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「棒高跳び」の世界~額賀澪さん『鳥人王』読了~

額賀澪さんをご存知でしょうか。最近ドラマ化された『転職の魔王様』の原作小説を書かれた方で、青春ものやスポーツ、お仕事ものに定評のある作家さんで、大好きな作家さんの1人です。そんな額賀さんの新刊がこちら。

今夏のパリ五輪を目前にした、「棒高跳び」が題材のお話です。ビジュアルも麗しい日本のエース・犬飼、本業のお笑いがパッとしないアスリート系芸人の御子柴、それぞれがパリ五輪、番組の企画でマスターズの記録を目指すのですが、二人それぞれにドラマがあり、さらに棒高跳びで使うポールにもこれまで知らなかった背景もあって、知っているようで知らなかった棒高跳びの世界がのぞけて興味深かったです。そして犬飼と御子柴のなんともいえない関係からの交流にニヤリとし、なんといっても犬飼の性格の設定の上手さにうなりました。とある家庭の事情からくる犬飼のヒネクレ具合がこれまたいい塩梅で、額賀さんの上手さが光っています!

とっても楽しく読みやすく、棒高跳びをちゃんと見てみたいと思いました。

額賀さん、『転職の魔王様』シリーズをはじめ、どの作品を読んでもハズレはないと思います。個人的には、駅伝を扱った『タスキメシ』シリーズも好きです。がっつりレース中心の描写が多いスポーツものとはひと味違った、登場人物たちの心情やキャラクター、周りのエピソードが多く描かれるのがとても良くて。他には競歩を扱った作品もあります。おすすめの作家さんです!

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