先日ネットサーファインをしていたら見つけたキース・へリング展。
友達と行ってきた。
まだ一人では美術館へ行けないような小さな子どもたちにもぜひ見に行ってほしいと思った。
ごあいさつ
キースヘリングのアートはTシャツの柄などでなんとなく見覚えがあったけれど、
誰が書いているのか、なんで有名なのか、どんな想いを込めて描いているのかはこれまで知らなかった。
明るく楽しいイメージがあったので社会に潜む不平等やHIVがテーマだったことに驚いた。
1.公共のアート
地下鉄の広告版に描いたアートからすべてが始まったことを初めて知った。
あらゆる階級のみんなに見てもらえるように地下鉄を選んだというところがNYらしい自由な感じでいいなと思った。日本だったら難しかったんじゃないかな。
動物が人間に祭り上げられているという皮肉。
アメリカが戦争をすればするほどお金がなくなり、人が亡くなるということを描いている?
キースへリングのアートでよくみる動物はこのころからあったんだなあ。
2.生と迷路
HIVで亡くなり、芸術活動はたった10年だったんだ。
たった10年で認められて国境を越えて愛される作品たちを生み出したことに感動した。
今まではアートのシンプルさ、キャッチーさだけしか知らなかったけど、時を超えてそのアートの意味を知れる機会を得られたことがうれしい。
記憶に残りやすいアートだからこそ後から知れる機会があったんだと思うし、キースへリングもそれを狙っていたのかな。
晩年近くの作品。おしべとめしべがHIVを象徴としている。
背景を何も知らなければただの花の絵として見てしまっていただろうな
キースへリングでいままで見たことのあるアートと比較してもかなり抽象的に感じた。心の不安定さも感じる。鮮やかに描いているのは生の喜びを表しているのかな。
あー!見たことがある。これキースへリングだったんだ…となった。
左下に人がかがんだ姿が描かれているけれど、男性なのはキースへリングがゲイだったからかな。仲間がいるから、ゲイカルチャーが華やぐ場所に移ったことは幸せだっただろうな。
この辺りは展示空間自体が薄暗く、作品が発行していて闇に浮かび上がっているように見えて楽しかった。
妊婦さんが楽しそうに踊っている姿が生の喜びを表しているよう。
チーズみたいで可愛かった。
3.ポップアートとカルチャー
ミッキーマウスが好きだったらしい。青年が好きそうな感じに見えるのは、青年に向けたアートだからというのもあるのかな。
さっきの花の絵に比べるとだいぶ大衆向けに作られている。
よく知ってるやつ!
ダンスの舞台背景のために作った作品。壁一面がこのアートで迫力がすごかった。私も踊ってみたくなった。
4.アート・アクティビズム
この展示会で一番好きだった作品。
分かりやすくて、キャプションを読んだときになるほど!となった。意味を知る前と後では作品の愛着が全然違うことを改めて感じた。
一番痺れたキャプションの一文
「ナチスの強制収容所で同性愛者の男性につけられたピンクの逆三角形のマークがもとになっており、これを同性愛差別に対する抵抗として上向きの三角形に図案化したもの」
この作品の前で二人組のおねえさんが「かわいい~」と言っていた。私は作品もお姉さんもかわいいとおもった。
最初はメッセージに興味がなくともアートに興味を持ってもらえれば万々歳だよね。アートを知ってからその深い意味を知る、スヌーピーと同じだ。
5.アートはみんなのために
赤と青の物語。キャッチーなアートは人の心に残り続ける。小さなときに好きだったアートの意味を大人になってから知るというのも趣深い気がする。
キースヘリングの子供達への思いやり?をすごく感じたアートたちだった。
確かに公園にありそう〜!アスレチックみたいで見てるだけで楽しかった。
6.現在から未来へ
椅子があるので座りながら鑑賞できる。
展示スペース自体の雰囲気がまた少し違っていてアトラクションのようで楽しかった。
コマ割りで描かれているアートの解釈を30分くらい考えてたように思う。
テーマが社会問題についてだからか、少し内容が暗かった。ただ漫画になっているので大人も子供も楽しめそうだった。
トピック:キースへリングと日本
ここのゾーンが一番面白かった!
日本に住んでいるから興味をひいたのかな。実際の交流の写真などもあってキースヘリングを少し近く感じられた。(ぜひ展覧会でみてほしい)
子どものころに出会っていて良かった。
アンパンマンやミッフィー、スヌーピーなど
子どものころは「キャッチーで、なんとなく面白い」から見ていた作品たちを
大人になってからもう一度よく見てみる。
すると、今更ながら深いコンセプトに気づき、感動し、時に救われて、
ますます作品を好きになったりする。
(星の王子さまとかも)
大人になって改めて気づくからすごく心の奥深くに響くのだろうし、
こういう感動の積み重ねはきっと、大人の感性を磨くことにも一役かってるに違いない。
というわけで
まだ一人では美術館へ行けないような小さな子どもたちにもぜひ見に行ってほしいと思った。