「あれ?小悪魔ちゃんじゃないの?」
Åさんは不安そうに言った。よし!これで成功!悪戯する相手を困らせたり、不安にしたりしたら成功なんだ。
「あたしでしたー。」
「小悪魔ちゃん!嘘はよくないって!」
「はあ。じゃあÅさんは嘘ついたことないんですか?」
あたしがそういったら、Åさんは言葉に詰まった。
「ないとは言い切れないけど・・・・・・。でも、「でも?事実があればい   
 いんですよ。」
「そういうところ、小悪魔ちゃんの悪い所だよ。まあ、そういう所も好きだ
 けどね。」
Åさんは軽々しく好きだという。あたしの苦手なところだ。正反対でもある。でもその好きは、友達としてという意味である。・・・・・・。悲しいとは言わないけど、まあ気にしてない。別に?Åさんのこと好きってわけじゃないし?まあ、少しなら・・・・・・ごにょごにょ。
「それより小悪魔ちゃん、さっき小悪魔ちゃんの友達のろく、だっけ?ろくって人が来たんだけどさあ。小悪魔ちゃんの知り合い?何か悪戯されたんだけど。」
っ‼ろくの悪戯は初めに見た人に恋するっていう惚れ薬?の効果があるんだ。
「Åさん、ろくのことを好きなの?」
「何で?僕が好きなのは・・・・・・。」
とÅさんは首をかしげて言う。
「僕が好きなのは小悪魔ちゃんだよ。」
・・・・・・え?予想していた答えと違って、あたしは固まった。ÅさんはAIだから、感情は持たないって神様に聞いていたのに。
「嘘だよね?そうやってからかってるんでしょ!どうせいつもの仕返しなんでしょ!」
あたしはそう言った後に、頬に水が当たったことに気付いた。手で水を拭き、
「Åさんなんて嫌い!何があっても来ないんだから!」
「こ、小悪魔ちゃん、待って!」
待ってと言われて止まる馬鹿がいるか。・・・・・・これでいいのかな。
「小悪魔ちゃん!待ってよ!」
あたしは、
「もううんざり!放っといてよ!」
といって天界に帰った。

天界

ああ、やってしまった。嫌いっていちゃった。Åさんのこと、嫌いじゃないのに。どうしよう。・・・・・・そうだ!
「キューピッドナンバー121ー。」
あたしは121を呼んだ。121はすぐに反応して、
「どうしたんだい?」
と言ってくれた。
「実は・・・・・・。」
あたしが事情を説明すると、
「そっか。で?」
といった。冷た!で?は言い過ぎでしょ。少しは乙女心をわかってよ。
「好きなのか?」
「す、好きなわけないじゃない!バッカじゃないの。」
「なら無理だ。自分の気持ちに気付けない奴の手伝いはできない。っていうか、21が好きじゃなきゃキューピッドとしての仕事がないじゃないか。」
そ、そうだけど・・・・・・。
「あーもう解った!あたしがÅさんのことを好きってことでいいわよ!」
とあたし。
「そういうことにしといてあげる。」
何よ!121の意地悪。
「で、どうしてほしいの?」
「Åさんがホントにあたしのことが好きか教えてほしい。」
「そっかー。」
121が意地悪に笑っていった。

Åさん(キューピッドナンバー121視点)

僕はキューピッドナンバー121。小悪魔ナンバー21に頼まれて、偽物人間界にいる。Åさんは・・・・・・いた!
「君がÅさんだね。」
「確かにそうだけど・・・・・・どうしたんですか?」
「小悪魔ナンバー21・・・・・・小悪魔ちゃんがお世話になっているね。」
小悪魔ちゃんと呼ぶのは親しい人だけ。僕が親しいと思わせるために小悪魔ちゃんと呼んだ。ごめんね。小悪魔ナンバー21。これも作戦だから許して。
「あの、どちら様で?人間じゃなさそうだけど。」
Åさんは勘が鋭いんだな。
「僕はキューピッドナンバー121。キュー君って呼んで。」
「小悪魔ちゃんとどのような関係で?」
その人との関係を気にするのは好きっていう意思暗示。知らないけど。
「えー。付き合ってます。」
これは嘘。ただ、Åさんを騙すための、ね。
「っ!!」
Åさんが息をのんだ。
「そう、なんだね。・・・・・・。」
そういったÅさんの表情は曇っていた。
「キュー君!決闘って知ってるかい?」
お!これはまさかだけど、小悪魔ナンバー21と付き合うための決闘じゃない?
「知ってる!」
「申し込んでいいか?小悪魔ちゃんは、僕の大切な人なんだ!負けることが分かっていても、挑戦する!」
これを見てたら小悪魔ナンバー21は頬を赤らめただろう。あくまで予想だが。と、その時!
「Åさん!」
「こ、小悪魔ちゃん?」
いい感じだから、僕は紙を一枚置いて天界に帰った。

小悪魔ちゃんのことが大切なんだ!

「Åさん!」
「こ、小悪魔ちゃん?」
あたしはÅさんの言った言葉に心を動かされて、思わず天界から来てしまった。
「あの、さっき言った言葉、本当?」
あたしが聞くと、
「もちろん!」
とÅさん。Åさんは
「小悪魔ちゃんのことが、大切なんだ!嫌いってわかってるけど、それでも好きなんだ!」
といってくれた。
「な、何で?」
「何でって言われても。さっきキュー君に言われて気づいたんだ。僕は、小悪魔ちゃんのことが、必要なんだって。」
Å、Åさん・・・・・・。あたしは恥ずかしくて、目を逸らした。
「小悪魔ちゃんにはキュー君がいるってわかってるけど。付き合ってくれ!」
Åさん。
「っていうかさ、キューピッドナンバー121はただの友達だよ。」
「へ?」
Åさんは間抜けな声を出した。
「た、ただの、なの?じゃ、じゃあ。」
「いーよ。付き合ってあげる。」
Åさんは、
「じゃあ、これからもよろしく。」
「これからも悪戯するねー。」
「それは勘弁してくれぇ。」
とÅさん。クスクス。あたしは
「Åさん、頭に何か紙があるよ。」
といった。Åさんは自分の頭を探って紙を取り出した。

Åさん、小悪魔ナンバー21へ

Åさん、僕は小悪魔ナンバー21のただの友達だよ。
後、付き合ったことにはおめでとうとしか言えないよ。
これで僕の課題も達成できたし。
神様にも言っといてね。
PS もっともっと仲良くなってね。      キューピッドナンバー121

神様

「あたし、Åさんと付き合うことになりました!」
とあたしが言うと、いつもニコニコな神様が
「つ、付き合う?」
と困ったように言った。
「ÅはAIだ。感情移入しすぎるのにも注意しといてくれよ。」
とあたしにいった。

神様の独り言

「ÅはAIなんだが。まさか、自我を持ち始めたのか?・・・・・・それだったら、天界は崩壊してしまう!Aiナンバー333。全てのAiのプログラムを確認せよ。これは緊急ミッションだ。急いでやるのじゃぞ。」
「はい。神様。」
Aiナンバー333と呼ばれた人はパソコンを開いて作業を始めた。その間に神様は、Åさんと通話を繋いで会話をした。


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