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とっても良かった!~読了・小野寺史宜さん『いえ』~

作家の小野寺史宜さんをご存知でしょうか。僕はとても好きな作家さんの一人です。その中でも最近読了したのがこちら。

いまKindleなら安いです!まだ文庫化してないので、ここぞとばかりに電子を買って読みました。
『ひと』『まち』に続く3部作です。内容的にはそれぞれ別のお話なので、この2冊を読んでなくても全く問題ありません。

主人公・傑には妹の若緒がいて、この若緒は足が少し不自由なんですが、そのきっかけを作ったのが傑の親友なんですね。この妹の足が不自由になったことをきっかけに、傑の心情が、若緒への想いを中心に淡々と綴られていきます。家族や恋人、友人や職場の人達とのエピソードを通じて傑の想いに変化が訪れ、やがて傑も一歩前に進むことができるようになるまでのお話です。

もともと小野寺作品の主人公は、淡々としていて、日常のささやかなエピソードやさりげない会話で進んでいくのが特徴です。どの作品も結構似たような世界観で、それが定番で僕は好きなんですが、特に今回の『いえ』では、描かれるエピソードの塩梅が絶妙で、傑の心の変化の過程がとても丁寧に描かれているなと感じました。

小野寺さんの作品、ポプラ文庫の『みつばの郵便屋さん』シリーズ、祥伝社のこの3部作、新潮社のも結構良いです。とても読みやすいのでおすすめの作家さんです。

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