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こちらも読みやすくておすすめ~村山由佳さん『雪のなまえ』読了~

もう一冊、体調がすぐれず家でじっとしていた週末に読み終えた本のご紹介です。

いじめからの不登校で、父の祖父母が暮らす長野にやってきた主人公・雪乃。父も脱サラし、母は東京に残るという形で家族を続け、愛情深い曾祖父母や厳しくも豊かな長野の自然に囲まれて、1歩踏み出すというお話です。

長野の自然、農作業の描写がとても美しく読んでいて優しい気持ちにさせてくれます。一方で、都会から田舎に移住して居場所を見つけて伸び伸び暮らしてハッピー、という決してイージーな展開になることはなく、田舎の厳しさ、息苦しさもきちんと描かれているし、それでも主人公の両親や曾祖父母が悩みながらも雪乃へ愛情深く接しているところに胸を打たれました。

村山さんといえば、みずみずしく爽やかな恋愛もの、めくるめく大人の性愛の世界を大胆に描いたもの、というのが主な作品かなと思いますし僕も好きですが、今作のような、小学生を主人公にしたやさしく口当たりのよい作品もとっても良かったです。

スルスルと読みやすいのでおすすめの一冊でした。


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