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ちょいと変わったノンさん~予測不可能なクリスマスのお祭り編~

おれはるい。
「るいるい!」
こっちはノンさん。おれは、
「どした?ノンさん。」
と聞いた。ノンさんは、
「これ、なにこれ?」
と言って一つのチラシの紙を差し出した。おれは、そのチラシを見た。
「あっ、祭りじゃん!」
とおれは言った。
「え?お祭り?学校であるの?」
とノンさんは心底驚いた様子だった。
「そっか。ノンさんは、転校してきたから知らないんだね。お祭りって言っても、小さな祭りだけど。去年は病気が流行ってできなかったけど、今年は出来るよ。」
とおれは説明した。ノンさんは
「るいるいは、行くの?」
と聞いてきた。おれは悩んだ。行く人少なそうだし。でも、ノンさん初めてだし、ちょっとズレてるし、心配だから行こうかな。それに、アレあるし。人に見られるのはちょっと恥ずかしいけど、
「行こうかな。」
とおれは言った。結構上手だと思うしね。ノンさんはパーッと顔を明るくすると、
「じゃ、浴衣っているかな?でも冬だから寒いかな?」
といった。・・・・・・ちが~う!そうじゃない!
「小っちゃい祭りだから浴衣は着なくていいよ!」
とおれは言った。そう話していると、団が
「ノンさんも、祭りに行くのか?」
と近づいてきた。ノンさんは
「うん、でもちょっと迷ってる。浴衣、来た方が良いと思う?」
といった。団は考えた後、
「浴衣でいいんじゃね?(ノンさんの浴衣姿、見てみたいし。)」
といった。ノンさんは言った。
「わかった、浴衣じゃないのにする!」
話聞いてた?まぁ、いいや。団はなぜか残念そうだった。

お祭り

おれは五分前行動(?)で、約束の時間の23分前に来ていた。ノンさんと、団と、一緒に回るらしい。知らない間にノンさんと団が団結して決めていた。
「あっ、ノンさん!」
もう既にノンさんが来ていた。おれが一番だと思ってたのにな。
「待った?と言うか、何分前に来た?」
とおれは聞いた。ノンさんは
「今来たばっか。0,11111111…………ぐらい?」
といった。残念、約0秒速かったら勝ててたみたい。
「どうする?行きたい場所の目星つけとく?」
とおれは聞いた。ノンさんはこくこくと頷いた。
「えっと~、まず、わたあめでしょ?納豆でしょ?えびせんでしょ?」
とノンさんは言い始めた。・・・・・・納豆⁉なんで⁉なんで売ってるの⁉後えびせんじゃなくてたこせんだよ。

~13分後~
「あ、団!」
とおれは言って団に向かって手を振った。団はチッと舌打ちをしたように見えた。ノンさんは
「あっ、だ~ん!」
と言って団に向かって手を振った。するとおれが手を振ったときの反応とは違い、キラキラとした表情になって手を振り返したのだ。なんか、団と仲良くできる気がしない・・・・・・。
「ノンさん!結構早かったな。何分前に来たんだ?」
と団が聞いた。あ~、これも、おれには聞いてない系ね。というか、答えても無視されるんだろうな~。
「るいるいと同じくらいで、13分前!」
とノンさんは言った。団は顔を暗くした後、おれにニッと笑いかけた。怖っ!おれは鳥肌が立って、ブルブルと震えた。
「るいるい大丈夫?」
と団が言った。団に初めて、るいるいって呼ばれたかも。なんか不気味だった。
「あっ、ああ。」
と必死に声を絞り出したおれは、続けて
「回ろうか。」
といった。ノンさんは思いっきり頷いた。

「たこせん下さい!」
「ごめ~ん、待った?」
「百円です。」
「イルミネーション楽しみ!」
「おれの奴、どこに飾ってある?」
「無くなれ。。。」

耳をすませると、色んな声が聞こえてくる。少し怖い発言もあったが、聞き間違いだろう。
その中で、おれと団はノンさん関係で言い争いをしていた。
「なんでだよ、るい!」
と団は愛称を使ってくれなくなった。
「団!絶対にダメだ!それだけは、おれが許さん!」
とおれは負けじと言い返す。団は
「お前が口出すことはないだろ!」
といった。おれは
「好きだから!好きだから口出してんだよ!」
といった。そこへ何も事情を知らないノンさんが、たこせんを片手に乗せながら帰って来た。もとはと言えば、ノンさんのせいだ。おれはノンさんを見た。そして団に、
「元はと言えばノンさんのせいだし、ノンさんに決めてもらうか?」
と言った。団は
「あぁ、望むところだ。」
といった。望むところだってそんな望むこと無いけどね。
「ノンさん!」
とおれは言った。団が続けて、
「ノンさんの持ってるそれは、なんて名前?」
といった。突然そう言われてノンさんは驚いたようだったが、すぐに
「えびせん!」
と答えた。団が勝ち誇った顔をした。たこせんだよ、ノンさ・・・・・・
「もしくはたこせん!」
とノンさん。あっ。団とおれは顔を見合わせて、
「今回の勝負は引き分けだな。」
といった。一人、ノンさんだけがよくわかっていないようだった。おれは説明しようと、口を開けたが、ノンさんが手を打って、
「そう言う事?私の持っているこれが、たこせんか、えびせんかで言い争ってたの?」
といった。よくわかったな、ノンさん。。。勘の鋭い所、尊敬するよ。
「正式名称はたこせんだけど、愛称はえびせんだよ。」
とノンさんは言った。おれは苦笑し、団は目の光が少し暗くなった。
「それより、イルミネーションのカウントダウンがもう少しだよ。」
とノンさんが言って、おれと団を手招きするために、走ってクリスマスツリーに向かって行った。おれと団は、走ってノンさんに追いついた。

イルミネーションカウントダウン!

””3!””

””2!””

""1!””

クリスマスツリーに絡まっていたイルミネーションが綺麗に、鮮やかに光った。周りから少しずつ歓声と、拍手が響いて行った。
ところが、イルミネーションがすぐに消えてしまった。拍手はあっけなく止まった。それどころか、罵倒の声が聞こえるくらいだ。ノンさんは、
「あれ!誰かが、電源のコードを抜いたんだ!」
と言って電源コードが繋がっていた場所へすぐに向かった。おれは走って追いつこうとしたが、本気を出したノンさんには到底追いつけない。
それでもおれは、走った。団は混乱している町内会の人たちに説明をしていた。

犯人

「お祭りなんて中止になればよかったんだ、」
私はノン!って、挨拶してる場合じゃなかった!私はそう言っている人物に体当たりをした。
「おわっ、何だお前。」
とソイツ。私はキッとソイツを思いっきり睨みつけると、
「なんで電源コード抜いたの!」
といった。ソイツは
「んだよ。うるせーな。」
と言って拳をグーにした。ソイツは結構ガタイが良かったし、勝てる見込みがあまりなかった。それでも私は相手を背負い投げした。あまりダメージのないようにしたが、大丈夫だろうか。ソイツは受け身を取ったみたいで、すぐに私に殴り掛かって来た。
「ちょっと痛いけど、我慢してよねっ!」
と私は言って空気鉄砲を発射した。見事額に命中!ソイツはなぜか、まだ倒れなかった。そして、また殴り掛かって来たのだ。倒れなかった時の事を想定していなかった私は、目を閉じた。そこへ慌ててやって来たるいるいが、
「えっと、どういうことですか?」
と言った。私はゆっくりと目を開けた。
「・・・・・・ロボット?」
ロボットだったのだ。私の戦っていた相手は。
「ふ~ん。ならこうしてやる!」
と私は言ってバケツをロボットにかけた。ロボットは固まった。その隙に私はロボットの電池を抜いた。ロボットはバタッと倒れた。
「誰に命令されたの?」
と私は近づいて言った。だがすぐに、
「あっ、充電抜いちゃったから喋れないか。」
と思い出した。るいるいが、
「でもこれ、そんな器用なこと出来ないし、喋れないと思うよ。」
と言った。そう言われてみればそうだ。電源コードを抜けるほどこのロボットが器用には見えない。私は、パッとるいるいを押した。

””シュパッ””

一つの拳が宙を切った。
「嬢ちゃん強いね~。経験者かい?」
ヒョロリとした男性が出て来た。私はサッと動き、男性を蹴り上げた。
「嗜む程度には!」
男性は
「あ~あ、もう三分じゃん。もういいよ、嬢ちゃんの好きにすれば?また今度の祭りを潰せばいいだけの話だしね。」
言って姿を消した。予測不可能な男性の動きに私は、呆然としていたが、すぐに電源コードを繋いだ。そしてるいるいを見て、
「カップラーメン食べるための暇つぶしにこうしてたのかな?正直言って私は二分でもいいな~って思ってるんだけどね。」
といった。正直言って、ただの強がりだった。お祭りを潰そうとしている輩が居るのが、怖かった。るいるいは苦笑して、
「そっか。ノンさんは、好きなんだね。」
といった。そうだね~。

私のはどれ?

一件落着!
「るいるい、最後にアレ、見ていこっか。」
と私は言った。るいるいは笑い、
「おれのあるかな~。」
とランタンを探し始めた。ランタンに自分の描いた絵が写されるから、探すのだ。私も一緒になって探した。

~三週目~
「あった!」
とるいるいが言った。
「おぉ~。前から思ってたけど、るいるい絵上手いよね。」
と私は褒めた。るいるいは
「そんなことないよ。それより、ノンさんの探そ?」
といった。私は
「えっとね、サンタさんと、妖精と、ツリーと、雪だるまの載った絵だよ。」
とヒントを出した。るいるいも探すと言っても、私の描いた絵を知らないからそう言ったのだ。

~八週目~
「やっぱりないのかな?」
と私は言った。るいるいは、
「そんなことはないと思うんだけどなぁ・・・・・・。」
といった。私は
「下手過ぎて除外された、、、とか?」
とありそうな説を言った。そこへ団が
「あっ、居た!もしかして全部回ったのか?」
といった。私は事情を説明した。団は
「それなら、さっき見たぞ。」
と言って案内してくれた。
「あった!」
まさかの、一番端!目立つところだったのに、見つけれなかった。団が
「おれの叔母が町内会の手伝いをする人で、このランタンを並べるのを手伝ったことが助かったぜ。」
といった。まあとにかく、ありがとうだね。
「あっ、そうだ!イルミネーション!」
そうそう、イルミネーション見に行こう!

来年は……

~ノンさんの場合~
「綺麗。」
と声が勝手に出た。私達は見惚れていた。
来年も、るいるいと一緒に見たいな。

~団の場合~
「綺麗。」
とノンさんが言った。おれ等は見惚れていた。
来年は、ノンさんと一緒に見たいな。

~るいの場合~
「綺麗。」
とノンさんは言った。おれ達はイルミネーションに見惚れていた。視点チェンジもあったし、色々あったけど、楽しかったな。
来年は、母さんにも見せたいな。
「あれ?ノンさんまだ、たこせん残ってるじゃん!」
とおれは言った。ノンさんは思い出したように、
「ホントだ!食べよ~。」
と言って食べ始めた。おれら三人は、笑いに包まれたのだった。

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