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秋の朝から冬の朝へ

布団の温もりから離れがたい朝。
もうそんな季節になってしまったんだなぁ、と寝返りを打つ。
少しでも長くこうしてまどろんでいたい。
時間をちらちら気にして、自分との闘い。

先月までは明け方に目が冴えてしまうことが多かった。朝焼けや明けの明星こと金星の光をご褒美のように感じて、特別感に浸っていた。

最近はいつの間にか朝が来ていて、金星が東から南東の空へ移動し、すっかり青空にまぎれる頃に目を覚ます。

(だけど、今朝は久しぶりにはやく起きられた。
東の空がほんのりと橙色から朱色に染まっていく。
金星も東の空にあって、強い光を放っていた。パワーをもらえた気がして嬉しい。)


名残惜しくも重たい毛布を引きはがし、立ち上がる。首元をあたためてくれたネックウォーマーを外す。
窓を開けて冷たい新鮮な空気を取りこむと、あまりの寒さに肌が引き締まる。

冬? いいえ、まだ11月半ば。

急な寒さについていけない体が風邪を引かないように、とにかく保湿を徹底している。
顔を洗ってうがいをしたら、水分をとって喉を潤さないと。

出勤の日は天気が大事。
朝から晴れている方が気合いが入りやすい。

秋は、カーテンを開けてすぐに面白い形の雲をたくさん見つけることができて楽しかった。

今日は快晴。(休日なのでそんなに関係ない。)
昨日は、起きたときは薄曇りだった。
出かけるころに青空が広がりはじめ、マシュマロのような雲がぽんぽん生まれていた。

出勤の日は、台所で水筒の準備。
沸き立てのやかんのお茶を先に淹れて、冷蔵庫のお茶を少しつけ足す。
割合はその日の天気予報と勘による。

お弁当を詰めたら、朝食。
マグカップで手指をあたためる。
緑茶が体をめぐってリセットされる。
しっかりと朝食をとって、一日のためのエネルギーに変換させる。
内側から熱をつくりだして寒さを乗り越えないと。

ハンガーラックからふかふかの中綿入りジャケットを掴む。その隣にかけられたブラウンのカーディガン。
例年よりも気温の高い秋が続くからと、薄すぎず厚すぎない生地のものを10月の最終日に購入した。
まだ3回しか袖を通していないのに、冬用のアウターに出番を譲ることになったのは残念。

でも、寒くなってから使おうと買っておいた白いニット帽がはやくお披露目できるのは楽しみ。


昨日は、窓を開けている時間が短く済むように手早く掃除をしていたら出勤前に余裕ができた。

ゆっくりしてから家を出てもいいのだけれど、ようやく見えてきた青空に誘われるように家を出た。

職場の方向に車を走らせ、途中で道を曲がり、近くの公園で車を止めた。
グラウンドを一周するのに約10分。
朝の運動にちょうどよかった。

高い木を見上げる。
ステンドグラスのように陽に透けていた木の葉たちは、すっかり足下に落ちてしまった。だけど鮮やかさはそのままで、一枚いちまいを宝石のように感じる。

今ごろの季節は、“フレディ”を思い出す。

幼いころにあの絵本に出会ってから、枯葉を踏み潰すことができなくなった。

土に還り、命を循環させる。
だから安心して、ゆっくりおやすみ。



窓の外は明るい。東の奥の空は、穏やかな黄色に戻りつつある。
私も今日をはじめることにする。


秋の朝から冬の朝へ......

移りかわる季節の変化に、楽しみをひとつでも多く見つけながら過ごしたい。

今日も少しだけ散歩をして、それから買いものに出かける。
夕食はあたたかいビーフシチューを作ると決めている。
そうだ、ニット帽を被っていこうかな。


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