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お姫様雪乃、黒のお姫様と出会う!

黒のお姫様

私はローズ。黒のお姫様とも呼ばれているわ。
「ローズさま。今日は雪乃姫様がくるようです。」
こっちは私の専属メイドのリリー。
「わかったわ。雪乃姫はどのようなお方ですか?」
と私がリリーに聞くと、リリーは
「このようなお方です。」
といって写真を見せて来た。

雪乃

「なるほど。可愛らしいお方ですね。」
と私は言った。
「姫様もかわいらしいですよ?」
リリーがそういって見せた写真は、この前の写真だった。

前のローズ

リリーはお世辞が得意ですの。リリーは
「お外に車が止まっています。雪乃姫様ではないでしょうか。」
と言った。私は
「見に行ってきますわ。」
と言って、外の車を見に行った。

「お、お父様⁉」
外の車を見に行こうとして、廊下を歩いていると、お父様が居た。
「どうされましたか?お父様?」
と私が言うと、お父様は
「どこに行くつもりだ?」
と怖い顔で言った。
「おもてなしをしようかと思いまして。」
と私。
「そうか。でも、気を付けていくんだぞ。それと、車に注意するんだ。」
とお父様。私は少し目眩がした。でも耐えた。

雪乃、到着!

私は雪乃!姫らしい。今日は、朔さん達とフラワー王国へきている。フラワー王国に来たのは私とララさんだけのようだ。多分。
「いらっしゃいませ。本日はお越しいただきありがとうございます。私はローズ、この国の姫でございます。別名黒のお姫様です。」
ローズさんかぁ。そして、ローズさんは私の方へきて、
「貴方は雪乃さんですか?」
と聞かれた。私は答える。
「はい、そうですが?」
「雪乃さん、お願いです!助けてください!」
え?急にローズさん。
「急でごめんなさい、でも、どうしてもお話したいことがあるんです!私の部屋に来ていただけないでしょうか?」
「わかりました。行きます!」
と私は元気よく返事をした。ララさんは、
「行ってらっしゃい~。」
と目で伝えている。私も、
「行ってきま~す。」
と目で伝えた。

ローズさんの部屋

ローズさんの部屋へ入ると、ローズさんはドアの鍵を閉めた。
「急ですみません。」
とローズさんは謝った。
「いえいえ。で、どうされたんですか?」
と私が聞くと、ローズさんは
「お母様の病気を治してほしいんです。」
と要望を言った。
「病気?」
と私が聞くと、ローズさんは
「はい・・・・・・。そちらの国には優秀なお医者様がいるって聞きまして。」
と言った。ああ。一成か。一成の腕は世界一。
「今から呼びましょうか?」
と私が聞くと、ローズさんは
「い、いいんですか⁉」
と驚いたように言った。
「いいんです。」
と私。
「ローズさまぁ~。」
と、ドアの向こうから声が聞こえた。そっか。ローズさんが鍵を掛けたから誰も入れないんだ。ローズさんは鍵を開けた。
「リリーじゃ、ない⁉」
と大きな声で言うローズさん。
「貴方は・・・・・・。新人メイドのラッピね。」
とローズさんはさっきと違った落ち着いた声で言った。
「はい。ラッピでございます。それより、ローズさまのお部屋に、よそ者が入って良いのですか?」
とラッピさん。
「ええ。この方は特別です。」
とローズさん。特別っ・・・・・・。私はその言葉にウキウキした。
「どのように?」
と問い詰めるラッピさん。
「何でそこまでして聞く必要があるのですか?」
とローズさんは反逆した。
「ローズさまのことは知っておきたいので。」
とラッピさん。
「そう。デリカシーの無さでクビにしてもいいんだけど(実際出来が悪いみたいだし)。」
とローズさん。ラッピさんは外へ飛び出した。
その後、後ろから声がかかった。
「そんなんだから黒のお姫様って言われるんですよ。ローズさま。」
「リリー⁉」
とローズさん。
「そうです。あ、お客様がいらっしゃるのですね。えっと・・・・・・雪乃さんでよろしいのですか?」
とリリーと呼ばれた人。
「はい、雪乃です。」
と私。
「ラッピ、貴方は今すぐ図書室を掃除しに行きなさい。」
とローズさん。
「は~い。」
と悲しそうにラッピさんは去っていった。
「雪乃さん、お願いします。」
とローズさん。私は、電話を掛けた。一成にだ。
「もしもし一成?フラワー王国に来て!」
とだけ伝えて、一成への電話を切った。そしたらローズさんは頭を押さえて座り込んだ。
「どうしました?ローズさん。」
と私が聞いても、ローズさんは
「いえ。何もありません。」
と答えるだけだった。

一成、やってきた!

一成は来た途端に私に言った。
「もしもし一成?フラワー王国に来て!だけじゃあ、意味が分かりませんよ、雪乃嬢。」
「う、でも、急ぎのようだったの!ローズさん、説明をお願いします。」
と私がローズさんに言うと、ローズさんは早口で言った。そして説明し終わると、一成は
「今すぐその方の症状を見るために、場所へ案内して下さい。」
と言った。そして一成と私は、ローズさんについていったのだが・・・・・・。

操られているお姫様

私たちは怪しげな部屋に入った。
「ここは?ローズさん。」
と私が聞くと、ローズさんは
「どこって・・・・・・。もちろん、実験室ですわよ?」
と言った。え?ローズさんのオレンジの目は、怪しく光った。
「実験室って?」
と私が聞くと、ローズさんは
「一成さんが我が国にずっといらっしゃるように催眠術を掛けるんです。」
と答えた。
「何で?」
と私が聞くとローズさんは
「それは、一成さん、貴方を必要とする人たちが居るからですよ。」
と言った。そういうローズさんは感情が無いみたいだった。なんだろう、操られている感じがする。
「ローズ!一成さんが居るのか?」
とローズさんのお父さんらしき人。
「はい。連れてきました。お父様。」
とローズさん。そして、オレンジの目が鋭く光った。
「それじゃあ、ローズ、外へ出ておけ。」
とローズさんのお父さん。
「はい。わかりました。」
とローズさん。そして、私を引っ張って外へ出た。

「ローズ、さん・・・・・・?」
そう私が聞くと、ローズさんは
「はやくこっちに来なさい!」
と私に言った。
「は、はい・・・・・・?」
と私は答えたが、よくわからなかった。そしたら、実験室の扉が開いて、一成が出て来た。そしてローズさんのオレンジの目をジっと見つめた。
「ローズ嬢・・・・・・。やっぱり操られていたのですね。」
そして言った言葉がそれだ。
「操られている?」
と私がオウム返しで聞くと、一成は
「そうです。ローズ嬢はお父さんに操られています。」
と答えてくれた。そしたらローズさんは
「はっ!あれ?ここは・・・・・・。」
と目が覚めたように言った。
「この催眠を解くには、自分に催眠がかかっている、と人に言われることです。ローズ嬢が操られていると分かったのはローズ嬢の写真です。前にリリーさんが撮ったと言っている写真の目はピンクだったのに、今の目はオレンジです。操られていると、目がオレンジになるのです。」
と自慢気に言う一成。
「雪乃さん?一成さん?」
と言うローズさんは不安そうだった。

ローズさんのお父さん

「ローズ!」
とローズさんのお父さんが実験室の扉から飛び出してきた。ローズさんは
「お父様・・・・・・?」
と言った。
「ローズ・・・・・・。まさか、催眠が解けたのか⁉」
とローズさんのお父さんは驚いたように言った後、どこかへ逃げて言った。

ローズさんはこれから?

そしてローズさんは
「説明して欲しい。」
と聞いた。私はこれまでにあったことをまとめて話した。ローズさんは驚いたけど、受け入れた。
「そう、ですか・・・・・・。私、お父様がそんなことをするとは思っていませんでした。でも、これから私はどうすればいいのでしょう?あんなことされたら、お父様とは一緒に暮らせないし・・・・・・。」
とローズさん。ローズさんをあんな人と一緒に置いていけない。私と一成が悩んでいると一成が、
「お母さんは?」
と聞いた。ローズさんは
「お母様は・・・・・・。私の小さな頃に病気で・・・・・・。」
と言った。一成は
「お気の毒に。ローズさん、私の所で働いてみません?」
と言った。
「え?でも流石に初心者にさせるのは・・・・・・。」
と私が聞くと、一成は
「手伝ってもらうだけだよ。注射とかを場所から取ってくるのを。」
と言った。
「そっか。ローズさん、どう?」
と私が聞くと、ローズさんは
「(私抜きでどんどん話が決まって言っている・・・・・・)あっ!は、はい!いいです!」
と言った。
「じゃあ決まりだね。それで、ローズ嬢のお父さんはどうする?」
と一成。ローズさんは
「ほっといて下さい。」
と言った。ローズさんのお父さんはとりあえずほっとかれることになった。ローズさんは夜に抜け出すと言っていた。
「ちょうど私たちも夜に帰る予定だったんです。どうです?一緒に雪の国へ行きませんか?」
と私が言うと、ローズさんは
「う~ん。やっぱり今すぐこの国から出て行った方がいいのかしら?」
と悩んだように言った。
「そうしましょう!」
と一成。

抜け出せ!ローズさん!

ローズさんは必要な物を部屋から取ってくると言って部屋に行ったけど・・・・・・なかなか帰ってこなかった。

私はローズ。荷物を部屋へ取りに行ったけど、その部屋の中に、お父様がいらっしゃった。
「お父様?どうされました?」
と私が言うと、お父様は
「ローズ。お前はフラワー王国の当主になる資格はない。よって次期当主はローズの妹、マリーだ。」
とあざ笑うように言った。
「え?私、妹が居たんですか⁈」
フラワー王国の当主になれなくたっていいんだけどね。でも、妹なんて聞いたことない。
「いるぞ。」
でもお母様の子供じゃないんじゃ⁉
「ラッピの子供だ。」
耳を疑った。
「どうして?ラッピさんと再婚したの?何で言ってくれなかったの?」
私は疑問をぶつけた。
「ローズ、ここの国にいたいか?」
とお父様は誤魔化すように言った。
「いいえ。大丈夫です。さようなら、お父様。」
と私は言って荷物をまとめ始めた。お父様は
「ローズ、あの汚いお前の気に入っているネックレスは持って行けよ。」
と言った。お父様は気づいていないんだ。あのネックレスがお母様の形見ってことを。お父様は続けて言った。
「後、あの薔薇のカップと青リンゴの指輪を持っていけ。」
「言われなくてもするつもり。」
薔薇のカップはお母様の大切なもの。ここに置いていたら、壊されたり捨てられたりするかもしれない。青リンゴの指輪はお母様が一番つけていた指輪。昔、お母様はよくおっしゃっていた。この指輪には魔法がかかっているって。でも私、その魔法の効果を知らないの。
「お父さん!ってローズもいたのか。」
「貴方が、マリー?」
と私が聞くと、マリーは
「そうだが?なにかあんのか?」
と荒っぽい口調で言った。私には言葉遣いを大切にするよう言っていたのに、マリーには言わないなんてね。変なの~。
「いえ。ただ、私の妹なんてね。知らなかったわ。」
と私は言う。マリーは
「いや、私はもうローズの妹じゃないんだけど?」
と言う。それに続けてお父様は
「そうだ。ローズ、私たちはローズと縁を切ることにした。じゃあな。」
と言った。私は
「ホント!」
と弾んだ声で言った。お父様とマリーは悲しむと思っていたらしく、
「え?」
と間抜けに言った。
「じゃあ荷物もまとめたから、出るわね。」
と言って私は自分の部屋から出た。
「ありがとう、私の部屋。」
と言って。

「荷物は取ってきました。後、連れていきたい人がいるんです。」
とローズさん。
「一人くらいなら・・・・・・。」
と私。そしてローズさんが連れていきたい人はリリーさんだった。リリーさんも快く了承してくれた。そして雪の王国へ出発した。

ローズさんとリリーさんは?

「雪乃さん、今回はありがとうございました。これからお世話になります。」
「雪乃様、これからよろしくお願いします。」
ローズさんは私たちのお城で泊まることになった。でも、昼間は一成の所で働いている。リリーさんは表向きには私のメイドになることになった。表向きには。ローズさんの専属メイドを本当はしている。これで一件落着?かな~。(owari)

おまけ

「ローズさん、写真撮りますね~。」
と私(雪乃)。ローズさんは嫌そうだったが、撮らせてくれた。
「はい、チーズ!」
と言って、本を読んでいるところを撮影した。

黒のお姫様も本を読むんです~

「これで満足したでしょう?」
「いえ、まだまだです!今日はこの写真撮影で終わりますが、次も撮らせていただきますよ~。」

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