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カナダの留学生に関わる一時的な制限をどこから見るか

2024年1月カナダ留学を目指している人に激震が走りました
なんと、カナダ政府が2024年と2025年の2年間について、留学生の数に上限を設定すると発表したのです
またその上限は各州の人口比で決めるということで、トロントとバンクーバーという留学生に人気の街を持つオンタリオ州とBC州については2023年と比較して留学生数が減ることになると言われています
(制度変更の詳細については以下プロのまとめをご確認ください↓)

すでにカナダ留学に向けて準備を始めていた人、この2年間で留学を検討していた人にとっては大きな出来事でしょう

この留学生数に上限を設定するきっかけになったのがカナダの不動産高、家賃高、住む家が見つからない等の不満
元移民大臣であり、現在の住宅担当大臣であるSean Fraser氏がその解決方法の一つの選択肢として留学生の数を制限する可能性を示唆したのが発端です

コロナ前と比較して異常な伸び率で留学生がカナダに入国していることは事実で、実際に都市部では住む家を探すことが困難だったり、家賃が高騰していました

だが、しかし、

カナダ(特に都市部)の不動産が異常に高いこと、家が足りないという問題はコロナ前からも言われ続けていたこと
政府が適切に対応してこなかった部分が Fraser氏が移民大臣時代にガバガバ留学生とtemporary workerを入国させたことで拍車がかかり、露呈
25年に国政選挙を控える時期ということもあり、Fraser氏の発言により住宅問題のスケープゴートに留学生がされてしまった言ってもいいでしょう

結局カナダ政府は24年の1月に留学生数の制限を発表し、その運用や各学校/プログラムの人数振り分けも含めて州に無茶振りしたこともあり、事実上2024年2月現在ではどの州も具体的な体制を整えられておらず、実質Study Permit(学生ビザ)の申請が一旦停止、準備の整った州から3月初旬より申請再開に向けた動きが出てきました

カナダにおいて留学は大きな産業でもあるため、留学生を制限するということは他のひずみを生むのも事実

なので、以下のニュースのようにプログラム数減少、カナダ人に対する学費高騰のリスク等、別の問題点についても声が上がっている状況です

私は元上司の受け売りでよく「りんごをどこから見るか」という例えを使って問題について考えます
それはどういうことかというと「りんごを横から見るのと上から見るのでは同じリンゴでも見え方が違うよ」ということ

この例えを今回のカナダの留学生問題に当てはめてみましょう

例えば、実際に2024-2025年にカナダ留学をすでに計画していた人からすればそもそも自分は留学できるのか、計画通りに進められるのか、変更が必要なのか等の不安が出てくると思います
そういう人からすれば「なんでこんなタイミングで制限するんだよ、、、」と思ってしまうのが自然です
同じ留学計画者でも今はワーキングホリデー等でカナダに滞在中でカナダの住宅問題を肌で感じている人や確かに留学生が増えているという実感がある人の中には「制限は不安だけど、多少留学生が減ることで住む家が探しやすくなったり、アルバイト先が見つかりやすくなるかも」等のポジティブな考えが持つ人もいるかもしれません

また、「政府が住宅対策の一環で留学生を制限します」というニュースを見れば、カナダに市民権/永住権がある人でちょうど家の購入や賃貸物件を探している人であれば好意的に受け取る人もいますし、留学生を制限するだけで住宅問題が解決されるはずがない!と憤る人もいるでしょう
反対に市民権/永住権保持者で留学生に関わる仕事をしている人は留学生削減が自分の仕事に影響する可能性が高いことから不安に感じたり、政府の対応に反対の立場を取る人もいると思います

このように一つの制限を見ても、人によって考えや感想は違ってきます
誰の考えが正しく、誰の考えが間違っているということはありません
みんなそれぞれの事情があり、それに対して考えや感想があるものの、制度ですから従っていくしかありません

今後対象期間に留学を計画/予定されている人は移民局のWebsite等で現行制度の確認は必要だと思います
不安を感じる場合は「信用できる留学エージェント(美味しいことばかりを言う留学エージェントではなく、メリット/デメリットをきちんと説明できる留学エージェント)」に相談するとよいと思います
また、留学生が今後減るとはいえ、ワーキングホリデー等のTemporary Workerは今後も入ってきますから依然として家探しや仕事探しは簡単ではない状況が想定されます
それを見越した予算/貯金の準備をするだけで、渡航後の精神安定剤になりますから、個人的にはなるべく渡航までに貯金を増やしておくことをお勧めします

想定通りの船出ではないかもしれませんが、みなさんのカナダ留学がよいものとなりますように、、、

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